ろくでなし通信

アクセスカウンタ

zoom RSS 羊と鋼の森

<<   作成日時 : 2018/06/12 15:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

宮下奈都の本屋大賞受賞作「羊と鋼の森」。タイトルはわかりにくいが、ピアノのハンマーが羊の毛で作られていて、それが鋼の弦を叩く。その音の一音一音が、主人公の青年の脳裏に故郷の山中の様々な光景を浮かび上がる。北海道の美しい自然を巧みに挿入し、画面一杯に北国の豊かな自然を映し出すことに成功している。製作会社は東宝映画だが、東宝撮影所の伝統的で正攻法な撮影技術が画面の端々から感じられる。小説の中では表現が難しい「音」も、映画の中ではうまく表わせる。映像と音楽。映画を成り立たせている二つの要素が、とても美しく絡み合っている。かつて「電車男」の脚色で頭角をあらわした金子ありさの脚本も、熟達ぶりを見せて、ヒット作品に恵まれた橋本光二郎監督の演出も堂々としている。こういった作品には珍しく、主人公のピアノ調律師(山崎賢人)を取り巻く恋愛模様もなく、ドラマ要素としては出来のいい弟との葛藤だけが使われている。テーマは、新米調律師の成長物語だが、“調律師は、何をめざすべきか。華々しいピアニストを支えるだけの調律師に何を望むのか”といった調律師をめぐる煩悶がサブテーマにもなっている。ベテラン調律師の中にも、元ピアニスト(光石研)がいて、才能の壁の前で人生の方向を変えた人物として造形されている。ピアニストは、ピアノを楽器として使い、音楽を人々に届けるが、調律師にできることは、彼らが使うピアノを使いやすいように整えるだけだ。調律師に音楽の才能はいらない。だが、調律師がいなければ、素晴らしい音楽は表現できないのだ。ピアニストを夢見ていた高校生(上白石萌歌)が、終盤で調律師をめざすという筋書きも用意されている。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
羊と鋼の森 ろくでなし通信/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる