水曜日が消えた(20年公開・DVD)

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少年時代に交通事故で両親を失い、自らも頭部に障害を受けた「僕」の頭の中には、7人の「僕」が生まれた。吉野耕平脚本・監督の「水曜日が消えた」は、多重人格(解離性同一性障害)の青年の物語だ。奇妙な一軒家で暮らす僕(中村倫也)には、火曜日の記憶しかない。頭の中の7人の僕は、それぞれの曜日を生きているからだ。火曜日の僕は、月曜日の僕の暮らしを受け継いでいるが、まるで違う暮らしぶりだ。家の中には、7人分の机と衣服、靴、洗面用具、タオルなどが置いてある。それぞれ、曜日ごとに使い分けているのだが、月曜日の僕は、ミュージシャンで女性を連れ込んでいるようだ。対照的に、火曜日の僕はとても真面目な青年だ。彼らの暮らしを、病院の荒木先生(きたろう)が愛情深く見守り、記録している。だが、ある日、突然「水曜日」が消えてしまう。火曜日の僕が寝て、起きると、水曜日になっているのだ。火曜日の僕は、火曜日と水曜日を暮らすことになった。戸惑う僕に、さらに異変が襲い掛かる。火曜日の僕が水曜日、木曜日まで暮らすようになり、月曜日の僕が金曜日、土曜日、日曜日も暮らすようになる。7人いた僕は、2人になってしまう。しかも、月曜日の僕は、火曜日の僕とは正反対の男。二人は、互いにスマホに残した映像で対立する。火曜日の僕が残るのか、月曜日の僕が残るのか・・・。誠実で真面目な火曜日の僕を主人公にしているので、感情移入しやすく創られている。彼らに寄り添う女性の謎、突然解任される医師の謎などを取り込んで、脚本はわかりやすく創られている。半面、交通事故の映像が何度も出てくるし、同じ場面が何度も出てくるが、その必要はないだろう。観客は一度で理解するものだ。アイデア満載のこの作品は、吉野監督の最初の長編映画となった。今後を期待したい。

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