コリーニ事件(20年公開・DVD)

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2001年のベルリンで事件は起きた。大企業として知られるMMF社の社長が、自宅で射殺されたのだ。84歳になる社長のハンス・マイヤー(マンフレッド・ザパトカ)は、抵抗もせず犯人の前に膝まずき、額を撃たれた。その後、さらに2発の弾丸が頭に撃ち込まれ、顔面が靴で踏みつけられていた。逃げなかった犯人のファブリツィオ・コリーニ(フランコ・ネロ)は、真面目に働いてきたイタリア人で、犯行の動機を一言も話さない。国選弁護士となったのは、弁護士になったばかりのトルコ系のカスパー・ライネン(エリアス・ムバレク)で、ライネンはマイヤーの援助を受けて弁護士になった男だった。会社を継いだ孫娘のヨハナ(アレクサンドラ・マリア・ララ)とライネンは過去につきあっていたが、ヨハナは結婚してロンドンに住んでいる。祖父を殺されたヨハナと、ライネンは対立することになるが、犯行動機は謎のままだ。その謎が解け始めるのは、犯行に使われたワルサーP38。戦時中、ドイツ軍が使用していたドイツ国防軍の制式拳銃なのだ。この銃をきっかけに、コリーニの過去が掘り起こされていく・・・。現役弁護士のフェルディナント・フォン・シーラッハの原作を、マルコ・クロイツパイントナー監督が堅牢なリーガルサスペンスに仕上げている。事件の核心は、1944年にイタリアのモンテカティーニで起きたドイツ軍による虐殺事件だ。ムッソリーニが下野した後、パドリオが政権の座に就いたが、激怒したヒットラーは、ドイツ軍をイタリア北部に進駐させた。その時に起きた住民虐殺事件だ。事件を起こしたのが、若き将校のハンス・マイヤーだったのだ。殺された20人の中に、コリーニの父親が含まれていた。戦後、コリーニは、姉と二人でハンス・マイヤーを訴えたが、検察の捜査は打ち切られていた。戦時中のドイツ軍人の罪を軽減させる「ドレーアー法」ができたからだった。コリーニに残された手段は、ハンスの殺害だけだった。最後は意外な結末が待っている。検察側に有力者を配し、祖父の名声と会社を守ろうとするヨハナの駆け引きも絡まって、飽きさせない2時間3分の佳作だ。

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