思い、思われ、ふり、ふられ(20年公開・DVD)

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撮影当時46歳だった三木孝弘監督は、順調な仕事ぶりだ。2010年の「ソラニン」がヒットして以来、「僕等がいた」「陽だまりの彼女」「ホットロード」「アオハライド」「くちびるに歌を」「青空エール」など、若手俳優を配した青春映画を次々と世に送り出してきた。そのキャスティングには苦心の色が濃い。俳優の実年齢が登場人物の年齢よりかなり上回っている作品が多いからだ。「思い、思われ、ふり、ふられ」は、高校1年生たちの物語だが、主演の浜辺美波は21歳だから、メイクから演技までかなりの工夫が必要になるだろう。三木監督の演出は強引なところがなく、ナチュラルでリリカルだ。この作品の中でも、高校生たちが手をつないで駆ける場面は、スローモーションで撮っている。しかも、握り合った手はクローズアップで、雨まで降っている。桜、夏祭り、文化祭、クリスマス、夜景など、四季の移ろいをうまく映像に取り込んで、美しく仕立て上げている。咲坂伊緒の原作を、三木監督と米内山陽子が脚本化しているが、物語の中心は、母親の再婚で新たなマンションに越してきた山本朱里(浜辺美波)と再婚相手の息子、理央(北村匠)、同じマンションに住む同級生の市原由奈(福本莉子)、その幼馴染の和臣(赤楚衛二)の恋心の移ろいだ。親の再婚で姉と弟になった朱里と理央の複雑な想いが前半の中心になるが、後半は二人と由奈、和臣との関係が描かれている。息がつまるような朱里と理央の関係は、父の米国への転勤によって解決するという結末だが、理央が朱里に思わず”禁断のキス”をしてしまい、それを和臣が偶然目撃する場面が最も劇的だろう。親の再婚によって子供には重い苦しみがのしかかる。理性でそれを乗り越えようとする朱里の姿が描かれている。

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