テーマ:文学

永遠に「新青年」なるもの(神奈川近代文学館2021.3.20~5.16)

21年の春、港の見える丘公園の「霧笛橋」を渡ったところに静かに建っている神奈川近代文学館で雑誌「新青年」展が開かれている。パンフレットによると『江戸川乱歩「D坂の殺人事件」、小栗虫太郎「黒死館殺人事件」、横溝正史「八つ墓村」…。日本ミステリー史上に燦然と輝く傑作の数々を生み出した雑誌「新青年」』とある。雑誌「新青年」は、大正9年に創…
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大岡昇平の世界展(神奈川近代文学館)

新型コロナウイルスの影響で延期になっていた「大岡昇平の世界展」が神奈川近代文学館で開かれている(20年11月29日まで)。98年に79歳で亡くなった大岡は、若き日に小林秀雄、中原中也らと出会い、スタンダール研究家として知られた。戦争末期の44年に35歳で出征し、九死に一生を得て帰還した。出征当時、すでに結婚して子供が二人いたから、まさに…
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カリ・モーラ(トマス・ハリス著、高見浩訳、新潮文庫)

「ハンニバル」「羊たちの沈黙」の作家が13年ぶりに出した新作だ。今年79歳になる作者は、1975年に記者から作家となり、48歳の時に「羊たちの沈黙」を発表し、原作、映画ともに世界的ヒットとなった。「カリ・モーラ」は、「ハンニバル・ライジング」から13年後の作品だが、以前の作品とは違っている。主人公は、表題のカリ・モーラだが、この25…
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獅子文六展

神奈川近代文学館で「没後50年・獅子文六展」が開かれている(20年3/8まで)。獅子文六の作品はちくま文庫で今も出版されていて、シリーズ累計25万部突破というから驚きだ。獅子文六は、明治26年に横浜で生まれた。父親は裕福な貿易商だったが、9歳の時に亡くなり、母親も27歳の時に亡くなっている。慶応義塾大学時代に19歳で懸賞小説に入…
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殉国・陸軍二等兵比嘉真一(吉村昭著、文春文庫)

1982年に執筆されたこの作品には、沖縄戦に鉄血勤皇隊の一員として過酷な体験をした16歳の少年の軌跡が残されている。元陸軍二等兵比嘉真一氏は、沖縄戦の末期に米軍捕虜となり、戦後はタクシー運転手として暮らした。作者の吉村昭は、沖縄取材中に出会った比嘉真一氏から戦時中の記憶を克明に記録している。タイトルの「殉国」は、命を国家に捧げた人を指す…
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むらさきのスカートの女(今村夏子著、第161回芥川受賞作品)

「わたしは最初、むらさきのスカートの女のことを若い女の子だと思っていた」と、冒頭近くで記した作者は、「わたし」を語り手にして、近所に住んでいる“むらさきのスカートの女”の日常を描き出す。「わたし」は、この女性と仲良くなりたいらしいが、話しかけるきっかけがない。この女性はとても個性的だ。何度も転職し、小さなアパートで一人暮らしをしてい…
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中島敦展

神奈川県立近代文学館で「中島敦展」が開かれている(19年9月28日から)。戦時中の昭和17年に喘息で没した中島敦は、20数篇の作品と2冊の著書を残した。脚光を浴びたのは戦後で、教科書に「山月記」が取り上げられてきたからだ。展示会には教科書との接点を扱ったコーナーもある。漢文学者を父に持った中島敦は、漢文の知識を駆使して昭和17年2月…
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