ドクター・スリープ(19年公開・DVD)

1980年に映画化された「シャイニング」の原作者、スティーブン・キングが、その40年後の物語を紡いだのが「ドクター・スリープ」だ。「シャイニング」の惨劇を生き延びた少年ダニーが、アル中の中年男になっている。ダニー(イアン・マクレガー)が、“奴ら”の追跡から逃れられてきたのは、自らの特別な力・シャイニングを隠し続けてきたからだ。いろん…
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カイジ・ファイナルゲーム(19年公開・DVD)

福本伸行原作の「カイジ」シリーズは、現代社会の貧困層の存在を強烈にアピールしてきた。主人公のカイジ(藤原竜也)は、ギャンブルに群集まり、僅かな望みすら失ってしまう者たちを「お前たちはどうしようもない馬鹿だ」「クズ、クズ、クズ!」と罵倒するが、それは自分の姿でもあり、カイジこそ典型的な弱者の一人なのだ。「カイジ・ファイナルゲーム」は、…
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いなくなれ、群青(19年公開・DVD)

少年少女が大人になるために、脱ぎ捨てなければならない青い殻がある。その殻はかつての自分自身だ。優しさ、思いやり、友情や共感を捨てて、競争の中で勝ち抜いてゆける、したたかな自分に変わっていくのだ。生まれつきの悲観主義者、ペシミストの七草(横浜流星)は、小学校からの同級生、真辺由宇(飯豊まりえ)の存在に違和感を抱いていた。由宇は、七草とは対…
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3人の信長(19年公開・DVD)

20年放送開始のNHK大河ドラマ「麒麟が来る」でも取り上げられていたが、織田信長が朝倉攻めをした時、義理の弟にあたる浅井長政に裏切られて窮地に陥ったことがある。有名な金ヶ崎の退き口と呼ばれる撤退戦だ。信長は少数の手下を連れただけで懸命に京都へ逃げ落ちた。このエピソードを背景に、渡辺啓監督が自身のオリジナル脚本で撮ったのが「3人の信長…
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ステップ(20年公開・DVD)

タイトルのステップは、ステップ・マザーやステップ・ファーザーとして使われる。血縁のない親子を示している。重松清原作のこの物語は、30歳で妻を亡くした会社員が、娘を一人で育てる姿を描いている。妻が若くして急死し、一人娘との暮らしが始まった時、幼い娘を妻の両親が引き取る選択肢と子供のいない義理の兄夫婦が引き取る選択肢があったが、健一(山…
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ディック・ロングはなぜ死んだのか(20年公開・DVD)

米国の静かな田舎町で暮らす3人の平凡な男たち。ディック・ロング(ダニエル・シャイナート)は教師の妻を持ち、ジーク・オルセン(マイケル・アボット・ジュニア)は妻と幼い娘を持っている。独身のアール・ウエイス(アンドレ・ハイランド)には恋人がいる。3人は”ピンクフロイト”というバンドを組んで、いつも集まっている。バンドの練習とは名ばかりで…
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エリザベス女王、史上最高・最強のイギリス君主(君塚直隆著、中公新書)

君塚直隆著「エリザベス女王」は、リリベットの愛称で幼い頃から人々に愛されてきたエリザベス・アレキサンドラ・メアリの94年間の人生を描いたものだ。現在のエリザベス2世は、1926年に生まれ、1952年に父・ジョージ6世の後を継いでウインザー朝4代目の君主として即位した。当時、25歳だった女王は、2021年には95歳になられる。在位70…
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ヒキタさん!ご懐妊ですよ(19年公開・DVD)

不妊治療の経験のない観客にとっても、とても勉強になる作品だ。原作者のヒキタクニオ氏の体験を基に描かれているので、リアルに感じられる。脚本・監督の細川徹は、コミカルな要素をちりばめながら、夫婦の愛情を色濃く演出している。自宅マンションで妻のサチ(北川景子)と暮らしている作家のヒキタクニオ(松重豊)は、49歳。ビールとサウナが大好きで、…
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アナ(20年公開・DVD)

1990年公開のリュック・ベッソン監督の代表作「ニキータ」のキャッチコピーは、”泣き虫の殺し屋”だった。フランスで育った監督は、ハリウッドのアクション映画とはテイストの違うヒロインアクションを見事な演出で描き出し、世界の映画ファンを熱狂させた。世界各国でリメイクされ、日本ではテレビ東京の時代劇版となったこともある。監督にとっては90…
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エジソンズ・ゲーム(20年公開・DVD)

原題は「カレント・ウォー」、電流戦争だ。19世紀に活躍した米国の天才発明家、トーマス・エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)が電流の覇権をめぐって戦う相手は、ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)。ウェスティングハウスは日本人にも知られている。2006年に東芝が買収した原発企業だ。だが、不運にも東電福島第一原発事故が起き…
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透明人間(20年公開・DVD)

人間が透明になるという設定の映画は過去にたくさん作られてきた。新たな透明人間映画製作に挑んだのは、リー・ワネル監督だ。ホラー映画で名を成した監督は、過去の透明人間映画をあらためて見直したという。結果、どれも似たような発想で作られていたのを確認した監督は、独自の新たな構想が必要だと痛感した。ワネル監督が思い立ったのは、「逃げ出す妻」と…
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その手に触れるまで(20年公開・DVD)

ベルギーで母親、姉、兄と暮らす13歳の少年、アメッド(イディル・ベン・アディ)。父親は家を出ていき、アメッドは食料品店にあるモスクへ通って過激なイスラム教にかぶれている。食料品店を営む導師は、少年たちを過激思想へと導く。純粋なアメッドは、導師を父のように慕っている。従兄は、メディナの宗教学校へ行き、戦士としてジハードに参加した。ネッ…
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(20年公開・DVD)

ウッディ・アレン監督の作品群に、新たな佳作が加わったようだ。ニューヨーク、マンハッタンを舞台に、とてもロマンチックな物語になっている。田舎のヤードレー大学へ通うギャツビー(ティモシー・シャラメ)は、ニューヨークのセレブ出身。父親は実業家で、母親は教育熱心。母親の熱心ぶりに反抗して、ギャツビーはセレブの多い名門大学を中退して田舎の…
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のぼる小寺さん(20年公開・DVD)

高校1年生の小寺さんの夢は、クライマーだ。その夢に向かってまっすぐに生きている。そのひたむきな姿が、4人の同級生に影響を与えていく。「小寺さんを見ていると、自分も登らなくちゃ、と思うよね」という登場人物の台詞の中にこの作品のテーマがある。珈琲の原作を吉田玲子が脚色し、古厩智之監督が演出しているが、物語は淡々と展開する。脚本は、近藤(…
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赦しのちから(20年公開・DVD)

キリスト教徒でなくても感動できる作品になっているが、製作・監督・主演のアレックス・ケンドリックは、神の存在を前提にしている。「ブルックシャー・クリスチャン・スクール」の歴史教師、ジョン・ハリソン(アレックス・ケンドリック)は、バスケット部の名コーチだが、町を支えてきた製鉄工場が閉鎖になって、大きな打撃を受ける。ラストベルトと呼ばれる…
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グッド・ボーイズ(20年公開・DVD)

良くも悪くもハリウッドならではのコメディーだ。主役3人が小学6年生というのも珍しい。小学生だから、汚い言葉や下ネタを使っても、子供らしさが出てしまう。ビールを4口飲んだだけで英雄になれるのだ。許可を得るのはいつもママ。怖いのはパパ。パパのいうことは何でも信じていて、「人命救助用の大きな人形」がダッチロールだとは知らない。パパが好きなアダ…
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ルース・エドガー(20年公開・DVD)

戦乱の続く小国で孤児となった有色人種の7歳の子供を養子として引き取る日本人は極めて稀だろう。だが、キリスト教徒の多い米国の資産家、著名人には外国の孤児を養子にする人々がいる。ジュリアス・オナー脚本・監督の「ルース・エドガー」は、内戦の続くアフリカのエリトリア(スーダンとエチオピアの隣国)で生まれ、7歳で米国に引き取られた高校生の物語…
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野鳥俳壇(2020/冬)

「日本野鳥の会」発行の機関誌「野鳥」掲載の俳句欄には冬鳥の句が寄せられている。 *特選句  蹲(つくばひ)に雀飛び入る残暑かな   東京都・みわ乙子さん 【選評】辻桃子…今年の暑過ぎる残暑を詠んでいる。水浴びをするのに、「飛び入る」と勢いよく表現して雀の暑さを感じる。 * 入選句 柄長(えなが)見る時忘れたり見入…
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ハーツ・ビート・ラウド(19年公開・DVD)

ブルックリンのしがないレコードショップを営むフランク(ニック・オファーマン)は、若い頃バンドを組んでいたが、バンドの相棒だった最愛の妻を自転車事故で失い、幼い娘のサム(カーシー・クレモンズ)を男手で育ててきた。音楽に夢中で、経営センスもないフランクの店は流行らず、17年が経っている。賢いサムは、父親と時折音楽を楽しむが、ロサンゼルス…
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ボストンストロング(18年公開・DVD)

2013年に起きたボストンマラソン爆破テロ事件を扱った作品だ。爆破によって両足を失ったジェフ・ボーマンの原作を基に、実際に起きた事実に即して描かれている。28歳のジェフ(ジェイク・ギレンホール)は、大型スーパーの鶏肉部で働いている。母親と二人暮らしで、仕事はできないが、叔父や従弟たちとは仲良く暮らしている。病院勤務のエリン(タチアナ…
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