エンドレスナイト(1971年日本未公開・DVD)

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「エンドレスナイト」はアガサ・クリスティシリーズとして発売された作品のひとつで、日本未公開の英国作品だ。アガサ・クリスティの作品群の中で、探偵が出てこない「ノンシリーズ」としては最晩年のひとつでもある。1967年に発表されたこの原作の邦題は「終わりなき夜に生まれつく」というもので、ウイリアム・ブレイクの詩「無垢の予兆」の一節からとられているという。主人公の青年、マイケル(ハイウエル・ベネット)は、運転手をしながら美術館巡りをしている。定職につかず、母親を嘆かせているマイケルは、キングストン・ビショップ村の「ジプシーが丘」に強い憧れを抱いている。眼下に美しい丘陵と海が広がるその土地に家を建てたいというのがマイケルの夢だった。そんなある日、その丘を裸足で踊る美女と出会う。それが、エリー(ヘイリー・ミルズ)だった。2人は恋に落ち、マイケルは自分の貧しい身分を隠さずにつきあう。だが、驚いたことにエリーは、世界で6番目の大富豪、フェネラ家の令嬢だったのだ。両親はすでに亡くなり、エリーの周りには継母とドイツ語教師のグレタ(ブリット・エクランド)がいるだけだ。エリーは継母を嫌っているが、グレタには心を開いている。やがて2人は結婚し、夢だった「ジプシーが丘」に著名な建築家による瀟洒な邸宅が建つ。2人の新婚生活は素晴らしいものになるはずだったが、そこには「タウンゼント家の怨念」がまつわりついていた・・・。ポワロのような探偵が出てこないので、物語はマイケルの回想によって描かれていく。アガサ・クリスティらしく、最後には意外な犯人の素顔が出てくるが、物語としては若い2人の恋と富豪一族の相続がミステリアスに絡んでくる。ミステリーの構造としては、ポアロシリーズにも出てくるカップルによる計画殺人だ。あらかじめ綿密に立てられた殺人計画が露見しないように、カップルは世間を欺く演技を貫くという方法。だが、この作品でも最後にはミスが現れる。長年、フェネラ家の資産を守ってきた老練な弁護士が、その犯罪に気づいていたのだ。弁護士はエリーに忠告し続けてきたが、エリーはそれを無視して殺されてしまった。ラストには、カップルがどこで出会ったかが描かれているが、それも絵画に絡めてある。レンブラントの名作「夜警」が使われている。

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