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みんなの「映画」ブログ

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コーヒーが冷めないうちに
コーヒーが冷めないうちに とても複雑な仕掛けが施されている物語だ。都市伝説に彩られた喫茶店「フニクリフニクラ」。店内のある椅子に座れば、過去や未来にタイムスリップできるという。ただし、いくつかの約束があって、それを守らなければ戻ってこられない。その椅子には、「死んだ夫を追いかけたまま過去から戻れなかった」という女性(石田ゆり子)の幽霊がいつも座っているが、その幽霊がトイレに立っている隙に、別人が椅子に座って過去に戻れるのだ。店は、店主と従妹の時田数(有村架純)が切り盛りし、数がコーヒーを入れなければ、客は過去に戻れないと... ...続きを見る

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2018/09/25 15:24
響 抜きん出た才能を持つ芸術家なら、何をしても許されるのか。15歳の女子高生、鮎喰響(平手友梨奈)は天才小説家。新人賞に応募した小説が受賞し、芥川賞と直木賞のダブル受賞を成し遂げる。だが、本人は狂気をはらんだ暴走女子高生で、殴る、蹴る、謝罪なし、常識なし、忖度なし。ラスト近くでは線路に入り込み、電車を緊急停止させて警察に保護される。1990年、当時19歳の小説家が日本文芸協会入会を申し込んで激論となったことがある。文芸賞も受賞したこの小説家は、殺人者だった。死刑を求刑された連続射殺魔の永山則夫は... ...続きを見る

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2018/09/21 13:54
泣き虫しょったんの奇跡
泣き虫しょったんの奇跡 挫折にも色々ある。受験の失敗、就職の失敗、ピアノやバイオリンコンクールでの落選。野球やサッカーでの予選敗退。バブル崩壊の時には会社そのものが消えていった。山一證券の元社長は「悪いのは私らです。社員は悪くありません」と記者会見で号泣したが、社員たちには大きな挫折が待っていた。豊田利晃脚本・監督の「泣き虫しょったんの奇跡」は、プロ棋士になった瀬川昌司氏の実話を元に創られている。主人公のしょったん(松田龍平)の挫折は厳しい。小学生の頃からずばぬけた才能が認められた将棋の世界「奨励会」に15歳か... ...続きを見る

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2018/09/18 16:12
SUNNY
SUNNY 予告編だけ見ると、題材に末期癌が扱われる“お涙頂戴映画”のように思っていたが、完成した作品はもう少し奥が深かった。脚本・監督の大根仁は、6人からなる世代を隔てた群像劇をうまくまとめている。ヒロイン奈美を、中年役(篠原涼子)では会社員の夫と高校生の娘をもつ平凡な専業主婦にし、高校生役(広瀬すず)では淡路島からの転校生に設定している。物語を奈美の目から描いているのでとてもわかりやすい。脚本は視線を統一しなければならない。主役は一人なのだ。SUNNYの仲間6人も、的確なキャスティングに成功して、そ... ...続きを見る

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2018/09/11 16:00
1987、ある闘いの真実
1987、ある闘いの真実 チラシには“誰もが驚愕する。これは、わずか31年前の事件”と記されている。誰も、とは、日本人を指している。当時、東京はバブル景気真っ盛りの昭和62年だった。日本が札束に酔いしれていた時、韓国では軍部独裁政権に対する学生と大衆が、命がけの闘い「6月民主抗争」によって、民主化への道を切り開いていたのだ。「新・韓国現代史」(文京洙著・岩波新書)によれば、「1980年5月の光州事件が一段落すると、全斗煥は国保委を立ち上げ、新政権づくりの足固めに乗り出した」とある。国保委は強大な権力を持ち、国家権力による... ...続きを見る

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2018/09/10 15:15
きみの鳥はうたえる
きみの鳥はうたえる 二人の男と、一人の女。友情と恋愛の間で揺れる“ゆるやかな三角関係”は、今までにも数多くの文学、映画で描かれてきた。映画「きみの鳥はうたえる」は、佐藤泰志の原作の舞台を東京から函館に移して撮影された。函館のアイス工場で知り合った「僕」(柄本祐)と静雄(染谷将太)は、友人となり、アパートで二人暮らしを始める。「僕」は書店でバイトを始めるが、静雄は次の仕事が決まらない。静雄には酒好きの母親と兄がいて、金のない静雄は、兄から金を借りているが、「僕」の家族や過去はまったく描かれない。書店の同僚、佐知子(石... ...続きを見る

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2018/09/04 16:16
寝ても覚めても
寝ても覚めても 極めて個人的に、とても惜しいと思う作品だ。アイデアは素晴らしい。大学を出て働いていた朝子(唐田えりか)は、写真展で麦(バク・東出昌大)と運命の出会いをする。麦は、カジュアルでどこか掴み所のない自由な男。朝子とバイクで出かければ、事故を起こす。コンビニに出かければ、朝まで帰ってこない。だが、そんな麦を朝子は全身で愛してしまう。だが、麦から離れられなくなった朝子の元から、麦は突然姿を消し、五年が経つ。東京の喫茶店で店員をしていた朝子は、大阪から転勤してきた会社員の亮平(東出昌大・二役)を見て... ...続きを見る

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2018/09/03 14:02
マンマ・ミーア、ヒア・ウィー・ゴー
マンマ・ミーア、ヒア・ウィー・ゴー 前作「マンマ・ミーア」の公開は2008年だった。10年後にその続編が作られたわけだ。当時のキャスティングがそのまま残っているし、ヒロイン・ソフィ(アマンダ・セイフライド)の祖母役でラスト近くに颯爽と現れるのが、シェール。重低音の素晴らしい歌声!本作最大の聴き所だ。脚本・監督のオル・パーカーは、物語を二つに割って、今は亡き母親・ドナ(メリル・ストリープ)の夢だったホテルを建てて大パーティーを企画したソフィの姿と、エーゲ海に浮かぶ夢の島、カロカイリ島へと旅をする若きドナ(リリー・ジェームズ)... ...続きを見る

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2018/08/28 15:24
検察側の罪人
検察側の罪人 警察小説の傑作「犯人に告ぐ」の作者、雫井修介氏の「検察側の罪人」は、敏腕検事の暴走を描いている。警察、検察は起訴に都合の良いストーリーを作り上げ、強引に自白させて被疑者に罪を認めさせるが、その手法が冤罪を生んできた。その検察がさらに違法な暴走を始めたらどういう結果になるかを描きたかったと思われる。作者が採用したのは、“殺人検事”だ。この作品の主人公には過去が設定されている。学生時代に暮らした寮の管理人の娘が惨殺された事件が未解決のまま時効を迎えているが、最上検事(木村拓哉)は納得できない... ...続きを見る

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2018/08/27 15:20
ペンギン・ハイウェイ
ペンギン・ハイウェイ この世には表と裏がある。この世の果てには崩壊した社会があり、表の世界が綻びると、そこから裏の世界が染み出てくる。森見登美彦の「ペンギン・ハイウェイ」には、そんな世界観が見て取れる。主人公のアオヤマ君は小学4年生。理知的で賢く、つねに何かを真正面から研究している。「毎日世界について学び、努力を怠らず勉強するので、どれほど偉い大人になるか自分でもわからない」ほどのすごい小学生だ。アオヤマ君の研究対象のひとつが、歯科医院で働いているお姉さん。お姉さんのオッパイについても深く研究している。そのお姉さ... ...続きを見る

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2018/08/24 16:01
銀魂2・掟は破るためにこそある
銀魂2・掟は破るためにこそある 家賃も払えない「万事屋」銀時(小栗旬)たち3人は、バイトを始める。まず、キャバクラ「すまいる」。なぜかナンバー1ホステス(長澤まさみ)しかいない。不足するホステスを補うため、突然、全員が女装。そこへ来るのが、世間を勉強中の将軍(勝地涼)。たちまち始まる“将軍遊び”。将軍の怒りをかわないように、慎重に選んだはずのくじが最悪!たちまち、将軍は丸裸になってしまう。お決まりのモザイクが全裸将軍の股間を照らし出す!この場面で面白いのは、店長(佐藤二朗)の意味不明なセリフに、共演者たちが笑ってしまう... ...続きを見る

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2018/08/20 14:20
オーシャンズ8
オーシャンズ8 ニューヨークを舞台に、女性ばかりの犯罪チームの華麗な物語だ。豪奢なファッションショー“メットガラ”。世界中のセレブたちが、豪華なファッションと宝石を身に着けて、美を競い合う。その中でもひと際きらめく1億5000万ドルのカルティエの秘宝を狙うのが、出所したばかりのデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)。3年前に捕まったのは、男に騙されたから。刑務所の中で考え抜いた宝石すり替え詐欺をやるために凄腕の仲間たちが集められる。詐欺映画の面白さは、仲間集めと、裏切り、破綻、そしてどんでん返し。今回の作... ...続きを見る

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2018/08/14 15:38
カメラを止めるな!
カメラを止めるな! 観客をだまし、笑わせ、最後には感動させる2重の作品構造は、実に巧みに造り上げられている。主人公の監督(濱津隆之)の設定がよくできている。若い頃は映画監督を夢見ていただろうが、今は妻と娘を抱えて駄作CMを撮って暮らしている。妻は元女優だが、暴走女優で業界から締め出された過去を持つ。娘は暴走監督助手で、こちらも排除されつつある。この監督が、37分間ノンストップのゾンビドラマの演出を手がけるようになるのが、この作品の骨格だが、冒頭は完成されたゾンビドラマがそのまま映し出される。この作品の出演者は全... ...続きを見る

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2018/08/13 13:44
ミッションインポシブル・フォールアウト
ミッションインポシブル・フォールアウト 前作「ローグネイション」を見逃していると、「フォールアウト」は、わかりにくいかもしれない。IMF長官(アレックス・ボールドウイン)をはじめとして、CIAとの対立、女性英国諜報部員(レベッカ・ファーガソン)の暗躍など、予備知識が必要な展開になっている。いわば「ローグネイション」の続編に近い構成だ。しかも、イーサン・ハント(トム・クルーズ)が守り続けてきた元妻も顔を出す。3個のプルトニウムが盗まれ、3つの都市の同時爆破が計画される。ハントたちは、プルトニウムを買い戻しかけるが、失敗し、プルト... ...続きを見る

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2018/08/06 18:55
ブリーチ
ブリーチ アクション女優・杉咲花をたっぷり楽しめる作品になっている。死神の朽木ルキア(杉咲花)が突然主人公の一護(福士蒼汰)の前に現れるが、佐藤信介監督の演出はテンポよく、スピーディーだ。母親(長澤まさみ)の命を奪ったグランド・フィッシャーとの対決をクライマックスに持ってきている。「るろうに剣心」で注目されたワイヤー操作によるアクションは、この作品でも大活躍。俳優たちの肉体は、吊り上げられては叩きつけられ、宙に飛ばされては転がされている。クラスメイトなど、脇役の人物には力を入れず、ひたすら描かれる... ...続きを見る

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2018/07/31 14:47
劇場版「コード・ブルー」
劇場版「コード・ブルー」 劇場版公開の直前、地上波テレビで公開されたスペシャル版は、見ごたえのある作品になっていた。ヘリのパイロットへの不用意な指示のために事故を起こしたことで心に傷を負った灰谷医師(成田凌)を主人公にして、苦悩と再生のドラマを感銘深く描いていた。劇場版コード・ブルーには、二つの大型事故が用意されている。前半の乱気流による旅客機事故と、後半での船舶事故だ。飛行機事故で、トロントから藍沢医師(山下智久)が戻り、搬送された患者の中に、末期癌の若い女性・未知(山谷花純)が混じっている。未知は死期が近いことを... ...続きを見る

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2018/07/30 15:49
未来のミライ
未来のミライ 細田守監督は記している。「家一軒と庭ひとつ。どこにでもあるたったひとつの家族を通して、生命の大きな循環、人の生が織り成す巨大なループを描き出したい。最小のモチーフを用いて、最大のテーマを語り切りたい。エンターテインメントの作法を用いて、新しい家族のための新しい表現を拓きたい。一見穏やかに見えて、実は、大いなる野心を秘めた作品なのです」横浜の住宅街にある一軒家が作品の舞台だ。若い父親は、会社から独立したばかりの建築士で、妻は産休後の職場復帰の準備をしている出版社の社員だ。夫が設計した家には... ...続きを見る

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2018/07/24 13:56
ジュラシックワールド炎の王国
ジュラシックワールド炎の王国 3年をかけてジュラシックワールドの続編が作られた。このシリーズの構造は一作目の「ジジュラシックパーク」からほとんど変わっていない。大富豪が、夢の恐竜王国を作ろうとして、無理に無理を重ねた挙句、内部の「反乱者」によって、大災害になるという結末だ。今回も、前作で大繁盛していた「ジュラシックワールド」が廃墟になっている映像から始まる。海底から恐竜の骨を採取しようとする小型潜水艦の冒頭場面は、猛暑に苦しむ今夏の日本にはピッタリの清涼剤だ。何やら悪い企てがあるらしいと匂わせて、恐竜たちが暮らしている島... ...続きを見る

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2018/07/23 15:34
インサイド
インサイド 強引な物語になっている。狂った女が、突如として妊婦を襲うのだが、犯人の素性と動機は、ラスト近くで明かされる。そのヒントは、冒頭に描かれる交通事故。ヒロインのサラ(レイチェル・ニコルズ)の視点から描かれる交通事故には、もう一人の被害者がいたのだ。サラの脇見運転が事故の原因だったとはいえ、そのためにこれほど込み入った復讐劇を計画するのには相当のエネルギーがいるだろう。ミゲル・アンヘル・ビバス監督の演出は、凝りに凝っている。クリスマスイヴ。事故で最愛の夫を亡くしたサラは、ゲイの友人の励ましを受... ...続きを見る

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2018/07/17 16:24
アメリカン・アサシン
アメリカン・アサシン 無駄のない、情に流されない脚本と演出に支えられている。ヴィンス・フリンの原作はシンプルだ。恋人との旅行中に海岸でテロリストに襲われて、生き残った青年が、恋人を奪われた激しい憎悪を起点に、CIAの特殊要員としてテロリストとイランの野望に立ち向かう。邦訳さえない原作だが、チラシによるとすでに全13巻が世界中で発売されて人気を呼んでいるという。この作品で魅力的なのは、鬼教官のハーリー(マイケル・キートン)だ。残念ながら主人公の青年ミッチ・ラップ(ディラン・オブライエン)の燃え盛る復讐心は伝わってこ... ...続きを見る

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2018/07/10 14:38
パンク侍斬られて候
パンク侍斬られて候 実に久々の石井岳龍監督の演出だ。挑むのは、町田康の文学世界。宮藤官九郎の脚本は、ナレーションを多用して、舞台裏を説明。主役の浪人、掛十之進(綾野剛)の波乱万丈のハッタリ野心を物語る。「なぜか」などということは必要とされない。徳川時代を背景に、ある小藩の権力争いや、家老の野望を描いているかのように見えるが、原作世界は常識からは完全に解き放たれている。その町田文学を、実存する俳優が台詞と動きで見せていくのだから、大変だ。多彩な登場人物の中でも、過労死するほど動きまくるのが、幕暮孫兵衛(染谷将太)... ...続きを見る

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2018/07/09 14:34
女と男の観覧車
女と男の観覧車 チラシにはヒロイン・ジニー(ケイト・ウインスレット)の設定が的確に書かれている。「安定を願いながら刺激を求め、真実の愛に憧れながら刹那の恋に溺れ、ここではない、どこかにもっと素敵な人生が待っているはずだという切ない夢にその身を投げ出す、情熱的なジニー」…まさにそのとおりだ。ウッディ・アレンの脚本には、1950年代のコニーアイランドで水泳監視員をしながら劇作家を目指すプレイボーイ(ジャスティン・ティンバーレイク)が出てくるが、彼が取り出すいくつかの古典的戯曲の中に、この物語の原型が潜んでいるよ... ...続きを見る

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2018/07/03 15:57
ハン・ソロ
ハン・ソロ 黒澤明監督の時代劇「椿三十郎」の中に、名前を訊かれた浪人が、庭に咲いている椿を見て、「名は…椿、椿三十郎。もうそろそろ四十郎だがな」と答える有名な場面がある。ベテラン監督のロン・ハワードによる「ハン・ソロ」にも、主人公に名前がつけられる場面がある。スター・ウォーズの生みの親、ジョージ・ルーカスは大変な黒澤ファンで、最初のシリーズに出てくるドロイドのやりとりは、黒澤監督の「隠し砦の三悪人」に出てくる脇役二人のやりとりをパクっていると言われているから、今回も黒澤映画へのオマージュが入っているのか... ...続きを見る

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2018/07/02 15:37
家族はつらいよ・妻よ薔薇のように
家族はつらいよ・妻よ薔薇のように 山田洋次監督のうまさが光る作品になっている。心に残るのは、地方都市の美しいたたずまいだ。老夫婦(橋爪功・吉行和子)が、夫の実家へ墓参りに出かける。瀬戸内海に面した町の丘の上に一族の墓があるという設定だ。ここで妻が「ここの墓には入りたくない」と言って夫をぎょっとさせるのだが、墓参後の宴会の場が素晴らしい。土地の唄を朗々と詠う漁師の声を聞きながら、海の傍の野外で酌み交わすのだ。また、嫁(夏川結衣)が、夫の言葉に傷ついて空き家になっている実家に戻ってからも日本らしい風景が捉えられている。満月と... ...続きを見る

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2018/06/26 14:06
焼き肉ドラゴン
焼き肉ドラゴン 「戦前は日本に二百何十万人の朝鮮人が来とったでしょう。それが戦争が終わると、ほとんど帰って、ニ、三十万人しか残らなかった。その残っている朝鮮人は、落ちこぼればっかり。日本にはカスばっかり残っとるんですよ(笑)。サラ金をやりよったときも、日本人はきちんと返すのに、朝鮮人はだいたい、一回目の利息は返しても、あとは返さんのですよ」(佐野眞一著『あんぽん』より)。孫正義氏の自伝「あんぽん」には、孫氏の父親・孫三憲氏の言葉が載っている。鄭義信脚本・監督の「焼き肉ドラゴン」の舞台は、昭和45年前後の関西... ...続きを見る

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2018/06/25 16:10
空飛ぶタイヤ
空飛ぶタイヤ 原作者の池井戸潤氏は、慶応大学時代にミステリーサークルに所属してミステリーに耽溺した後、金融の世界で社会生活を送った。「空飛ぶタイヤ」は、代表作のひとつだ。原作は素晴らしく、読み出したらやめられない。池井戸氏の作品には中小企業の社長が出てくることが多い。物語の主眼は、大逆転だ。「空飛ぶタイヤ」も例外ではない。時速40キロで安全走行していたトレーラーから突然外れたタイヤ。空を飛んだタイヤが、主婦を直撃して殺害してしまう。登場人物はそれぞれに対照的な配置が用意されている。社員80名の零細運輸... ...続きを見る

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2018/06/19 16:56
ワンダー・君は太陽
ワンダー・君は太陽 姉と5歳違いの弟オギーは、遺伝子疾患を持って生まれてきた。目鼻立ちが醜く崩れたオギーの顔は、10才になるまでに27回の整形手術が施されたが、とても普通の顔立ちにはならないまま。美術の修士論文を書きかけていた母親(ジュリア・ロバーツ)は、オギーが10才になるまで家事と家庭教育に徹してきた。だが、10才になったオギーをこれからも家に隠し続けておくわけにはいかない。母親は夫と娘を説得して、オギーを小学校に通わせることにする。そこで起こる様々な出来事が描かれていくが、面白いのは視点が四つに分れていること... ...続きを見る

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2018/06/18 15:58
羊と鋼の森
羊と鋼の森 宮下奈都の本屋大賞受賞作「羊と鋼の森」。タイトルはわかりにくいが、ピアノのハンマーが羊の毛で作られていて、それが鋼の弦を叩く。その音の一音一音が、主人公の青年の脳裏に故郷の山中の様々な光景を浮かび上がる。北海道の美しい自然を巧みに挿入し、画面一杯に北国の豊かな自然を映し出すことに成功している。製作会社は東宝映画だが、東宝撮影所の伝統的で正攻法な撮影技術が画面の端々から感じられる。小説の中では表現が難しい「音」も、映画の中ではうまく表わせる。映像と音楽。映画を成り立たせている二つの要素が、とて... ...続きを見る

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2018/06/12 15:06
万引き家族
万引き家族 チラシには「10年くらい自分なりに考えて来たことを全部この作品に込めようと、そんな覚悟で臨みました」という是枝監督の言葉が記されている。なるほどと納得できるのは、かつて「誰も知らない」という画期的な作品に感銘を受けたからだ。社会の片隅で、誰にも知られず、お互いに助け合って生きて行く“幽霊家族”が、「誰も知らない」のテーマだった。あの作品のヒントも、新聞で報道された“子供だけの家族”にある。両親や行政から切り離された子供たちが彼らの力だけで生きていけるものかを問いかけた秀作だった。あらゆる芸術家は... ...続きを見る

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2018/06/11 15:31
レディ・バード
レディ・バード 2002年は米国が戦争をしていた年。その時、カリフォルニア州サクラメントで高校生活を送るクリスティン(シアーシャ・ローナン)。両親は子供に恵まれず、アジア系の養子をとっていたが、思わず神が授けてくれたのが、クリスティン。看護士の母親と会社員の父親、養子の長男と暮らすクリスティンは、カソリック系の高校に通っているものの、不満だらけ。貧しい家と活気のない町。大都市の大学生活を夢見るものの、父は失業し、母は地元の州立大学を望んでいる。思春期で反抗期のクリスティンは、誰にでもあるように、恋もセックス... ...続きを見る

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2018/06/05 14:27
友罪
友罪 ドラマの要は凝縮だと言われる。登場人物たちが物語の進展に従って絡まり合い、クライマックスで沸騰する、というのが通常のドラマだ。映画「友罪」の登場人物たちは散在している。顕著なのが、タクシー運転手(佐藤浩市)だ。息子が無免許運転で3人の子供を死亡させ、危険運転致死罪の実刑を受けた後に出所しているという設定だ。脚本も兼ねている瀬々敬久監督は、この運転手一家をかなり丁寧に描いている。だが、主人公の元記者・益田(生田斗真)と連続殺人罪で矯正施設にいた男・鈴木(瑛太)との接点は一度だけ彼らが乗客になっ... ...続きを見る

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2018/06/04 16:48
ゲティ家の身代金
ゲティ家の身代金 原題は“All the money in the world”。1973年にローマで起きたゲティ三世誘拐事件の時、祖父ゲティ1世の資産は1.4兆円。世界一の大富豪だった。印象的な場面がある。ゲティが若いビジネスマンだった時、サウジアラビアの砂漠に線路を引き、溢れ出る石油の利権を独占した場面だ。濛々と蒸気を挙げて迫る蒸気機関車から砂漠へ降り立ったゲティを迎えるのは、砂漠の族長たちだ。ゲティは石油を欧米に運ぶために巨大タンカーを世界で初めて建造する。破格の安値で石油を買い取り、欧米で高く得る。ゲ... ...続きを見る

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2018/05/29 14:24
ファントム・スレッド
ファントム・スレッド  ポール・トーマス・アンダーソン監督のオリジナル脚本は、シンデレラストーリーから始まるが、年の差の開いたロンドン屈指の天才的仕立て屋と田舎のウエイトレスのカップルでは、あまりに溝が深い。裁縫の師でもあった母親を恋い慕い、姉と共に独身を貫いてきた初老の仕立て屋にとって、裁縫は命だ。たとえ愛を誓い合った相手でも、仕事を邪魔する者は排除する。レイノルズ(ダニエル・デイ=ルイス)は、経営者でもある姉(レスリー・マンヴィル)と暮らしながら仕事に没頭し、同居相手の女性を次々と変えてきた。レイノルズにとっ... ...続きを見る

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2018/05/28 16:23
蚤とり侍
蚤とり侍 小松重男の原作を愛読してきた鶴橋康夫監督にとっては、20年来の念願の企画だと言う。江戸の街に生きる市井の人々の哀歓をコミカルに描いた世界が、監督の好みなのだろう。蚤とり稼業が実在したかどうかはわからないが、女性相手の売春業はあったかもしれない。短編の原作をいくつか組み合わせて作られた脚本の面白さは前半にあるが、後半になると強引なまとめ方に首を傾げる場面も多い。時代は老中・田沼意次(桂文枝)全盛時代。内需を活性化させて、国を開こうとしたが、賄賂が蔓延り、すべては金の世の中。主人公の越後長岡藩の... ...続きを見る

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2018/05/23 06:47
モリーズ・ゲーム
モリーズ・ゲーム ヒロイン・モリー(ジェシカ・チャスティン)の絶え間なく続く語りの中で、目まぐるしく入れ替わっていくカット。冒頭のスキー競技大会の場面から、アーロン・ソーキン監督の脚本も演出も機関銃のように撃ち出されて行く。子供たちに厳しい心理学教授(ケヴィン・コスナー)に育てられる二人の息子と娘。末っ子のモリーは、父親から勉学とスキー競技の両立を迫られるが、背骨の病気で断念。だが、モーグルで全米選手権に出場。兄がスキーで全米首位に立つ中、モリーはオリンピック出場を賭けてスタートする。だが、凍った小枝につ... ...続きを見る

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2018/05/22 15:13
ラプラスの魔女
ラプラスの魔女 東野圭吾氏の原作に無理があるのか、八津弘幸氏の脚本構成にミスがあるのかは不明だが、残念な結果になってしまった。櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰というキャスティングがもったいない。前半は謎に充ちた殺人事件が連続して起きるだけでも、観客の興味を引くことができる。気象学の大学教授(櫻井翔)が、「ありえない」と断言する他殺の可能性が、連続して起きる事件のために謎めいてくる。そこへ、謎の美女(広瀬すず)が現われて、「ラプラスの魔女」と囁くのだから、さらにミステリアスだ。殺人だとすれば、何者かが作為をもっ... ...続きを見る

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2018/05/15 14:16
孤狼の血
孤狼の血 チラシには「警察小説×仁義なき戦い」とある。なるほど、そのとおりだ。原作者の袖月裕子氏は、自ら編集者に頼み込んでこの小説を書いたというほど、東映の「仁義なき戦い」シリーズに惚れ込んでいるという。物語の舞台は、昭和40年代の広島。架空の街で繰り広げられる暴力団の抗争劇を、所轄署の暴対刑事の視線で描いている。原作はよく練り込まれていて、県警本部警務部からスパイとしてこの警察署へ送り込まれる若手刑事(松坂桃李)が、実は監視対象の暴力刑事(役所広司)にその正体を初めから見破られていた上、若手刑事の書... ...続きを見る

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2018/05/14 15:18
アイ、トーニャ
アイ、トーニャ 1994年に実際に起きた全米フィギュア・スケート界での大スキャンダル事件。オリンピック選手選考会当日にライバル選手の足を警棒で殴りつけるとは!未曾有の大事件を巧みな構成で描いたのが、「アイ、トーニャ」だ。現在の登場人物たちが、インタビューに答えるという形で、過去を描いているが、全員が実に面白い。頭で考えてもとても産み出せないような強烈な個性に充ち溢れている。特に壮絶なのが、母親ラヴォナ・ハーディング(アリソン・ジャネイ)だ。娘のトーニャ(マーゴ・ロビー)の育て方、接し方が常軌を逸している... ...続きを見る

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2018/05/09 06:33
君の名前で僕を呼んで
君の名前で僕を呼んで  胸に迫るのは、主人公の高校生・エリオの父親が深く傷ついた息子に語りかける場面だ。6週間だけの真実の恋。二度と蘇ることのない鮮烈な恋の最後は別れだけだ。ゲイのエリオ(ティモシー・シャメラ)は、大学教授の父親の助手として北イタリアの避暑地にやってきたアメリカ人の大学院生・オリヴァー(アーミー・ハマー)に恋をしてしまう。オリヴァーもエリオを愛し、二人は身体を重ね会う。エリオにとって、初めてのゲイの恋人だったが、同時に優れた頭脳と感性を持った研究者でもあった。学者夫婦の家に生まれたエリオは、子供の... ...続きを見る

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2018/05/07 16:21
いぬやしき
いぬやしき 東京の街を、高速で飛翔する映像はとてもよくできている。ドローン撮影、最新VFXを駆使してダイナミックな映像に仕立ててある。同時期に上映されている「レディ・プレーヤ1」の圧倒的なCG映像には遠く及ばないものの、低予算の日本映画界としては革新的仕上がりだ。感心したのは、新宿のモブシーン。多数のエキストラを配置し、映像のかなり奥までぎっしりと群集が詰まっている。佐藤信介監督の意気込みが伝わってくる。大量殺人の恐怖から逃げ惑う人々の群れがよく撮られている。キャラ的に魅力的なのは、なんといっても高校生... ...続きを見る

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2018/05/02 16:20
レディ・プレイヤー1
レディ・プレイヤー1 2045年の主人公たちが活躍するヴァーチャル世界にも、懐かしき時代の映画や音楽が次々と登場する。観客の年齢によって、懐かしさは違うだろう。日本人へのサービスも用意されていて、主人公たちにも日本人が混じっているし、仮想バトルがメカゴジラVSガンダムなのだから、驚きだ。主人公のカップルは、「サタディナイト・フィーヴァー」で踊り出し、「シャイニング」の世界に迷い込む。スティーヴン・スピルバーグは、2045年を悲観的に描いている。今にも崩れそうな簡易アパートに主人公は暮らしているし、両親が早世し、叔母に... ...続きを見る

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2018/05/01 15:27
ダンガル きっと、強くなる
ダンガル きっと、強くなる 劇中、突如として音楽と歌声が流れて踊り出し、登場人物たちの心の声を表現するインド映画。歌と踊りは、インド映画に欠かせない。「ダンガル」にも、歌が流れる。息子を強く願ったのに授かったのは3人の娘。かつてインドレスリング界でチャンピオンだった父親(アミール・カーン)は、失望してレスリングを諦めるが、長女と次女の“戦う本能”を知り、二人に夢を託す。突然、厳しい父親からレスリングの特訓を命じられた二人が、地獄の朝特訓に明け暮れる時、歌声が流れるのだ。「お父さん、やめてください、こんな地獄の責めは。お願い... ...続きを見る

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2018/04/25 06:46
娼年
娼年 美しき男娼が都会の夜に生まれ、女性たちと身体を重ねながら本物の男娼となる物語だ。男と女が夜を過ごす街がいくつも現われる。その度に街の名前が示されるが、どの街も都心の魅力に充ち、都会で暮らす男女の性欲を受け入れている。この作品を美しく成り立たせているのは、周到に計算された照明と撮影、そして美術、音楽。華やかな性の舞台として重要なラブホテルの部屋も十分に作り込まれている。ジャズを基底とする半野喜弘and RADIQ septet の深々とした音楽は、現われる女性に応じて変化する。すでに舞台化... ...続きを見る

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2018/04/24 09:58
名探偵コナン・ゼロの執行人
名探偵コナン・ゼロの執行人 数々の名作刑事ドラマを執筆してきた櫻井武晴氏の脚本には驚く。脚本協力者として数名の名前が挙がっているから、それぞれ取材に協力していると思われる。「ゼロの執行人」の背景には二つの大きなイベントが設定されている。ひとつは、東京湾岸エリアの新施設で行なわれる東京サミット。もうひとつが、まもなく地球に戻ってくる火星探査船。過去の脚本家たちは、映画版「名探偵コナン」でスケールの大きな犯罪を扱ってきたが、いずれも単品だった。アミューズメントパーク、高層ビル、巨大飛行船。限定された場所でテロや犯罪が起きる... ...続きを見る

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2018/04/17 14:34
曇天に笑う
曇天に笑う 唐々煙原作のコミックを実写化した作品。高橋悠也の脚本を本広克行監督が演出している。コミックの持つ豊かな描写の広がりも、限られた予算の中で俳優を使って描こうとすれば無理が生じる。冒頭、監督はドローンの空撮映像を駆使してモブシーンを撮っている。川沿いの奥行きのない屋外セットを使って、精一杯集めたエキストラたちを躍らせる場面だ。太鼓が響き、カラフルな衣装を纏ったエキストラたちが笑顔で踊る。そこへ暴漢が駆け入ってきて、曇兄弟(空丸・中山優馬、宙太郎・若山輝人)との追い駆けっこが始まる。セットの広場で... ...続きを見る

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2018/04/16 16:34
トレイン・ミッション
トレイン・ミッション リーアム・ニーソン主演のサスペンス映画には、巻き込まれ型が多い。「フライト・ゲーム」では、アル中の航空保安官だったが、今回は元警察官。なぜ警察官を辞めたのかははっきりしないが、今は保険の営業マンという設定。だが、60歳になった男は突然解雇される。物語の舞台は通勤電車。原題は「コミューター(通勤電車)」だ。住宅ローンを抱えた上に大学に入ったばかりの息子の学費を払わなければならないマイケル(リーアム・ニーソン)は、解雇されて途方に暮れる。顧客との会話の中で、マイケルが2008年に前の会社を解雇され、... ...続きを見る

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2018/04/10 18:33
レッド・スパロー
レッド・スパロー フランシス・ローレンス監督は、重要な場面になると強い力をこめて描いている。モスクワのアパートで脳梗塞を患った母親と暮らすバレリーナのドミニカ(ジェニファー・ローレンス)が、同僚の嫉妬をかって舞台で足を踏みつけられて骨を折る衝撃的な場面。その復讐のために同僚を風呂場で殴り倒す場面。スパイとなったドミニカが、米CIAの二重スパイとなり、その疑惑のために拷問を受ける場面。モスクワから送られた殺し屋が、ドミニカの協力者を襲う場面。いずれも目を背けたくなるほど残酷な場面だ。だが、ドミニカはロシア情報局... ...続きを見る

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2018/04/09 18:27
ウインストン・チャーチル
ウインストン・チャーチル 日本軍による真珠湾攻撃を誰よりも喜んだのは、ナチスと敵対し戦争内閣を率いるウインストン・チャーチル首相だったと言われる。ジョー・ライト監督作「ウインストン・チャーチル」の長いトイレの場面で描かれているように、驚異的な軍事力を持つナチスを打ち破るためには、英国の同盟国である米国の参戦が不可欠だった。英国単独ではドイツには勝てないことがチャーチルにはわかっていたのだ。チャーチルは、何度もルーズベルト大統領に電話し、手紙を書き、電報を打って一日も早い参戦を促し続けた。だから、ドイツの同盟国だった日本が... ...続きを見る

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2018/04/03 18:37
ペンタゴン・ペーパーズ
ペンタゴン・ペーパーズ 主人公のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、大富豪だ。父親が亡くなる時、莫大な富と共に新聞社ワシントン・ポストの経営権を渡したのは、娘婿のフィルだった。極めて有能なフィルだったが、自殺してしまい、夫の遺した新聞社の経営権をキャサリンが引き継ぐことになる。3代続く家族経営には反対もあったが、キャサリンは伝統を守って社主になった。だが、専業主婦から突然45歳で社主となったキャサリンに経営の才能があるわけもなく、無能のレッテルを貼られ、有力な重役の操り人形と化していた。たが、キャサリンは... ...続きを見る

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2018/04/02 19:38
去年の冬、きみと別れ
去年の冬、きみと別れ 情感豊かなタイトルとは対照的に作品のテイストは極めて残忍かつ冷酷だ。登場人物たちは、それぞれに狂っている。中村文則氏の原作ミステリーは、とてもよくできている。序章から第3章までをそれぞれの犯罪の動機と過程に振り分けている。そして順序がばらばらだ。まず、盲目の女性が著名写真家の木原坂(斎藤工)のスタジオで焼死し、木原坂に容疑がかかるが不起訴となる。次に、その事件の真相を追って、探偵役のフリーライター耶雲(岩田剛典)が大手出版社に売り込みをかける。耶雲の取材によって、事件の裏が次第に現われてくる... ...続きを見る

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2018/03/28 18:12
ちはやふる・結び
瑞沢高校かるた部を舞台にした「ちはやふる」。3部作となった最後の作品には、過去2作に顔を出したキャラたちが次々と現われる。それに加えて、クールな東大留年生の天才かるた王(賀来賢人)、個性的な新入部員(優希美育・佐野勇斗)。そして、見事な書道力で綿谷新を慕う准クイーン新入部員(清原果那)が新たな顔を見せている。物語の主軸は、全国大会制覇と、千早(広瀬すず)をめぐる新(新田真剣佑)と太一(野村周平)の三角関係。今回は大揺れだ。高校三年生の夏休み以降には人生最大の難関、大学受験が控えている。太一は... ...続きを見る

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2018/03/26 15:35
シェイプ・オブ・ウォーター
時代背景は米ソの冷戦華やかな時代。互いに軍事技術を競い合い、盗み合っていた頃。そこへ持ち込まれた南米原産の「半魚人」。将来の宇宙開発に有益と、米ソが「半魚人」を取り合う、という舞台背景がまず設計された。そうすれば、「半魚人」をめぐる駆け引きと陰謀、サスペンスが加味できるからだ。その上で、人間と非人間の悲しい恋を描こうとしたギルレモ・デル・トロ監督は、男性「半魚人」の恋の相手を、夜間清掃の独身女性に設定した。彼女は幼い頃“川に捨てられた”孤児で、身寄りがない。首には3本の傷跡が残るが、これが最... ...続きを見る

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2018/03/21 11:17
北の桜守
「北の零年」「北のカナリアたち」と脚本家・那須真知子が描いてきたのは、北海道で苦労を重ねる女性の姿だ。シリーズ最後になる「北の桜守」が取り上げたのは、太平洋戦争末期に樺太から逃げ帰った家族の物語。戦争中の映像は、時代考証が必要で、セットにもお金がかかる。当時を再現するにはCGが必要だが、これも金がかかる。今回の作品で演出を担当した滝田洋二郎は、簡素な舞台を映像の中に挿入することで、この困難を乗り切ろうとした。この舞台演出は、演劇界の名匠、ケラリーノ・サンドラヴィッチが担当している。観客が抱く... ...続きを見る

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2018/03/20 21:03
グレイテスト・ショーマン
予告編だけ見ていてもこの作品のテーマはわからない。実在した主人公のP.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)が貧困のどん底から夢と希望を持って大成功を収めた物語では、誰も観ないだろう。脚本家が大きく打ち出すのは、差別だ。それは、「母親にも疎まれた」という髭女が歌う歌詞の中にある。「隠れていろと言われてきた。でも、私は出ていく」最初は剥製ばかりを並べたバーナムだが、客は来ない。そこで思いついたのが「奇人の見世物」だった。桁外れのノッポ、子供のような大人、髭の生えた女、空中ブランコの兄妹、全身刺青男、... ...続きを見る

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2018/03/13 14:40
15時17分、パリ行き
87歳になるクリント・イーストウッド監督の、年齢をまったく感じさせない大胆な挑戦だ。2015年にパリ行き特急列車内で起きたテロ未遂事件。犯人を押さえ込んだ3人のアメリカ人青年をそのまま映画の主役にしているのは、驚きだ。この作品が企画された時、実在の青年たちをモデルにしてプロの俳優を起用するはずだったに違いない。だが、イーストウッド監督は、あえて俳優起用をやめて本人たちを出演させた。「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」と、実際の出来事を次々と映画化してきたイーストウッド監督が辿りついた新... ...続きを見る

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2018/03/12 14:12
ビガイルド
脚本も担当したソフィア・コッポラ監督作「ビガイルド」は、美しい米国南部の森の中から幕が開く。茸を集めている少女が歩く森は大木の枝葉が鬱蒼と生い茂り、まるでトンネルのように彼方から日が入る。少女は負傷兵を見つけて物語が始まる。舞台は南北戦争が三年目に入った頃。トーマス・カリナンの原作がスリラーなのかは知らないが、作品のテーマは性欲だ。北軍が南部まで攻勢を強め、森の中にある女子寄宿学園の5人の女生徒たちは、2人の教師とひっそりと暮らしている。女だけの暮らしの中に、突然闖入してきた負傷兵が、彼女た... ...続きを見る

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2018/03/06 15:33
リバーズ・エッジ
ベルリン国際映画祭審査員賞受賞作品となった。岡崎京子の狂気漂う原作を、瀬戸山美咲氏が脚色して行定勲監督が演出しているが、久々に見応えのある行定作品となった。時代は1993年。都内の川沿いにある三流高校が舞台だ。これまでも様々に実験的演出を重ねてきた行定勲監督は、この作品の中でも、「登場人物たちにインタビューする」という手法を取り入れている。俳優たちは、配役キャラになりきって「インタビュー」に答える。おそらく、登場人物たちの深層心理をより深く描き出すために、また、観客に彼らの過去や家族構成などの“... ...続きを見る

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2018/03/05 13:51
ブランク13
初めての長編劇映画を演出した斎藤工監督の演出力は秀でている。特に俳優の持ち味を引き出す演技演出には豊かな才能を感じさせる。過去の監督の短編作品で脚本を書いた放送作家・はしもとこうじ氏の実体験を原作に、西条みつとし氏が脚本を担当している。予告編を見ればわかるように、この作品はギャンブルで借金を作り失踪した父親と息子の物語だ。テーマは教科書的に言えば、“親子の葛藤”ということになる。父の消えた狭い部屋では、朝刊を配り、夜はスナックで働く母親の姿を見て二人の息子は育っていく。彼らが父親にどんな感情... ...続きを見る

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2018/02/27 14:30
空海
唐が全盛を誇っていた時代の物語だが、当時の皇帝や楊貴妃に関する知識の乏しい観客にとっては、興味を持てない部分も多いのではないか。主人公は、日本から唐へ渡り、密教を修めて日本へ広めた空海(染谷将太)と、大詩人・白楽天(ホアン・シュアン)。二人が探偵役になって、黒猫の謎を探る。奇想を得意とする夢枕獏の原作は、楊貴妃の死の謎に大きな仮説を設けて、そこに黒猫が二人を導くストーリーになっている。妖術が頻繁に出てくるので、チェン・カイコー監督も斬新なCGを駆使してダイナミックな画面作りに挑んでいる。全盛... ...続きを見る

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2018/02/26 15:46
サニー/32
1本の映画が企画されて製作され、無事に劇場公開されるまでには多大な紆余曲折が生じる。年間にたくさんの台本が陽の目を見ずに捨てられている。この作品は、過去に高く評価された「凶悪」スタッフによって企画され、製作された。高橋泉のオリジナル脚本を白石和彌監督が演出した作品だが、残念な出来映えになっている。ネットアイドル「サニー」は、小学生の時に同級生をカッターナイフで殺害した女性だという設定。今は24歳になって新潟の中学で数学教師をしている。その女性、藤井赤理(北原里英)が、二人の男(ピエール瀧、リ... ...続きを見る

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2018/02/21 13:22
スリー・ビルボード
 ヒロイン、ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)の強烈な個性が光る作品だ。オリジナル脚本を演出したのはマーティン・マクドナー監督。製作も兼ねている。演劇界の才能が映画界でも見事に輝いた。原題は「スリー・ビルボード、アウトサイド、エビング・ミズーリ」となっている。ミズーリ州の小さな町、エビングで起きた事件を示している。米国南部は今でも黒人差別と保守的思想が蔓延している。この作品の登場人物たちの会話にも差別意識は濃く滲み出ている。警察学校を出るのに6年もかかった警官(サム・ロックウエル)は... ...続きを見る

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2018/02/20 16:22
マンハント
キネマ旬報(2月上旬号)には、「マンハント」の原作となった佐藤純弥監督「君よ憤怒の河を渉れ」(76)が、当時の中国に大きなインパクトを与えた歴史が語られている。「マンハント」の主演、チャン・ハンユーは、少年時代に「君よ憤怒の河を渉れ」を見て衝撃を受け、30回も映画館へ通ったという。彼はそれがきっかけになって俳優の道を進んだ。ケ小平による改革開放路線は、戦後1度も中国で公開されたことのなかった日本映画の公開を実現させた。第一弾が「君よ憤怒の河を渉れ」だったのだ。冤罪を背負った弁護士が自らの手で... ...続きを見る

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2018/02/14 15:04
悪女
リュック・ベンソン監督「ニキータ」は、多くの映画ファンに愛されてきた。作り手にも熱狂的なファンがいて、世界中で「ニキータ」は拡散していった。韓国のチョン・ビョンギル監督が描いた殺し屋・スクヒ(キム・オクビン)の暴力は凄まじい。冒頭、女優の身体に装着したカメラが襲いかかってくる男たちとの激闘をヴィヴィッドに映し出す。銃撃戦なら修練を積んだヒロインにも分があるだろうが、韓国アクション得意の刺身包丁戦、それに続く肉弾戦ではヒロインが勝つのは難しいだろう。力だけなら圧倒的に男が優っているからだ。「ニ... ...続きを見る

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2018/02/13 15:51
羊の木
地方都市の悩みの種は過疎化。架空の港町「魚深」は、思いきった手を行使。国からの補助金狙いと移住の両方を狙って、市長直轄案件として、6人の元殺人者を受け入れる。酒乱の末に客の咽喉を掻き切った理容師(水澤紳吾)。暴力に耐えかねてビール瓶で夫を殴り殺した女(市川実日子)。組長の首をワイヤで絞め殺した年老いた組員(田中泯)。マゾ夫の求めるまま首を締めて殺した女(優香)。傷害致死を起こした不気味な男(北村一輝)。喧嘩の末に相手を殺した男(松田龍平)。彼らを出迎えて世話をするのは、若き市職員・月末(錦戸... ...続きを見る

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2018/02/07 15:32
デトロイト
キャスリン・ビグロー監督による凄絶な秀作だ。この映像を見るまで、戦後の米国でこのような大暴動が起きていたことを知らなかった。これは暴動を超えて、都市破壊と言えるほどの規模になっている。まるで内戦状態のシリアの都市を見るようで、息を呑む。この暴動がなぜデトロイトで起きたかを、監督は冒頭のアニメで簡潔に説明している。安価な労働力として米国に送り込まれた多数のアフリカ系移民たち。戦後、彼らは産業界に活路を求め、安価な工場労働者となるが、待ち受けていたのは白人による過酷な差別だった。工業都市デトロイ... ...続きを見る

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2018/02/06 16:58
祈りの幕が下りる時
 この物語は、数十年前、東京から家出して来た女性(伊藤蘭)が、仙台のスナック店主(烏丸せつこ)に働かせてほしいと頼み込む場面から始まる。やがてこの女性は客として訪れた中年男性と懇意になるが、病死する。その後、別の物語が始まる。浅草のアパートの一室で絞殺死体が発見されるのだ。捜査にあたる警視庁刑事(溝端淳平)は、室内から橋の名前が記されたカレンダーを見つけるが、これが主人公の日本橋署の敏腕刑事・加賀恭一郎(阿部寛)と結びつく。監督の福澤克雄は、ここでようやくタイトルを出しているから、この複... ...続きを見る

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2018/01/31 16:04
嘘を愛する女
とてもよくできたミステリーになっている。5年間同棲した男性の身元がまったくの嘘だったと知った女性会社員の物語だ。予告編では、男性が女性を騙して何かを企んでいるかのように見えたが、そうではない。「嘘を愛する女」というタイトルさえも、嘘に近い。上手に観客を騙している。東日本大震災で混乱した東京で二人は出会う。混雑の中で倒れかかった川原由加利(長澤まさみ)は、親切に介抱してくれた医師らしき男、小出桔平(高橋一生)と出会う。桔平と5年間暮らし、結婚を意識し始めた頃、桔平はクモ膜下出血で意識不明となる... ...続きを見る

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2018/01/23 15:51
嘘八百
ラスト近くのドタバタ結婚式まで、ただただ感心して観ていた。邦画ではめったにお目にかかれない本格的詐欺映画、コンゲームだ。とてもよくできている。HPによると、この企画は2004年に生まれたという。堺を舞台にした映画が企画され、堺親善大使も勤める脚本家の今井雅子氏が脚本化を進めたが難航した。千利休と茶碗を素材にした物語は、次第に詐欺映画に結実。「百円の恋」で映画賞をさらった武正晴監督と俊英脚本家の足立紳氏が最終的に決定稿を作ったという。開巻、「かわうそ古物商」の店主・小池(中井貴一)が、娘と車を運転... ...続きを見る

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2018/01/20 12:36
ゴッホ最期の手紙
画家で映画監督のドロタ・コビエラとアニメ監督のヒュー・ウエルチマンが協力して作り上げた驚くべき作品だ。監督の脚本がすばらしい。ゴッホの死の謎を、ミステリアスに描き出す。狂言回しは、郵便配達人の息子、アルマンだ。仕事も続かず、酒と喧嘩に明け暮れていたアルマンは、父親に頼まれてゴッホが死ぬ前に弟に出した手紙を届けることになる。変人画家だったゴッホに多少の興味しか抱いていなかったアルマンが、ゴッホの死の真相に近づくにつれて深みにはまっていく。それは、観客の興味と同じだ。精神を病み、自らの耳を切り取... ...続きを見る

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2018/01/19 14:31
キングスマン・ゴールデンサークル
ヒット作の続編はほとんど失敗している。「エイリアン」と「ターミネーター」だけが勝ち組みだ。今回、ユニークな英国製スパイ映画「キングスマン」の続編に挑戦したのは、ハリウッドのスタッフ。そこまで聞けば、前作に溢れていた英国風濃厚味付けへの期待も消えていく。観終わってみれば、予想は違わず、危惧していた超過剰CGアクション演出もたっぷりと加わっている。まず、驚いたことに死んだはずのハリー(コリン・ファース)が蘇る。敵役になる美人麻薬女王、ポピー(ジュリアン・ムーア)のキャラクターも味付け過剰で、... ...続きを見る

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2018/01/15 16:21
勝手にふるえてろ
この作品の白眉は、ヒロインのヨシカ(松岡茉優)が10年間の片思いの真実に気づく場面だ。同級生のイチ君(北村匠海)にひたすら純粋な恋心を一方的に抱いてきたヨシカ。だが、会社の営業社員「ニ」(渡辺大知)の告白を受け、イチ君への想いに決着をつけようと計る。その結果が、タワマンでのイチ君との古代生物との会話。二人の会話が盛り上がりかけた瞬間、訪れる地獄のひとこと「君、名前何?」。10年間ひたすら想い続けた相手は、同級生のヨシカの名前すら覚えていなかったのだ。どっと訪れる現実。その落差を、脚本も担... ...続きを見る

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2018/01/11 13:52
デスティニ・鎌倉ものがたり
「三丁目の夕日」と同じ西岸良平のコミック「鎌倉ものがたり」を、山崎貴監督が脚本を書いて演出している。この原作の世界観は、傷のないメデタシ、メデタシの世界だ。主人公のミステリー作家・一色正和(堺雅人)が、若い妻の亜紀子(高畑充希)と夫婦喧嘩をする場面がある。泣いてしまう亜紀子を宥めようと、正和は両親の話しをする。民俗学者だった父親(三浦友和)が旅行に出るたびに、母親(鶴田真由)が他の男の元へ出かけるのを幼かった正和は目撃して心に傷を負ってしまったというエピソードだ。正和の心を描くエピソード... ...続きを見る

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2017/12/26 15:19
オリエント急行殺人事件
重厚感あふれる見事な作品になっている。冒頭、ポアロ(ケネス・ブラナー)が、エルサレムで窃盗事件をたちどころに解決する場面がある。テレビや過去の映画で極めて個性的なポアロになれてしまった私には、あまりに知的で立派すぎる新たなポアロに違和感を抱いた。特に、オリエント急行列車の中でジョニー・デップ演じる被害者のラチェットが出てくると、“やはり彼こそ新たなポアロに相応しい”と思える。ジョニー・デップのポアロなら、過去の名作を超える超個性的なポアロが造形されたことだろう、と思いつつ、物語が進行すると印... ...続きを見る

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2017/12/22 16:28
スターウォーズ・最後のジェダイ
前作の「スターウォーズ・フォースの覚醒」と今回の作品を観た私は、まるで旧友に再会したような懐かしさで胸が熱くなってしまった。最初のシリーズへの真摯な敬意が随所に感じられる。それは、ヒロイン・レイ(デイジー・リドリー)によって発見されたルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の最後の大活躍にも見て取れる。前作でカンバックしたレイア姫ことレジスタンス軍の将軍(キャリー・フィッシャー)やハン・ソロ(ハリソン・フォード)の描き方も旧シリーズでの役柄を損なうことなく継続させている。失踪して行方不明になっ... ...続きを見る

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2017/12/18 15:01
新世紀・パリ・オペラ座
ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」で幕を開けるこのドキュメンタリー作品を観て、日本人のひとりとして感じるのは、登場人物の多様さだ。人種、肌の色、国籍、言語、すべてが一人一人で異なっている。もちろん、パリ・オペラ座の実写だから、フランス人が殆どなのだが、中心人物のひとり、オーディションで抜擢される青年、ミハイル・ティモシェンコはロシア人で、ロシア語の他はドイツ語と英語しか話せない。彼の仕事はまず、仏語の勉強から始まる。音楽監督、演出家もスーパースター揃いで、トラブルが続く。... ...続きを見る

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2017/12/14 14:30
火花
才能は生まれた時に与えられる。努力で手にできるものではない。主人公の漫才師、徳永(菅田将暉)の視点から描かれる売れないお笑い芸人の世界。10年間という長い下積みの物語だ。キャスティングは優れている。徳永の相方も、マドンナの真樹(木村文乃)も、徳永が師事する神谷(桐谷健太)の造形もよくできている。又吉直樹の原作を監督の板尾創路が脚色化しているが、脚本も演出も優れている。難しい点は、映画の中で菅田将暉や桐谷健太が実際に漫才をやらなければならない点だろう。様々に工夫されているようだが、徳永たち... ...続きを見る

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2017/12/06 14:40
ギフテッド
才能は生まれつきのもの。その中でも類まれな才能は、神様が与えてくださったもの。聖書の世界ではそう解釈され、才能はギフト、贈り物と名付けられている。タイトルで受動態になっているのも、才能は与えられたものとされているからだ。生まれつき数学の才能に恵まれた人物を主人公にした映画はいくつかある。天才が清掃員の中に紛れていたり、戦時中の英国で暗号翻訳機の開発に駆り出されているが、今回は小学校1年生の天才少女だ。フロリダの小さな家で暮らす少女のメアリー(マッケナ・グレイス)と、ボート修理屋のフランク... ...続きを見る

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2017/11/28 16:16
先生…好きになってもいいですか
物語の舞台は、岡山県立南高。幕開けはとてもオーソドックスな入学式から始まる。ヒロインのひびき(広瀬すず)の性格設定は、まじめで素直、何事にも一生懸命に励んでいる弓道部員。前半のひびきは、口数も少なく、控えめな女性として描かれている。動きと台詞の多い弓道部員の二人の友人(森川葵、竜星涼)を活発に動かすことで、ひびきのまじめさが強調される計算になっている。物語が大きく動き出すのは、ひびきが思いきって大好きな世界史の教師(生田斗真)に、「好きになってもいいですか」と告白する場面からだ。口数が少... ...続きを見る

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2017/11/24 14:02
ザ・サークル
かつて、ネット社会の到来をハリウッドは歓迎して「ユー・ガッタ・メイル」を作り、若きトム・ハンクスとメグ・ライアンはメールで知り合い、結ばれた。だが、やがて急速に進化するネット社会の危険性がテーマとなり、同じトム・ハンクスがカリスマを演じる「ザ・サークル」が作られた。今回、ヒロインのメイ(エマ・ワトソン)は、恋に落ちるどころではなく、素朴な幼馴染を自らのミスで失ってしまう。しかも、彼の自動車事故はリアルタイムで全世界に公開されてしまうのだ。無限に拡散する監視社会と、ネットユーザーの貪欲で良識な... ...続きを見る

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2017/11/20 16:44
密偵
かつてフランスがナチスドイツによって支配されていたバシー政権の頃、ナチスへ積極的に協力したフランス人たちがいた。英国のテレビドラマ「刑事フォイル」でも、英国がドイツと戦っていた頃、英国の敗北を予測してドイツに協力していた人々がいた事実が描かれている。戦時中の朝鮮半島でも事情は似ていただろう。司馬遼太郎の「坂の上の雲」には、明治時代の日本にとって、朝鮮半島の政治的状況がいかに切実だったかが詳しく記されている。日本はロシアを恐れて朝鮮半島を武力で支配し、ロシアの南下を防ごうとした。朝鮮王朝は滅び... ...続きを見る

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2017/11/16 22:05
ラストレシピ
“麒麟の舌”とは、一度食べた料理の味を終生忘れない天才料理人だけが持つ味覚のことだという。「キネマ旬報」(17/11月上旬号)によれば、田中経一の原作を林民夫が脚本化しているが、滝田洋二郎監督との打ち合わせの結果、20回近く書き直しているという。完成した脚本は、とてもよくできたミステリーになっているし、意外性にも富んでいる。腐心した点のひとつは、主人公の天才料理人、佐々木充(二宮和也)の人物設定だろう。原作どおりなのかもしれないが、工夫もされているはずだ。冒頭で現われる充は、児童擁護施設... ...続きを見る

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2017/11/08 19:00
バリーシール
こんなことが実際に起きていたのだから、米国はとても恐ろしい国だ。ソ連と苛烈な秘密戦争を繰り返していた冷戦時代、抜群の腕を持つTWAのパイロット、バリー・シール(トム・クルーズ)は、小遣い稼ぎやっていた違法葉巻の密輸をCIAに知られる。当時、ソ連嫌いのレーガン大統領は、南米が共産化されるのを阻止せよと、CIAに極秘作戦を命じていた。米国が南米の親米組織に武器を与える作戦だ。米国に代わって彼らに共産政権を打倒させるのだ。CAIが武器の運び屋として目をつけたのが、バリーだった。バリーは、15歳で飛行を... ...続きを見る

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2017/11/01 05:19
ブレードランナー2049
ゆったりとしたテンポで展開していく。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の演出は、映像に充分な意味を込め、静的でミステリアスな作品に仕立て上げている。冒頭のテロップで、旧型レプリカントが人類に抵抗してクーデターを起こして弾圧された後、人類に柔順な新型レプリカントがウォレス社で作られていることが示される。だが、人々はレプリカントをうまく利用しながらも下僕のように見下している。レプリカントたちは黙って耐えているのだ。新型レプリカントの捜査官K(ライアン・ゴズリング)は、危険な旧型レプリカントを探し出して抹殺... ...続きを見る

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2017/10/31 09:01
ミックス
最近亡くなったJ.Gアビルドセン監督の傑作「ロッキー」には、重量感溢れるリアリティーがあった。無名だったシルベスター・スターローンの肉体を賭した渾身の演技に圧倒された。卓球を舞台にして挫折した男女の再生物語を描いたのが、「ミックス」だ。オリジナル脚本を担当した古沢良太の任務は、「挫折」と「再生」の描き方だろう。コメディーなので、リアリティーが必要だとは思わないが、著名な俳優たちがその肉体で卓球をするのだから、事前準備が必要になってくる。予告編を見た後でこの作品を観ると、予想した展開が大き... ...続きを見る

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2017/10/24 05:19
猿の惑星グレート・ウォー
高い知能を持つ類人猿(エイプス)を遺伝子操作で産み出した人類。だが、あらたなエイプスの人類への強い反感と憎しみが、戦いへと展開し、おびただしい犠牲者が出てしまう。エイプスの中にも、人類へ媚び、人類の戦いの手伝いをすることで生き延びようとする者も出てくる。司馬遼太郎の「関が原」の中にも、衰亡する豊臣政権を見限り、家康へ媚びて行く戦国大名の姿が印象的に描かれている。だが、彼らの多くは江戸時代に徳川幕府の手によって滅ぼされた。裏切り者の末路は哀れだ。マット・リーヴス監督の「猿の惑星グレート・ウ... ...続きを見る

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2017/10/19 10:57
ナラタージュ
菅野美穂が精神を病んでまで高校時代の教師を愛しぬく姿を描いた「パーマネント野ばら」。ドラマ「高校教師」をはじめとして女子高生が教師を慕うドラマは数多い。「ナラタージュ」は、映画配給会社に勤める泉の回想から始まる。高校時代に演劇部員だった泉(有村架純)が、演劇部の顧問教師・葉山(松本順)を慕う物語だ。回想シーンとして描かれるドラマが深まるのは、大学時代に知り合う元劇団員・小野(坂口健太郎)が、泉に愛を告白し、小野の想いに打たれた泉が恋人としてつきあい始めてからだ。平板に見えていた純愛物語に、小... ...続きを見る

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2017/10/11 18:50
ドリーム
昭和2年、米国の黒人夫婦に数学の天才少女が生まれる。戦前の米国の黒人差別は著しく、黒人たちは全くの別世界に押し込められていた。だが、黒人たちは自助努力で人材を育てていた。天才少女も小学生のときに最高の高校へ飛び級で入り、黒人女性として初めて大学院まで進むのだ。奨学金と寄付で少女は卒業し、NASAへ臨時職員として入る。仕事は計算係。コンピューターがなかった時代、計算は計算機と鉛筆だったのだ。戦後、過酷な冷戦に勝ち抜くため、米国は全米から天才たちを掻き集めて宇宙戦争の勝利をめざしていたが、ソ連の... ...続きを見る

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2017/10/03 14:35
奥田民夫になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
“人気コラムニスト・渋谷直角のレジェンドコミックを映画化!”とチラシには記されている。実に都会的な物語だ。主人公33才の編集者、コーロキ(妻夫木聡)の恋愛と仕事の紆余曲折を面白おかしく変化球で捻じ曲げて描いている。コーロキの個性は、“奥田民夫になりたい!”という一言で表されているが、理想とは違って“大人になって”しまう。皮肉にも最後には伝説の編集者として成功してしまうのだ。主人公を成長させたのが、危険な美女、ファッションプレスのあかり(水原希子)。同じ編集部の3人の独身男性、それも、かけ離れた世... ...続きを見る

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2017/09/29 14:16
ナミヤ雑貨店の奇蹟
 もしも2012年から1980年に向かって手紙を出せたら、誰がどう救われるだろうか。この作品の主人公は、まさに原作者・東野圭吾氏の着想だ。原作者が選んだのは、架空の街の商店街と、児童養護施設。商店街のナミヤ雑貨店の店主に寄せられる多数の人生相談とその答えが、時空を超えて結びつく。映画のチラシに、原作者が書いている。「この物語の構造は複雑で、いくつかのエピソードが時間と空間を隔てて絡み合っています。小説では可能でも映像化は難しいのではないか、というのが本音です。あの不思議な出来事は、あの登... ...続きを見る

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2017/09/25 15:10
エイリアン・コヴェナント
エイリアン生みの親、リドリー・スコット監督が自ら撮った“エイリアン誕生の秘密”。観終ってみると、シリーズで使われた様々な仕掛けが再現されているのがわかる。謎の惑星から送られてくる奇怪な信号。引き寄せられていく宇宙船。母船から切り離されて着陸する小型船。離陸する船に乗ってくるエイリアン。判断力に欠陥を持つリーダー。活躍するヒロイン。卵から飛び出すエイリアンの幼生。ヒロインによって宇宙へと飛ばされるエイリアン…。かつて、リドリー・スコット監督が世に放ったエイリアンがいかにして生まれたかをテーマに... ...続きを見る

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2017/09/21 05:15
三度目の殺人
東野圭吾原作「容疑者Xの献身」の映画化で探偵役の大学准教授を演じたのは、福山雅治だった。この原作は他者のために殺人罪を背負って自ら服役する男の物語だったが、是枝裕和監督の「三度目の殺人」も構造は似ている。不可解な事件の探偵役として活躍するのが、弁護士の重盛(福山雅治)。オリジナル脚本も手がけた是枝監督は、ある弁護士から聞いた裁判のあり方に疑問を抱いた。それが企画の動機だという。罪を公正に裁くはずの法定が、真実の追求よりも打算の産物だという現実に疑いを抱いたのだ。劇中の台詞にも「訴訟効率」とい... ...続きを見る

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2017/09/14 05:21
ダンケルク
船室に押し寄せる海水。被弾して海へと落ちていく戦闘機。Uボートの魚雷を受けて傾く病院船。救出を待つ40万人の兵士の足許で容赦なく炸裂する爆弾。逃げ場のない絶望と累々と積み重なる死体。そこに戦争の悲惨が印象深く描かれている。1時間33分という短い時間の中で、脚本も担当したクリストファー・ノーラン監督は、人々の戦いを緊密に凝縮させている。余計な説明は一切ない。あるのは、冒頭に文字で示される状況だけだ。独軍の電撃攻撃により、侵攻されるフランス。国境線も突破されたフランスは、悲鳴のように英国に助けを... ...続きを見る

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2017/09/13 06:57
ヨコハマメリーから11年〜中村高寛監督新作「禅と骨」
京都の禅僧になった日系米国人、ヘンリ・ミトワのドキュメンタリー映画が公開されている。監督は、11年前、「ヨコハマメリー」で一躍脚光を浴びた中村高寛監督。だが、あれほど高い評価を得た中村監督が、次回作を公開するのに11年もの歳月を要している。だが、この空白を「キネマ旬報」の読者はよく知っている。同誌に「黄金町ブルース・ドキュメンタリー監督のフィルムに映らない日々」を監督が6年間にわたって連載していたからだ。同誌の編集者・川村夕祈子氏は、17年9月下旬号で記している。「連載は当初、『新作が完成するま... ...続きを見る

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2017/09/10 05:05
関が原
秋雨が降り続く夕方、横浜の映画館でこの作品を観終えた後、前を歩く老人と孫の会話が耳に入った。「台詞がぜんぜん聞こえなかったよ。岡田准一が何を喋ってるのかわからないよ。おじいちゃんの耳が悪いのか映画が悪いのか、どちらなんだろうねえ」「僕も聞こえなかったよ、おじいちゃん」。確かに、登場人物の台詞は日本語とは思えないほど聞き取りにくい。中には朝鮮の捕虜も混じっているから尚更だ。「クライマーズハイ」「日本で一番長い日」など、優れた長編映画を撮って来た原田眞人監督とは思えない欠陥だ。監督が長年温めてき... ...続きを見る

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2017/09/05 06:55
幼な子われらに生まれ
重松清の原作を荒井晴彦が脚色し、三島有紀子が監督をしている。2017年度を代表する家族ドラマの佳作になった。登場人物たちの設定は、葛藤が充分に沸き立つように考え抜かれ、効果的に布置されている。主人公の会社員・田中(浅野忠信)は、42歳で、再婚して6年になる。相手はバツイチで二人の娘を連れた奈苗(田中麗奈)。別れた夫は、板前のDV男。子供を殴る夫の暴力から逃れて離婚したという設定だ。田中にも別れた妻(寺島しのぶ)が育てている娘がいる。奈苗の長女と同じ小学6年生だ。田中は年に4回、その娘と会... ...続きを見る

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2017/09/02 04:31
ボブという名の猫
ひとりの英国青年が、覚醒剤中毒から立ち直る物語だ。苦しい戦いを支えたのは、オス猫のボブ。2012年に英国で出版されてベストセラーになった原作を元に映画化されているが、すべて実話だという。ロンドンの街で、麻薬が若者たちを苦しめている様子が、具に描かれている。主人公のジェームズ(ルーク・トレッダウエイ)は、5歳のときに両親が離婚した時から心に傷を受けた。愛する母親はオーストラリアに、厳格な父親はロンドンに暮らすようになり、ジェームズはロンドンに残ったが、父との関係はうまくいかず、ジェームズは麻薬... ...続きを見る

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2017/09/01 04:58
ダンサー・セルゲイ・ポルーニン
 平凡で貧しい家庭に突然生まれる天才児。だれが彼を育て、彼はどう育っていったのか。スティーヴン・カンター監督の優れたドキュメンタリー「ダンサー」は、その全てを描いている。英国BBCフィルムの作品で、英国といえば、思い出すのは名作「リトル・ダンサー」だ。2017年に舞台となって日本でも再演されている。映画「リトル・ダンサー」では、ロンドンの炭坑街で生まれた天才少年が大スターに育つまでをフィクションで描いていた。「ダンサー」は、全てが事実だ。生まれたばかりのセルゲイ・ポルーニンの写真から現在まで... ...続きを見る

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2017/08/28 14:14
ザ・マミー
チラシには、「ユニバーサル・スタジオが贈る巨大プロジェクト“ダーク・ユニバース”が遂に始動」とある。どの映画会社にも「伝統」がある。「伝統」とは、過去の栄光のことだ。大昔のヒット作が忘れられないのだ。柳の下に泥鰌は10匹いると思っているらしい。過去のヒット作に化粧を施し、再び栄光を夢見るのだ。ダークユニバースは、「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン」「ミイラ再生」「透明人間」「フランケンシュタインの花嫁」「狼男」などなど、続々と続くらしい。大スターを起用し、破格の予算で作り上げる娯楽大作... ...続きを見る

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2017/08/24 19:01
スパイダーマン・ホームカミング
副題のホームカミングは、米国の高校で行なわれているパーティーのこと。映画を観ればすぐにわかるが、日本人にはちょっと縁遠い学校行事だ。主人公のピーター・パーカー(トム・ホランド)は、15歳。高校2年生で、成績はよく、全米学力テストの学校代表にもなるほど。スパイダーマンという隠れたスゴ技を持つピーターは、最愛の叔母と二人で暮らしながら、自宅周辺の人助けを生き甲斐にしているものの、アベンジャーズへの正式加盟を待ち焦がれている、という設定。マーベル・シネマティック・ユニバースに馴染みのない観客にはち... ...続きを見る

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2017/08/16 15:30
ジョジョの奇妙な冒険
 荒木飛呂彦が連載を始めて30年目になるという。その“ジョジョイヤー”を記念して実写化。脚本はコミック原作映画を得意とする江良至。演出は大御所の三池崇史。ワーナー・ブラザース映画。作品世界を実写化するために、スペインロケを敢行している。映画に出てくる洋館はCGではなく、スペインの邸宅なのだ。狂気を描くのを得意とする三池演出。今回も責任を充分に果たしている。異様なアンジェロ(山田孝之)が人質を取って立てこもる緊迫した冒頭の場面から画面に引き込まれる。架空の町、杜王町。謎の美少女(小松菜奈)。不... ...続きを見る

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2017/08/08 16:09
パイレーツ・オブ・カリビアン・最後の海賊
キネマ旬報(17年7月下旬)の記事によれば、海賊ジャック・スパロウを造形したのはジョニー・デップ自身だという。「まずは海賊たちを当時のロックスターのような存在として捉えることから始めた」とジョニーが語っているように、キース・リチャーズとテレビアニメのスカンクのキャラを混ぜて作り出したのだ。「彼が不遜な奴だということだね。ただの不遜というよりは無邪気さ、つまりジャックには子供のような純粋さがあるからじゃないかと思うんだ」と、ジャック・スパロウの人気の秘密を語っている。2003年に最初の作品... ...続きを見る

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2017/07/31 16:49
メアリと魔女の花
メアリ・スチュワートの原作を坂口理子と米林宏昌監督が脚色している。スタジオジブリで「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」を撮って独立した米林監督の第1作目となっている。3作とも少女が主人公で、不思議な世界との出会いがテーマになっている。今回は魔女の世界との出会いが描かれるが、主人公のメアリは両親と離れて田舎の叔母さんの家で暮らしている。広壮な住宅で、近くに家もなく退屈しているメアリだが、「魔女の花」と呼ばれる不思議な花“夜間飛行”を見つけて魔女の世界への扉が開く。メアリは魔女大学... ...続きを見る

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2017/07/28 05:24
ライフ
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2017/07/19 16:15
忍びの国
完売 忍びの国 無門くん ぬいぐるみ マスコット 大野智 伊賀の忍び 無門 映画 セブンネット 限定 石原さとみ株式会社メイジャーユーザレビュー:Amazonアソシエイト by 伊賀の上野誉の仇討 巻の2Kindleアーカイブユーザレビュー:Amazonアソシエイト by 忍者の兵法 三大秘伝書を読む (角川ソフィア文庫)KADOKAWA中島 篤巳ユーザレビュー:Amazonアソシエイト by ...続きを見る

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2017/07/07 19:19
ありがとう、トニ・エルドマン
 妻子とは離婚し、老犬と暮らすドイツの老人、トニ(ペーター・ジモニシェク)。元妻は幸せな再婚をして娘はルーマニアのブカレストでコンサルティング会社で出世している。トニの仕事が何だったのかは最後までわからないが、成功とは無縁。悪ふざけばかりして他人を笑わせるのが大好きな悪戯老人だ。得意技は入れ歯。常にポケットに入れて、さっと口に入れる。鬘や化粧もお手の物。別人に変身して笑わせるのだが、あまり受けない。娘のイネス(サンドラ・ヒュラー)は、独身で高級アパート住まい。24時間体制で仕事漬けの日々... ...続きを見る

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2017/07/03 19:14
ハクソー・リッジ
昭和20年5月の沖縄戦。サイパン、フィリピンと敗退を続けていた日本軍は、沖縄戦では徹底的な防衛戦に徹した。沖縄住民を巻き込み、洞窟や地下壕に身を隠して米軍からの艦砲射撃と爆撃に耐えた。米軍から“鋸の断崖”と呼ばれたハクソー・リッジは、容易に沖縄へ上陸できた米軍の前に立ちはだかった困難極まりない壁だった。その壁を登れば、地下深くに潜んでいた日本軍兵士が一斉に抗戦してくるからだ。そこはまさに地獄の戦場と化した。メル・ギブソン監督作品「ハクソー・リッジ」は、その見上げるように高い崖を映像的に印象深... ...続きを見る

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2017/07/02 13:36
昼顔
 オリジナル脚本を担当している井上由美子氏の最近作はテレビドラマ「緊急取調室」だ。この作品も井上氏のオリジナル脚本だが、不倫ドラマと刑事ドラマという大きな落差をまったく感じさせない。両者には共通項がないように見えるが、重大な点が一致している。ともに女優が主役を演じている点だ。50代の井上氏が、30代、40代の女優に活躍の場を与えていると見てもいい。井上氏からのエールかもしれない。映画「昼顔」は、邦画では他に類を見ない大人の純愛ドラマだ。不倫ながら純愛を貫くテーマはすでに映画化されている。成瀬... ...続きを見る

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2017/06/22 05:29
今も美しいナスターシャ・キンスキーは6カ国語を話す
「テス」(79年)、「ワン・フロム・ザ・ハート」「キャット・ピープル」(82)、「ホテル・ニューハンプシャー」「パリ・テキサス」(84年)で国際的スターとなったナスターシャ・キンスキー。ドイツ映画「アギーレ神の怒り」(72年)「フィッツカラルド」(82年)で狂気に満ちた演技を見せるクラウス・キンスキーの娘として生まれたナスターシャは、今年56歳になる。キネマ旬報(17年6月下旬号)の「成田陽子の忘れられないスター」には、今でも美しいナスターシャへのインタビューが載っている。成田氏がはじめてナスタ... ...続きを見る

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2017/06/21 09:39
22年目の告白〜私が殺人犯です
 死刑相当犯罪に関しては時効が撤廃された日本の司法。新たな法律が成立するわずか1日前に時効になった22年前の連続殺人事件。時効になったのを弄ぶかのように自ら名を名乗り顔を出して告白本まで出版する美しき謎の男、曾根崎。だが、彼の背後には大きなトリックが隠されていた…。チョン・ビョンギル監督の韓国映画のリメイクだ。この犯罪劇を思いついたのが原作者か脚本家かわからないが、卓抜なアイデアの持ち主に違いない。主人公、曾根崎(藤原竜也)が、殺人鬼とはとても思えないほど美しい男だという意外性も、その裏には... ...続きを見る

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2017/06/14 05:22
花戦さ
原作は鬼塚忠「花戦さ」とある。脚本は、NHK大河ドラマ「女城主直虎」執筆中の森下佳子。篠原哲雄監督作品。華道の池坊の成り立ちがわかる作りになっている。織田信長の時代から豊臣秀吉が天下を治め、50歳も過ぎてから第一子の鶴丸に恵まれたものの、幼くして病死してしまう時代までを背景に描かれている。戦国時代劇にはおなじみの顔ぶれが出てくるが、戦国時代の華道については、知らない観客がほとんどだろう。監修、華道家元池坊と記されているから、池坊が全面的に関わっているのだろう。主演の池坊専好に野村萬斎、秀吉が... ...続きを見る

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2017/06/09 18:31
ちょっと今から仕事やめてくる
 十数年前、北九州市の公営住宅で30代男性が餓死しているのが見つかったことがある。高校時代は明るい運動クラブの主将だったが、入社した大手企業の営業職が肌に合わず、居酒屋の店長になった。だが、部下を守ろうとした彼は経営陣と衝突して辞め、無職となった。最後に彼の姿を見たのは高校時代の同級生の母親だったという。彼は誰の世話にもならずに餓死していった。当時、このニュースには全国的に大きな反響が起きた。ブラック企業がマスコミの目に止まり始めた時代だった。電通の東大卒女子社員・高橋まつりさんが自殺し... ...続きを見る

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2017/06/05 15:10
家族はつらいよ2
主人公、平田周造(橋爪功)の故郷、広島の高校時代の同級生、丸田吟平(小林稔持)が同窓会に顔を出してからドラマは深まって行く。脚本・監督の山田洋次は、「家族はつらいよ」の続編で老人問題にテーマを絞っている。高齢者の暴走運転に絡む周造の免許問題を発端にして続編は幕を開けるが、ドラマの真髄は不運な人生を送らざるをえなかった丸田の最期にある。広島の裕福な呉服店の後継ぎとして生まれた丸田は、バブル景気時代に店を畳んで不動産業へ進み、羽振りのよい時代もあったが、バブル景気崩壊の時、連帯保証人になったばか... ...続きを見る

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2017/05/31 19:24
メッセージ
映画脚本で使われる回想シーンは過去の説明を担っている。展開の速さを妨げるという理由からハリウッド映画では回想シーンが使われることは少ない。だが、「メッセージ」で頻繁に挿入されるインサートショットは、回想ではない。観客は冒頭から騙される。脚本のエリック・ハイセラーが騙しているのだ。離婚した言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)が、あたかも最愛の一人娘を病気で失った“過去”を持つように描かれるが、このエピソードはすべて過去の出来事ではない。これから起きようとする出来事なのだ。ルイーズには超能力があ... ...続きを見る

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2017/05/24 15:48
午後8時の訪問者
「午後8時の訪問者」と名付けられた邦題はテーマをよく現している。たしかに、この物語はある診療所に8時過ぎに訪れた若い女性の正体を追っている。日本のテレビドラマのように殺人事件が起きるが、主人公の女医が犯罪に巻き込まれるわけではない。真相も犯人も終盤で明らかになるが、それが目的でもない。ジャン=ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌの兄弟監督は、町の診療所に通う人々と正義感の強い女医との関わりを描こうとしているのかもしれない。だが、それが成功しているとは思えない。演出は淡々としている。... ...続きを見る

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2017/05/19 18:11
マンチェスター・バイ・ザ・シー
Williams FW15C 1993 (Joe Honda Racing Pictorial series by HIRO No.40)Model Factory Hiroジョー・ホンダユーザレビュー:Amazonアソシエイト by COOKJEANS クックジーンズ C.BY.C シー・バイ・シー 綿麻 長袖シャツ メンズ コットンリネン カラー ブロードシャツ トップス リゾート 2 OFFユーザレビュー:Amazonアソシエイト by コンサート・バイ・ザ・シー 完全版SMJエ... ...続きを見る

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2017/05/17 05:17
追憶
脚本家の青島武がかねてから暖めていた原案を、瀧本智行との共同作業で脚本化した。青島氏と降旗康男監督の前回作品「あなた」は、お涙頂戴の安易な作品だったが、今回の作品は上質の人間ドラマになっている。不幸な少年時代をある喫茶店経営の女性の元で暮らしていた3人の男子が、ある事件に関与するが、その女性がすべての罪をかぶることで事件は収まる。3人は互いに連絡を取り合わないまま、25年を過ごし、再び再会するが、そこにはかつての犯罪が深く関わっているように思われた…。主人公の富山県警の刑事・四方(岡田准一)... ...続きを見る

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2017/05/12 20:23
カフェ・ソサエティ
余韻の漂う素晴らしいラストシーンだ。ユダヤ系の質素な家で育った青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、芸能界の敏腕エイジェントとして活躍する叔父を頼ってハリウッドへ。そこで一目惚れしたのは、秘書のヴォニー(クリステン・スチュワート)。美しくて愛らしいヴォニーの心を射止めようと頑張るボビーだが、ヴォニーには秘密の恋があった。ボビーの気持ちを裏切り、成功者と結婚したヴォニー。失意のボビーは、ニューヨークの実家に戻って兄の営むナイトクラブで働き始める。そこで出会った二人目のヴォニーことベロニカ(ブレ... ...続きを見る

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2017/05/08 15:19
大女優が語る昭和の映画・佐久間良子
 文藝春秋(17/2月号)には、大型企画「大女優9人が語る昭和の映画」が特集されている。77歳の佐久間良子さんは、女優志望ではなかったという。高校時代、佐久間良子さんは西武線で通学し、「西武線のマドンナ」として男子生徒の憧れの的だった。その噂が練馬の東映撮影所の耳に入ったという。「高校を卒業する頃には、帰宅すると自宅の前に東映の車が連日停まっていて『ぜひ女優に』と偉い方が説得に来ている」状態だった。両親も映画界入りを反対していたが、気持ちが次第に変わって一年ぐらいやってもいいかと思い始めたと... ...続きを見る

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2017/05/04 07:10
3月のライオン・後編
前編より後編が面白くなるということがないことを痛感させられた作品だ。前編では、両親を交通事故で亡くした少年・桐山零がプロ棋士の幸田(豊川悦司)に引き取られ、やがて頭角を現して新人賞タイトルを取るまでが描かれていた。桐山零と義理の姉弟との確執や、偶然知り合った川本家の人々との暖かな交流がきびきびと描かれて、好感を持って観ることができた。プロ棋士の後藤(伊藤英明)や天才・宗谷(加瀬亮)、桐山零の先輩や友人、教師たちも個性的に描かれていて、面白く観ることができた。孤独だった桐山零が、川本家の人々に励... ...続きを見る

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2017/04/26 16:40
ジャッキー
 オバマ政権当時の駐日大使だったキャロライン・ケネディ氏が、幼い姿で現われる。父親のケネディー大統領がダラスで暗殺された時、キャロラインには兄のジョン・ジュニアがいたが、今はいない。ジョンは、38歳の若さで飛行機事故を起こして死んでいる。ジャッキーと呼ばれたジャクリーン・ケネディ大統領夫人は、24歳の時に12歳年上のジョン・F・ケネディと結婚した。最初の子供は流産し、次の子供も死産だった。富豪の息子だった夫は有望な政治家だったが、浮気ものだった。耐えられずに義父に離婚を申し出たが、富豪の義... ...続きを見る

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2017/04/18 14:21
キングコング・髑髏島の巨神
 とても工夫の凝らされた物語だ。ジョン・ゲイティンズとダン・キルロイの原案を、ダンキルロイとマックス・ボレンスタインが脚本化している。時代背景も熟考の末、ベトナム戦争終了直後に設定されている。ここに勝因があるだろう。米国内には泥沼化したベトナム戦争終戦を喜ぶ庶民たちが多かっただろうが、戦地には敗北を受け入れがたい指揮官がいただろう。この物語の主役のひとりが、民間人を護衛する大佐(サミュエル・L・ジャクソン)だが、彼こそ敗北を受け入れられない軍人の象徴だ。最後の仕事として、調査隊を島へ送るために... ...続きを見る

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2017/04/14 15:22
ムーンライト
 日本人には実感の湧かない場面も多い。麻薬の売人と常習者たちが街をうろつき、少年を育てる母親が家で売春をして金を稼いでいる。高校生たちは学校の階段でセックスをし、麻薬を吸っている。こういう環境の中でグレるなという方が難しいだろう。この作品の中でも、主人公の少年・シャロンは、高校で暴力事件を起こして少年院に入れられ、ムショ仲間の仲介で麻薬の売人になる。幼馴染の友達も刑務所に入り、刑務所で料理に興味を持ってコックになる。この作品に登場する男女には幸福感がない。厳しい環境を抜け出そうと努力をしているわ... ...続きを見る

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2017/04/06 13:24
パッセンジャー
  地球人口が増大して汚れ、人工頭脳のために技術者の出番が減っていく未来の地球。新たな人生を求めて5000人の乗客たちが第2の地球へ旅立つ。目的地まで120年。冬眠装置で長い眠りについた人々を乗せた最新鋭の巨大宇宙船アヴァロン号が完全自動運転で飛行しつづける。だが、予期せぬ隕石の襲撃を受け、心臓部に穴の開いたアヴァロン号は、修復できないミスを犯す。完璧に設計されているはずの冬眠装置の一つが止まってしまったのだ。眠りから覚めるのは、技術者のジム(クリス・プラット)。豪華客船のように広大な船内で覚... ...続きを見る

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2017/03/29 13:58
猫映画、続々公開
 「ねこあつめの家」「猫忍」と、猫映画の公開が続く。毎日新聞の映画担当、勝田友巳記者(トレンド観測・3/25)によると、猫映画の前は犬映画だったという。 「映画でおなじみの動物の筆頭は犬。日本では1980年代に『南極物語』『ハチ公物語』が大ヒット。2000年代初頭にも犬映画ブームがあり、『さよならクロ』(03年)『クイール』(04年)『犬と私の10の約束』(08年)など次々と作られた」   これらの映画のテーマは、犬の冒険譚、飼い主との感動的物語だった。猫はどうだったか? 「一方猫映画は、... ...続きを見る

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2017/03/26 04:41
3月のライオン・前編
 17歳の天才棋士、桐山零の物語だ。冒頭は、両親と妹を交通事故で失った主人公が幼くして孤独の中に取り残される場面を荘重に描いている。演出の大友啓史監督は、登場人物のキャラクターをくっきりと描き出しながら、心理描写を丁寧に描いている。家族を失った零が、父親の友人だったプロ棋士の幸田(豊川悦司)に育てられ、家庭での天才教育の末に将棋の才能を伸ばしていく過程は、物語の途中で回想シーンとして説明される。この物語には、二人の対照的な女性が登場する。零の義理の姉となる香子(有村架純)と、泥酔した零を家で介抱... ...続きを見る

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2017/03/21 15:29
彼らが本気で編むときは、
 LGBT問題と向き合った優れたホームドラマになっている。オリジナル脚本も担当している荻上直子監督は、脱ドラマを志向しているように感じられた初期の注目作「かもめ食堂」とは打って変わった緊密なドラマを構築している。荻上監督は、性同一障害者の辛さや苦しみをテーマにしながら、育児放棄の母親、認知症の老母、同性愛に悩む男子小学生を巧みに配置して、異端者と世間との対立と無理解を描いている。驚くのは、母親が出ていった後、叔父と暮らし始める女子小学生トモを演じている柿原りんかの演技力だ。虐められている同... ...続きを見る

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2017/03/17 15:18
チア☆ダン
平凡な若者たちが力をあわせて急成長していく物語は、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「フラガール」など、涙と感動のヒット作が多い。「チア・ダン」は、福井商業高校の実話を基に作られている。全米制覇という結末は初めからわかっているので、脚本は苦労しただろう。ポイントは、鬼教師と生徒たち。早乙女薫子(天海祐希)のキャラと、生徒のひかり(広瀬すず)、彩乃(中条あやみ)らのキャラを考え、登場人物の私生活をどこまで物語に絡ませるかを考えなければならなかったはずだ。林民夫氏の脚本は、娯楽脚本に徹して... ...続きを見る

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2017/03/13 16:09
サバイバルファミリー
太陽系の異変によって、全世界の電子機器が一斉に動きを止めてしまったら…という設定が、この作品のテーマだ。便利になった現代生活の中で、電子機器はどこにでも使われている。だから、停電するだけではなく、車も飛行機もダメ。スマホも目覚まし時計もダメになる。都市ガスも出ず、ポンプも動かなくなるから水も出なくなる。作品の中では、こういったエネルギーゼロが2年数ヶ月続くと仮定されている。矢口史靖監督はコメディー作家なので、こういった思いきりのいい設定で笑わせてくれるのかと思うと、肩透かしをくらってしまう。脚本... ...続きを見る

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2017/03/09 08:20
ラ・ラ・ランド
 前作「セッション」で、観客を驚嘆させたディミアン・チェゼル監督。アカデミー賞受賞者としては史上もっとも若くして監督賞を受賞した。「セッション」「ラ・ラ・ランド」を続けてみれば、同じ監督の作品だとはとても思えないほど、両作品は作風も視点も大きく違っている。共通点があるとすれば、ジャズ。今回もジャズが要となっている。作品のいたるところに50年代のハリウッド映画が顔を出す。部屋の壁紙に、路地の街灯に、踊りの振付に。詳しい観客ならそれだけでも楽しめるだろう。撮影も凝っている。冒頭の渋滞道路場面。長々... ...続きを見る

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2017/03/01 15:54
王様のためのホログラム
 デイヴ・エガーズの原作をトム・ティクヴァ監督が演出している。トランプ大統領の選挙戦で、米国には失職した白人労働者が多数いることを痛感させられたが、この作品にはまさに仕事を失った米国人が出てくる。米国の自転車メーカーの役員だった主人公(トム・ハンクス)は、売上低迷の打開策として工場を中国に移し、社員を大量解雇した。だが、技術を奪われたメーカーは安価な中国製自転車の輸入のために倒産した。仕事を失った主人公は、娘の教育費をめぐって家を手放したうえに離婚した。IT企業に転職した主人公だったが、仕事は... ...続きを見る

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2017/02/21 14:04
マリアンヌ
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2017/02/17 15:51
相棒・劇場版W
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2017/02/13 15:50
ザ・コンサルタント
 会計士と殺人者、二つの顔を持つクリスチャン・ウルフが主人公の物語。ハリウッド製なので、銃器がふんだんに登場する。クライマックスの銃撃戦では、武装した屈強の男たちが、いとも簡単に撃ち殺される。なぜ、こんなに強いのか。なぜ、天才的頭脳に恵まれているのか。原作はないので、すべて脚本家、ビル・ドュビュークの頭の中で創作されたキャラクターだと考えられる。田舎の会計士という地味で固い男が、いったん戦い始めると驚異的な殺人鬼に変身するところが肝だろう。  ある軍人夫婦に二人の息子が生まれる。長男は不運な... ...続きを見る

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2017/02/08 18:37
2017年第59回ブルーリボン賞
2016年公開の映画からブルーリボン賞が決まった。 * 作品賞「シン・ゴジラ」 * 監督賞・片渕須直監督「この世界の片隅に」 * 主演男優賞・松山ケンイチ「聖の青春」 * 主演女優賞・大竹しのぶ「後妻業の女」 * 助演男優賞・リリー・フランキー「SCOOP」 * 助演女優賞・杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」 * 新人賞・岡村いずみ「ジムノペディに乱れる」 * 特別賞「君の名は。」 * 外国作品賞「ローグ・ワン」 私塾・坂本竜馬小学館武田鉄矢ユーザレビュー:Amazonア... ...続きを見る

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2017/02/03 05:32
本能寺ホテル
 原作のない相沢友子のオリジナル脚本だ。大ヒット作「信長協奏曲」の第2弾として企画されたのだろう。フジテレビ・ホリプロの提携作品。歴史上、最も有名でドラマチックな本能寺の変を舞台に、過去と現在を行き来する仕掛けを京都のホテル「本能寺ホテル」に設定している。やはり「信長」のキーワードは外せないらしい。ヒロインの倉本繭子(綾瀬はるか)は東京で会社員をしていたが、会社が倒産し、失意の時に恋人(平山浩行)から求婚される。彼の実家が京都なので、繭子は彼の両親に会うために京都へやってくる。その日が丁度、4... ...続きを見る

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2017/02/02 05:30
スノーデン
 この作品の中に「もし日本が米国の同盟国から外れる時がくれば、ブラックアウトだ」というスノーデンの台詞がある。スノーデンは国家安全保障局の職員として米軍横田基地で勤務していたことがあった。彼の仕事はアジアを中心とする情報収集と、日本のインフラに遠隔操作ウイルスを埋め込むことだった。米国は同盟国すら信じていない。かつて真珠湾攻撃をしかけた日本にもウイルスを仕掛けておき、米国に反抗した時にはこれを作動させる。電力、ダム、通信が遮断され、日本は真っ暗になるという。すでに米国はウイルスの遠隔操作のみで... ...続きを見る

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2017/02/01 14:17
沈黙
 原作者の遠藤周作は、文学を通じて日本人とキリスト教の関係を考究した。彼が行きついた結論は、日本人には神が理解できないという絶望だった。マーティン・スコセッシ監督作品「沈黙」の中でも、終盤、若き宣教師ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)が長崎奉行に捉えられた末、彼が命がけで追い求めていた師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)と再会し、語り合う場面がある。目の前で長崎の信者が殺され、自らも過酷な逆さ吊りの刑を科せられて棄教して転び伴天連となってしまったフェレイラは、すべてを諦めたように言う。「... ...続きを見る

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2017/01/25 05:27
この世界の片隅で
これは、優れたアニメ作家でありながら今までヒット作に恵まれなかった56歳の片渕須直監督に予想もしないような大きな実りを与えた作品だ。今までにたくさんの映画賞やアニメ賞を取り、公開されて2ヶ月以上が経った今も劇場には多くの観客が詰めかけている。この作品を悪く言うものはいないだろう。ヒロインのすずは、戦前から終戦後まで日本のどこにでもいた、「嫁」だ。昭和前期までの日本の嫁は、平成時代の妻や母親ではない。親の決めた相手と結婚し、自らの実家を捨てて、結婚相手の家に嫁ぐ女性を嫁といった。嫁は、嫁ぎ先の息... ...続きを見る

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2017/01/20 19:07
2017映画賞・その後
2017映画賞 ...続きを見る

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2017/01/19 14:22
アイ・イン・ザ・スカイ
 ハリウッド製のドローン攻撃映画「ドローン・オブ・ウォー」で、操縦士が苦しむように、この英国映画の中でも人々は苦しむ。主な舞台は、ロンドンの英米合同軍事作戦指揮室と、ある会議室。会議室に集まっているのは、作戦責任者のベンソン中将(アラン・リックマン)と担当大臣、政務次官たち。軍事作戦の現場は遠く離れたナイロビ。テロリストたちが外国から志願してきた若者たちを利用して自爆テロを繰り返してきた。作戦の指揮を執る英国諜報部のパウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、数年をかけてテロリストたちを追跡し、英国出身... ...続きを見る

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2017/01/16 18:47
マイルス・アヘッド
主演のドン・チードルが、脚本・監督・製作の全てを担当している。25年前に亡くなったジャズの帝王、マイルス・デイヴィスは、1926年に生まれている。この作品は、1970年代後半のニューヨークを舞台にして描かれているから、彼が50代前半の頃だ。抜きん出たジャズトランペット奏者としてだけではなく、常に新しい音楽を模索していたマイルス・デイヴィスには、活動を止めた謎の5年間があったという。この作品は、その5年間に焦点を当てたものだが、最近公開された「ブルーに生まれついて」も、薬物に溺れて人生の奈落に... ...続きを見る

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2017/01/11 18:53
2017年映画賞レースは?
去年を代表する日本映画の各賞が、続々と発表されている。個人的には、「葛城事件」がベストワンです。主演男優賞は、三浦友和さん。主演女優賞は、宮沢りえさん。ですが、さて… ...続きを見る

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2017/01/01 18:51
土竜の唄 香港狂騒曲
まさに究極の股間映画、コカン・ムービーだ!出てくる、出てくる、股間、股間、股間!前作に引き続き、脚本・クドカン、監督・三池崇史の名コンビは絶好調!冒頭から潜入捜査官・モグラの菊川玲ニ(生田斗真)が全裸でヘリにぶら下がって登場。おなじみの股間にはスポーツ新聞。どうしてそうなったかは、ナレーションと映像で説明される。今回登場する新たなキャラも濃厚すぎる。薄めからいくと、絶対正義を振りかざす超エリート警察官の兜真矢(瑛太)。これがラストには、意外な本性を現すが、香港に行けば何でもありなのか?!組から... ...続きを見る

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2016/12/26 19:14
第40回 日本アカデミー賞
 今年も日本アカデミー賞の投票用紙が送られてきた。今回は日本アカデミー賞創設40周年の節目でもある。新聞報道によると、東宝が配給した「君の名は。」「シン・ゴジラ」を筆頭にした大ヒット作品が連発したため、映画界の興行成績は過去最高額となるらしい。日本政府も「シン・ゴジラ」を世界的に売り込もうとしている。日本映画黄金期とされる昭和20年代から30年代の短い間を経て、テレビに圧倒された日本映画界は凋落の一途を辿り、マスコミはつい最近まで「斜陽の日本映画界」「斜陽が続く邦画界」という、悪しき烙印を押し続... ...続きを見る

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2016/12/21 05:33
2016年毎日映画コンクール・2次予選
 今年も毎日映画コンクールの季節がやってきた。「作品」「俳優」「スタッフ」などの各部門ごとに映画評論家ら80名による投票が行なわれ、1次選考作品が決まる。その結果、得票上位作品が2次選考候補となる。「アニメーション」「ドキュメンタリー」部門は作品公募によって選考される。 ...続きを見る

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2016/12/20 05:30
ローグ・ワン・スターウォーズストーリー
長年のスターウォーズファンの私にとって、実に意外な結末だった。驚いたといってもいい。しかも、製作会社はディズニーだ。この作品の監督、ギャレス・エドワーズに渡された脚本は、元々テレビシリーズ用に作られたプロットからできているというが、なんという悲劇的な結末だろうか。現在、シリアでは実際に三つ巴の苛烈な内戦が続き、数十万人が犠牲になっている。湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争と、常に闘いを日常としてきた米国人の本音が見えていると言うことだろうか。この物語は、ジョージ・ルーカス監督作品として... ...続きを見る

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2016/12/19 19:26
アズミ・ハルコは行方不明
 これは地方都市に暮らす28才独身女性の物語だ。社員四名の会社で事務員をしているヒロインの安曇春子(蒼井優)は、37才独身女性の先輩事務員と昼休みに菓子パンを齧りながら話す。「私の給料13万ですよ。安すぎ」「私17万」。先輩は、営業も経理も担当している会社の主軸なのに。「社長の給料100万。毎月100万だよ。これが資本主義」。社長と常務は、結婚が女のすべてだと信じ込んでいる男たちだ。この作品にはさまざまな女性が現われる。成人式直後のキャバクラ嬢(高畑充希)。同級生とつきあうが、本気になってはも... ...続きを見る

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2016/12/16 05:32
マダム・フローレンス
 第2次世界大戦の最中、ニューヨークで暮らす音楽家たちに惜しみない経済援助を続けたマダム・フローレンスこと、フローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。実話を元に作られた映画の中では、フローレンスの過去が痛みと共に語られている。富豪の娘として生まれたフローレンスは、音楽少女となってピアニストを夢見た。ホワイトハウスで大統領の目の前でピアノを演奏したのは八才の時だったという。だが、実業家の父親は芸術を唾棄し、娘に音楽を諦めさせて銀行家の嫁になれと命じた。フローレンスは家を出てピア... ...続きを見る

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2016/12/07 16:41
ブルーに生まれついて
 イーサン・ホーク、渾身の名演技である。1950年代に活躍した伝説のジャズトランペッター、チェット・ベイカーの伝記を、ロバート・バドローが脚色・監督している。イタリアで麻薬に溺れ、浮浪者のように拘置所に入れられたチェット・ベイカー(イーサン・ホーク)の無惨な姿から始まる。麻薬の幻想で、トランペットから蜘蛛が這い出た時、映画界の巨匠、エリア・カザンが身請けしていく。エリア・カザンは、ジャズ界で成功を納めた後、麻薬に溺れて転落していったチェット・ベイカーの実話映画を撮ろうとするが、麻薬密売組織か... ...続きを見る

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2016/11/29 17:10
ガール・オン・ザ・トレイン
 ニューヨーク郊外の住宅街を通勤電車の車窓から眺めるレイチェル(エミリー・ブラント)。通勤に見せかけているが、すでに広告会社から解雇され、行き場を失っているバツイチ中年女だ。解雇の理由はアルコール。レイチェルは元夫との間に子供を作ることができず、夫の浮気がきっかけで離婚した。レイチェルは、妊娠できなかった自分を責めて、酒に溺れ、結婚生活も職場も失った。元夫の再婚相手にも嫌がらせをしている。レイチェルは、列車から元夫と再婚相手が暮らす家を見続けている。その家には自分が暮らしていたのだ。幸せだった... ...続きを見る

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2016/11/26 04:42
マイ・ベスト・フレンド
 英国映画に、ハリウッド女優・ドリュー・バリモアが出演している。ロンドンの小学校に、米国からやってきた少女・ジェスが転校してくる。よそ者に冷たいクラスの中、“異端児”のミリーだけがジェスの親友となる。離婚を繰り返し、スキャンダル塗れの有名なテレビ女優を母親に持つミリーは、寂しかったのだ。大人になったジェス(ドリュー・バリモア)とミリー(トニ・コレット)は、一卵性双生児のように仲良しのまま遊びまくる。いつも一緒の二人だが、遊びで抜け出すのはいつもミリー。ミリーはバンドボーイの子供を妊娠し、結婚。... ...続きを見る

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2016/11/22 05:33
君の名は。
 彗星落下によって消滅した山里の悲劇を背景にして描かれているが、災害の多発する今の日本列島で暮らす者には、胸に突き刺さる哀しみも重なる。東日本大震災の津波が、彗星落下と重なるのは私だけではないだろう。特に、教員の不手際で逃げ遅れた大川小学校の悲劇は、忘れられない悲しみとなって多くの日本人の胸に残っている。もしも、誰かが大災害を予知できていれば、多くの命が救えただろう。  8月26日に公開された新海誠監督の「君の名は。」。公開当時、制作会社のコミックス・ウエーブ・フィルムやKADOKAWA、... ...続きを見る

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2016/11/17 19:15
溺れるナイフ
 永く読者に愛されてきた原作を、20代の新鋭監督・山戸結希が監督。ジョージ朝倉の原作は全17巻。その膨大な原作コミックを、2時間弱に纏めなければならない。華やかな都会で少女モデルとして脚光を浴びていたヒロイン・望月夏芽(小松奈々)。海辺の静かな町・浮雲町で旅館を経営する祖父(ミッキー・カーチス)が年老いたので、夏芽一家は田舎へ引っ越す。都会と田舎が対照的に描かれる冒頭から、浮雲町のカリスマ的存在・長谷川航一朗(菅田将暉)と海辺で出会う場面から二人の恋物語は始まる。原作どおりに、15歳の中学時... ...続きを見る

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2016/11/09 19:15
インフェルノ
 ダン・ブラウン原作のラングドン教授シリーズ第3作。原作なり台本を渡されたロン・ハワード監督は、頭を抱えたに違いない。「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」と、シリーズ過去2作のヒットに恵まれた監督だが、第3作目「インフェルノ」には困ったはずだ。見終わって、これほど失望する作品も珍しいだろう。原作に秘められたテーマは、人類の傲慢だ。人類の増大とエネルギーの濫費、自然破壊を食い止めるために、ある富豪が辿り着いたのは、人類を半減させてしまうというウイルスの散布。だが、人類滅亡の危険を察知したWHO... ...続きを見る

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2016/11/04 17:07
湯を沸かすほどの熱い愛
 オリジナル脚本も担当している中野量太監督が、末期癌を患った中年主婦になぜ興味を抱いたのかはわからない。雑誌のエッセーによると、テレビ関係の仕事をしていた中野監督は一念発起して短編自主映画を撮り、それが認められて長編デビューのチャンスを掴んだ。だが、何をテーマにすればいいか、監督の心を掴む素材は見つからなかった。そんな時、出会ったのが向田邦子さんのエッセーや小説だったという。テレビの脚本家として大活躍していた向田邦子さんは、乳癌を患い、それを機にエッセーや小説を手がけて直木賞作家となった。テレ... ...続きを見る

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2016/11/01 15:14
永い言い訳
 素晴らしい作品だ。心から他者を愛することのできない小説家の歪みと哀しみを、西川美和監督は見事に描いている。主演の小説家を演じる本木雅弘も素晴らしい。妻がスキーバス転落事故で死んだその夜、若い愛人と妻のベッドで愛し合っていた主人公が妻の死後に受けとめなければならない罪の深さと自分自身への絶望をよく表現している。  冒頭は理容師の妻(深津絵里)が、自宅マンションでタレント小説家の夫・津村(本木雅弘)の髪を切る場面。観客には退屈に聞こえる夫婦の会話は、その後深い意味を持ってくる。妻との出会いは... ...続きを見る

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2016/10/28 16:40
ジェーン
 原題は「Jane got a gun」。南北戦争後、ニューメキシコ州の荒野の一軒家で凶状持ちの夫と幼い娘と暮らす妻のジェーンが、銃を取って10人を超える荒くれどもと戦う物語だ。冒頭、体に銃弾を撃ち込まれた夫が家に戻ってくる。男たちに見つかり、追われているというが詳細は語られない。妻のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、すぐに夫の傷の手当てをするが、麻酔も手術道具もない。ナイフで銃弾を抉り出すのだ。気丈なジェーンの性格描写となっているが、彼らがなぜ追われ、美しいジェーンが前科持ちの夫となぜ暮... ...続きを見る

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2016/10/27 19:21
何者
田舎の大学を出たものの、新聞求人広告を頼りに転職を重ねてきた私には無縁だった就職活動。昔、あてもなく上京したばかりの私が驚いたのは、リクルートスーツに身を固めた「就職戦士」たちの異様な姿だった。みんな、同じ!これこそ、日本人だ!と驚愕したものだ。その姿は、IT時代の今も変わらない。日本人は変わらないのだ。いつも同じだ。 「何者」は、人気作家・朝井リョウ氏の原作を、三浦大輔監督が脚本も書いて演出した作品。東宝のエース・川村元気氏が企画・プロデュースしている。主人公の拓人(佐藤健)は、大学時代に... ...続きを見る

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2016/10/20 19:04
グッドモーニングショー
「笑っていいとも」などの放送作家から脚本家に転じ、「踊る大捜査線」の大ヒットで一躍脚光を浴びた君塚良一氏。やがて映画監督としても成功した同氏の原作・脚本・監督作が、「グッドモーニングショー」だ。  この作品を象徴しているのが、主人公の“落ち目のキャスター”澄田真吾一家が暮らす高級マンション。午前3時に起きてタクシーで局へ向かい、早朝のワイドショーを終えると、再びタクシーで帰宅。映画の冒頭と、ラスト近くに、タクシーとマンションが映る。猟銃を持った危険な立てこもり犯との必死なやりとりを終えた澄田... ...続きを見る

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2016/10/12 14:52
SCOOP!
 脚本も担当している大根仁監督がもっとも腐心したのは、主演のカメラマンのキャラクター作りだろう。福山雅治演じるこの中年パパラッチは、芸能人のスキャンダルをハイエナのように追いかけるカメラマンだ。女好き、酒飲み、独身のヘビースモーカー。際どい写真を撮り続けて、借金だらけという設定だ。原案は、原田眞人監督の映像作品。どこまで脚色しているかは不明だが、主人公の危ない性格なくして、このドラマの面白さはない。その男と組むのが、新人記者(二階堂ふみ)。経験ゼロの新人記者と、危ない橋だらけの中年カメラマン... ...続きを見る

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2016/10/04 16:50
超高速参勤交代リターンズ
 前作「超高速参勤交代」で一躍名を上げた土橋章宏氏のオリジナル続編を、前作と同じ顔ぶれと本木克英監督によって作られている。「寅さん」シリーズや「釣りバカ」シリーズを失った松竹は、企画部を中心に体制を一新した。「武士の家計簿」など、それまでになかった斬新な発想の時代劇も次々と作られ、予想を超えた興行成績と評価を得てきた。前作「超高速参勤交代」も、意表をつくタイトルをもった城戸賞受賞作を映画化したものだったが、運良くヒットに恵まれた。この勢いで、第2弾をというのが、「リターンズ」になったわけだ。... ...続きを見る

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2016/09/30 14:17
ハドソン川の奇跡
 映画のラスト近く、ニューヨーク上空850メートルから真冬のハドソン川へ着水したUSエアウェイズ1549便の機長の判断を調査した国家運輸安全委員会の女性議長が、調査委員会の席上で述べる。「多数の専門家の意見を聞いてきましたが、あの状況でハドソン川に1549便を無事着水させ、乗客全員を救うためには、どうしても必要な要因Xが存在します。そのXこそ、サレンバーガー機長、あなたです」。  映画の原題は、「サリー」。1549便の機長、チェスリー・サレンバーガーの愛称だ。2009年1月15日、ニューヨ... ...続きを見る

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2016/09/26 14:21
 映画監督・李相日の怒り
かつて日本映画の監督には「オリンピック監督」と呼ばれる名匠たちがいた。彼らは4年に一度しか新作映画を発表しなかったからだ。最新作「怒り」が公開された李相日監督もそれに類している。李監督もまた、3年ごとに新作を発表している。  昭和49年、新潟で生まれた李相日は北朝鮮を祖国とする在日朝鮮三世だ。両親は朝鮮学校の教師だった。李相日は北朝鮮の教育を受けて育ったが、両親の離職によって横浜へ移住してから疑問を持った。北朝鮮が一方的に主張する主義に反発を覚えたのだった。もしこのまま進学すれば両親のような... ...続きを見る

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2016/09/22 16:40
怒り
 この映画を観終わった後、トイレで男子高校生たちが話し合っていた。「おい、おい、やべえよ、この映画。お前だったらどうする?おれは叫びまくるな」彼らが話していたのは、沖縄で米兵にレイプされる女子高生(広瀬すず)のことだ。吉田修一の原作を、李相日監督が脚本も書いて演出した作品だが、描き込まれたテーマは重く、観る者の胸に暗くのしかかってくる。中でも、日本人として目を背けたくなるのが、那覇の公園で起きる女子高生レイプ場面だ。基地に逃げ込めば日本の警察から逃れられる米兵たちのレイプ事件は絶える事がない。... ...続きを見る

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2016/09/21 18:27
四月は君の嘘
 人気若手俳優を起用した青春ラブストーリー。すでに新川直司の原作はアニメ化されているが、あえてフジテレビ映画部が実写化したものだ。舞台は湘南の高校で、江ノ島、湘南付近の光景が、四季の移り変わりと共に美しく撮影されている。登場人物たちの背景にも、木々の緑や海のきらめきが映り込むように撮られていて、観ているだけでも穏やかな気持ちになる。見事な撮影だ。  少年の頃から天才ピアニストとして知られた公生(山崎賢人)は、厳格なピアノの指導者だった母親(壇れい)の病死から、ピアノが弾けなくなっている。ピア... ...続きを見る

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2016/09/15 05:05
会社社長の脚本家・土橋章宏氏の創作ノート〜「超高速!参勤交代」が帰ってきた!
 14年に松竹系で封切られてヒットした時代劇「超高速!参勤交代」。脚本を書いた土橋章宏氏は、当時45歳だった。土橋氏の経歴は異彩を放っている。大阪生まれで関大工学部を出て日立製作所へ。31歳の時にWeb製作会社を作って独立。その傍ら、テレビドラマ、ラジオドラマの脚本を執筆。小説にも手を染めて、文学賞受賞。脚本でも映画、テレビと受賞を重ね、42歳のとき、「超高速!参勤交代」で城戸賞受賞。若くない新人の受賞作は、3年後に松竹で映画化され、ヒットした。  松竹は第2弾を企画し、再び土橋氏が脚本を担当... ...続きを見る

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2016/09/10 08:27
イレブンミニッツ
 78歳の亡命映画作家、イエジー・スコリモフスキ監督が故国ポーランドを舞台にした「11ミニッツ」は、分散していた断面が最後に収斂するという構成になっている。ヒューマニズムや感動とは無関係に、人々は11分間をその人なりに生き、クライマックスを迎える。  午後5時、11人の男女と一匹の犬が与えられた運命を生きていき、5時11分に悲劇を迎えるのだが、キネ旬(16・9月下旬号)のインタビュー記事によると、「色の豊富な絵の具みたいに多様な種類の人物を出し、先ほど述べたとおり、誰が、いつ、どこで、何をし... ...続きを見る

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2016/09/06 14:22
ジャングル・ブック
 素晴らしい映像に息を呑んだ。ディズニーのトレードマークが銀幕に浮かぶと、映像はそのままジャングルの中へと変わる。観客がディズニー映画の世界へと一気に引き込まれた途端、少年モーグリ(ニール・セディ)が懸命に駆け出す。ジャングルの中を獣のように駆けるモーグリを横移動のカメラがスピーディーに追う。高精度のCGで作り出された植物や動物たちが色鮮やかに、躍動的に踊り出す。雄大な大自然が観客の前に広がる。全ての動物が十分に観察されており、実際の動物たちの仕草がそのままデジタル化されている。驚くべき技術だ... ...続きを見る

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2016/09/02 17:17
後妻業の女
 よく知られているように、黒川博行が60歳を過ぎて直木賞を受賞した直後に刊行されたのが、「後妻業」(文藝春秋)だった。当時、青酸カリで次々と夫を殺した女の事件が起き、黒川氏の作品は注目された。原作では、老人専門の結婚相談所長が夫殺しの黒幕になっている。事件の背景を調べるのは、私立探偵だ。大阪弁のやりとりがユーモラスで、事件の解明に意外性があり、とても面白い原作だ。  脚本も担当している鶴橋康夫監督は、テレビドラマの世界では名匠だ。幾多の受賞歴があり、話題作には事欠かない。話題作「後妻業」... ...続きを見る

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2016/08/29 15:55
スクリーンで逢いたい若手俳優・女優篇
 キネマ旬報8月上旬号は、「キネマ旬報が選ぶ若手女優」を特集している。グラビアトップは、快進撃中の広瀬すず。  記事によると、「ある時代を牽引した伝説的な女優たちはいずれも、作品に登場しただけで輝きを放つ十代の時期があった。『海街diary』(15)で各映画賞の新人賞を総なめにし、『ちはやふる』二部作(16)がヒットした広瀬すずは、今最もそれに近い感覚を覚える若手女優だ」  2012年から「セブンティーン」専属モデルとして活動し始めた広瀬すずは、今や期待の映画女優として、映画出演が相次いでい... ...続きを見る

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2016/08/21 16:30
秘密
 清水玲子の原作コミックを、高橋泉らが脚色し、大友啓史が監督している。12巻からなる原作の中から選ばれたのは、萱沼事件、露口絹子一家事件と、新人の青木刑事のエピソードだ。 最新鋭の科学捜査を駆使しても、未解決事件や冤罪は後を絶たない。もし、殺された被害者の脳に真犯人の映像が残っていたら、すぐにでも事件は解決する。それを狙ったのが、特殊脳内捜査チーム“警視庁捜査一課・第九係”。極秘に作られた脳内捜査チームが、一家惨殺事件の真相と、過去に起きた連続殺人事件の関係をつきとめる物語だ。第九の部屋に... ...続きを見る

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2016/08/18 05:21
イングリッド・バーグマン〜自分らしく在ること
 「Bunkamura magazine」(16年8月号)の表紙をイングリッド・バーグマンが飾っている。「イングリッド・バーグマン〜愛に生きた女優」のページには、“3度のアカデミー賞受賞、3度の結婚。仕事も恋も全力を注いだ大女優の真実”とある。8月27日から9月5日まで、渋谷のBunkamuraギャラリーで開かれるイングリッド・バーグマン写真展の紹介記事だ。  イングリッド・バーグマン生誕100周年記念のドキュメンタリー「イングリッド・バーグマン〜愛に生きた女優」には、稀有の大女優のすべてが... ...続きを見る

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2016/08/08 11:26
ルートヴィヒ完全版
 ようやく横浜にも真夏の日差しが訪れた朝、黄金町の「ジャック&ベティ」で、ルキノ・ヴィスコンティ監督「ルートヴィヒ」完全版を観た。劇場公開時には「神々の黄昏」という副題がついていたが、今回はついていない。当時の感想と、今の感想は大きく違っていたが、変わらないのは、エリザベート王妃を演じたロミー・シュナイダーの美しさだ。最初に画面に登場した時から、最後の場面まで、エリザベートの出演場面は華やかで美しい。“狂王”と呼ばれ、謎の多い人物だとされるルートヴィッヒが、終生想いを寄せ続け、叶えられなかっ... ...続きを見る

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2016/08/05 16:48
シン・ゴジラ
 過去の邦画の中で、これほど政治的リアリティーを観客に迫ってきた娯楽作品は、岡本喜八監督版「日本のいちばん長い日」、森谷司郎監督「日本沈没」のほかにはないだろう。いずれも橋本忍脚本だった。総監督も務める庵野秀明監督による脚本は、橋本脚本に匹敵する高度な政治性をもっている。組織としての日本政府が、大きな危機に対して果たせる限界とは。  私見だが、「シン・ゴジラ」の根底には、2011年に日本の福島県で起きた東電福島第一原発事故への忸怩たる思いが流れていると考えられる。日本政府が長年にわたって主張... ...続きを見る

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2016/08/03 05:27
トランボ
 今までに映画のタイトルに名前を冠することができた脚本家は、シェイクスピアと、トランボだけだ。ダルトン・トランボは、冷戦時代の米国で猛威をふるった“赤狩り(レッド・パージ)”の犠牲者であり、伝説の大脚本家だ。映画に興味のある者なら誰でもその名前は知っているが、詳細は知らないままだった。  ブルース・クック原作、ジョン・マクナマラ脚本、ジェイ・ローチ監督の「トランボ」は、米国内で反共勢力が共産主義者たちを駆逐し始めた頃から描かれている。ハリウッド随一の脚本家として大成功を収めていたトランボ(ブ... ...続きを見る

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2016/07/28 13:23
生きうつしのプリマ
 近現代史の佳作「ハンナ・アーレント」を撮ったマルガレーテ・フォン・トロッタ監督と主演女優バルバラ・スコヴァが組んだ二作目。監督が脚本も書いている。 「ハンナ・アーレント」には、ナチスに加担した者たちの罪をどう把握するかという明確な主題があった。だが、今回の作品には明快なテーマがない。母親の謎を探るミステリーなのか、父親の葛藤を描くものか、死んだ母親と瓜二つのオペラ歌手の隠された絆を解き放つドラマなのか、不明なままだ。  ドイツで売れない歌手を続けているゾフィー(カッチャ・リーマン)は、... ...続きを見る

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2016/07/21 06:28
神山征二郎監督を支えた女性〜脚本家・加藤伸代
 社会派映画監督として活躍されてきた75歳の神山征二郎監督を、公私ともに支え続けたのが、脚本家の加藤伸代さんだった。監督より17歳下の加藤さんは、16年4月2日、膠原病・子宮頚癌のために逝去された。 「シナリオ」誌(16年8月号)掲載の神山監督による「追悼・加藤伸代」には、監督と加藤さんとの出会いから死別までが描かれている。 「加藤は神奈川県立小田原高校を卒業したあと寺山修司の劇団『天井桟敷』の研究生となり端役で舞台にも立っていた。私と出会ったのはその頃で、まだ一九才だった」  当時、新藤... ...続きを見る

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2016/07/18 05:00
インデペンデンス・デイ・リサージェンス
 1996年に人類がエイリアンからの攻撃を受け、3億人の犠牲者を出しながらも、かろうじて勝利を得た、という設定から始まっている。ローランド・エメリッヒ監督による続編は、前作の登場人物のキャラクターを上手に活かしながら、より大きな物語にしている。過去のエメリッヒ監督作品は、規模は大きいが大味で、空回りしている箇所がいくつか見受けられるような作品が多い。今回も危うい箇所はいくつかあるが、過去の経験を活かして、人類存亡を賭けたエイリアンとの命がけの闘いの中に、仲間、恋人、家族の愛をバランスよく配置し、... ...続きを見る

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2016/07/14 05:24
ブルックリン
 戦後間もない1950年代のアイルランドと米国・ニューヨーク。貧しいアイルランドから一人、ニューヨークのブルックリンへ新天地を求めて移っていった若い女性のつつましい青春物語だ。アイルランド・英国・カナダ合作で作られた作品を、20世紀フォックスが世界配給している。  アイルランドで母親、姉と暮らしてきたエイリッシュ(シアーシャ・ローナン)は、渡米を決意する。店員として働く店の女主人は、棘のある人物で我慢できない。町は狭く、噂話ばかりで将来性はない。工場の会計係として働く姉の援助で、エイリッシュ... ...続きを見る

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2016/07/12 06:53
帰ってきたヒットラー
 この作品を観る前に、知っておいた方がいい歴史的知識がいくつかある。村瀬興雄著「アドルフ・ヒトラー」(中公新書)の表紙には「ヒトラーは天才でもなければ狂人でもなかった。彼はドイツ帝国主義の有能な選手であったがゆえに、ドイツのエリートにも大衆にも支持されたのである」と記されている。  高田博行著「ヒトラー演説」(中公新書)のプロローグには、1933年2月10日にヒトラーが実際に行なった演説の邦訳が載っている。 「そしてついに、崩壊の手が都市に再び伸び、今や失業者の大群が膨らみはじめている。... ...続きを見る

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2016/07/09 06:32
トゥーヤング トゥーダイ!
 高校の修学旅行バスツアーが始まる冒頭場面から面白い。主人公、大助(神木隆之介)が友達に見せかける女子風呂盗撮スマホ動画。後部座席で蹲ったまま顔を見せない謎の「顔色が悪い女子」。大助が恋するひろ美(森川葵)と最後に交わした会話。口に咥えたバナナと安産祈願のお守り。事故が起きるまでにバスの中で観客に見せたいくつかの情報と謎が、やがて意外性をもって立ち上がってくる。まさに、脚本家・官藤官九郎の腕の見せ所。  とは言え、古来から日本で流布してきた地獄めぐりを映像化したのは、今は亡き中川信夫監督「地... ...続きを見る

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2016/07/07 20:14
ダークプレイス
大評判をとった「マッドマックス怒りのデスロード」で共演したシャーリーズ・セロンとニコラス・ボルトが、再び共演する、という所から出た企画だろうか。原作は「ゴーン・ガール」のギリアン・フリン。「ゴーン・ガール」でミステリアスな女性像を創作していた原作者は、本作品でも小悪魔的な少女を登場させ、ミステリーの要としている。  30年近く前、貧しい農家で起きた一家惨殺事件。母親と二人の娘が殺されていた。生き残った8歳の末娘の証言で、兄が加害者だとされ、逮捕される。それから28年後、生き残ったリビー(シ... ...続きを見る

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2016/07/01 05:31
クリーピー
 第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作・前川裕「クリーピー」(光文社文庫)を監督の黒沢清と池田千尋が脚色している。原題のクリーピーは、“ぞっとするような気味の悪さ”を指す。  警視庁捜査一課で犯罪心理学を得意としていた刑事の高倉(西島秀俊)は、取調べで失策を犯してしまう。意外性のある冒頭場面から、警察を去って大学の犯罪心理学教授となった高倉が、美しい妻(竹内結子)と郊外の新居で新たな暮らしを始め、奇妙な隣人・西野(香川照之)と出会うまでは、丁寧な演出で違和感はない。随所でミステリア... ...続きを見る

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2016/06/23 05:24
葛城事件(かつらぎじけん)
 この物語は、絶望に追いつめられた青年が死ぬ前に大きな事件を起こして死刑になりたいと願い、地下街で無差別大量殺人を犯すまでを主軸として描かれている。  主人公は、この連続殺人犯の父親(三浦友和)で、見栄を張り、力ずくで家族を圧していく醜悪な男として創造されている。強権的な夫に責め苛まれ、精神を病む妻(南果歩)。幼い頃から出来がよく、父親から寵愛されてきた長男(新井浩文)。兄とは対照的に学校でも社会でも評価されずに引き篭もっていく次男(若葉竜也)。兄と父への憎しみが次男の中で次第に肥大してゆく... ...続きを見る

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2016/06/22 14:43
2016年夏・日本映画は花盛り!
 4月14日、松竹と東宝は2月期決算を発表。松竹は創業以来、経常利益が史上最高となった。売上高925億1400万円。営業利益74億900万円。経常利益65億7600万円。営業利益も史上3番目だった。松竹は東銀座のスクエアビルと歌舞伎座ビルの賃貸料収入が好調で、安定した財務を背景に、大胆な映画企画ができるようになった。  東宝は画期的な数字が並んだ。営業収入、営業利益、経常利益ともに歴代1位となったのだ。営業収入2294億円、営業利益407億1000万円、経常利益424億7100万円。この数字は... ...続きを見る

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2016/06/19 07:56
「ロクヨン」後編
 前編の冒頭は、昭和最後の年に起きた少女誘拐事件の顛末だった。身代金を奪われたばかりか誘拐された少女も死体で発見され、県警刑事部は惨敗する。それから14年後の県警が描かれるが、捜査一課の刑事だった三上(佐藤浩市)は広報官となっている。また、誘拐事件の犠牲者が、少女の父親・雨宮(永瀬正敏)ばかりではなく、捜査陣の中にもいることが明らかになる。前編のミステリーは、県警が隠してきた「コウダ・メモ」を巡る三上の動きが主になっている。誘拐犯からの声を鑑識課員が録音失敗していたことと、犯人の肉声は、雨宮し... ...続きを見る

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2016/06/14 15:34
個性がなければ「Kiko」じゃない〜女優・モデル水原希子
「現代の肖像」(アエラ16年6/13号)で、速水由紀子氏は水原希子(25)をこう書き出している。 「ネコ科だ。野生種が混じっている系の。アライアの黒ミニからのびた白い美脚を高く組んでいるのに、背中が猫のようにきゅっと丸くなり、斜め下からの目線でファインダーに訴える。私に追いついて、と」  女優・モデルの水原希子は、米国テキサス州フォートワースに生まれた。父親は実業家の息子、母親は在日韓国3世の留学生だった。大学で恋に落ちた二人は、19歳同士の若き父母になった。水原希子の本名の由来も記されて... ...続きを見る

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2016/06/11 21:31
三浦友和64歳〜「葛城事件」インタビュー
 大作映画「64」で県警捜査一課長を演じている三浦友和は、6月18日公開の「葛城事件」(赤堀雅秋監督)で主役の葛城清を務めている。  山口百恵との共演で映画俳優となった三浦友和は、85年の「台風クラブ」(相米慎二監督)でだらしのない中学校教諭を演じて新たな道を切り開いた。キネマ旬報(16年・6月下旬号)掲載の、秋本鉄次氏のインタビュー記事によると、 「三浦友和が“無責任かつだらしない父親・豊道”を演じた「松ヶ根乱射事件」(07)、“借金取りのうさんくさそうな中年男・福原”に扮した「転々」(0... ...続きを見る

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2016/06/10 08:37
サウスポー
 かつてボクシング映画の傑作「ロッキー」を生んだハリウッドの製作能力が、新たな佳作を生んだ。アントワーン・フークア監督は、ボクサー出身だ。そのフークア監督が見てきた世界に、ヒップホップスター・エミネムの実体験を重ねて作り上げたのが、カート・サッター脚本「サウスポー」だ。  下町の施設で育ったビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、世界チャンピオンの座を守り続けているが、ディフェンスよりも力任せの攻撃型。同じ施設で育ち、ホープが喧嘩で2度も刑務所に入った時も待っていた妻のモーリーン(レイ... ...続きを見る

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2016/06/06 14:12
クリント・イーストウッド〜86才現役
 イマジカBSが、開局20周年記念企画「史上最大のイーストウッド特集」を始めた。6月2日から52週連続52作品放送だ。キネマ旬報の付録「クリント・イーストウッド 出演・監督作品鑑賞ガイド」の轟夕起夫氏の紹介記事によれば、 「その男は、今度の5月31日に86回目の誕生日を迎える。そして9月には、新たなる監督作『ハドソン川の奇跡』が公開されることに。何たる若さ、いや、超人か!歳を重ねてもなお創作意欲を失わず、クリエイティビティを発揮し、自己更新を続けているクリント・イーストウッドは文字通り“映画界... ...続きを見る

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2016/06/05 14:01
世界から猫が消えたなら
 東宝のエースプロデューサー兼ベストセラー作家、川村元気氏の原作を、テレビドラマの巨匠・岡田恵和氏が脚色し、永井聡監督がソフトタッチで演出している。  函館で郵便配達をしている青年(佐藤健)が激しい頭痛に襲われ受診すると、脳腫瘍と診断され、手術は難しいと言われる。余命はわずかだ。愛猫「キャベツ」と暮らすアパートの部屋に帰ると、自分とそっくりの男がいる。「悪魔」(佐藤の二役)と呼ばれた男は、青年に「一日だけ命を延ばしてやる代わりに、一つだけこの世から消すことにしよう」と持ちかける。ただし、消す... ...続きを見る

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2016/06/02 19:16
海よりもまだ深く
 映画は作り物だ。映像の隅々にまで、監督の意図と美意識が潜んでいる。是枝裕和監督の新作「海よりもまだ深く」の終盤、主人公の小説家(阿部寛)が、母親(樹木希林)が一人で暮らす都内の団地で台風の夜を過ごす場面がある。年金暮らしの母親の部屋から、なんとか金目のものを探そうとするうち、母親が起きてきて二人でラジオを聞く。流れてくるのは、テレサ・テンの「別れの予感」。作詞・荒木とよひさ、作曲・三木たかしの名曲の中に、「海よりもまだ深く 空よりもまだ青く」という一節がある。この映画作品のタイトルだ。この... ...続きを見る

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2016/05/26 05:25
殿、利息でござる!
 人気歴史家の磯田道史氏が、仙台藩の寺に残された古文書から蘇らせた江戸時代の実話を、人情味豊かなコメディー時代劇に仕立て上げている。  濱田岳による冒頭のナレーションによって、貧しい宿場町・吉岡宿の実情が手際よく説明され、穀田屋十三郎(阿部サダヲ)と菅原屋篤兵治(瑛太)が、吉岡宿を貧困から救うために智恵を絞る顛末が描かれる。  仙台藩に千両を貸して利子を取り、それで吉岡宿の背負う負担を賄おうとするのだが、儲けにもならない大金を払う商人たちを、一人また一人と集めていく面白さがある。それを仙... ...続きを見る

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2016/05/17 15:38
ちはやふる・下の句
 作品の後半、クライマックス近くでヒロイン・千早(広瀬すず)のナレーションが繰り返される。「つながれ。もっと、つながれ!」―このナレーションこそが、前編・後編を貫くテーマなのだと、脚本も兼ねた小泉徳宏監督は言っているように聞こえる。仲間と繋がることが人間には必要なのだと原作者の末次由紀も言いたいのだろう。  高校に入ったばかりのヒロインが、たった一人で競技カルタ部を作り、試合に出られるだけのメンバーを集めるプロセスと、千早をめぐる太一(野村周平)と新(真剣佑)との三角関係が揺れ動きながら東... ...続きを見る

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2016/05/13 15:12
ロクヨン 前篇
 近年、映画興行の形式として前後編の二部形式で劇場公開される作品が増えた。だが、前編を観終った直後に、後編をぜひ観たいと思わせる作品は少ない。「ロクヨン」前編は、観客に後編への期待を大きく残して劇的に終わる。  上毛新聞社会部記者として活躍した後、松本清張賞受賞作家として優れた作品を書き続けてきた横山秀夫の原作「64」は、すでにピエール瀧主演でNHKドラマとして放映されて強い印象を残した。  この原作には2件の誘拐事件が扱われている。年号が平成に変わる直前の昭和64年と、14年後の平成14... ...続きを見る

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2016/05/09 19:36
レヴェナント
 主演のレオナルド・ディカプリオが壮絶な熱演を見せている。耐えに耐え、忍びに忍んだ主人公が復讐の鬼と化して目的を果たすという物語は古典文学にもある。ハリウッド映画では、チャールトン・ヘストンがユダヤの王子を演じた「ベンハー」が有名だ。ローマ帝国の横暴で奴隷船の漕ぎ手にまで身を落した王子が、過酷な運命に耐えて生地に舞い戻り、復讐を果たす。「ベンハー」はキリスト生誕から磔刑までを脇筋として描きながら、主人公の過酷な運命の中に神を見出しているが、「レヴェナント」でも神の光と裁きの下で生きる卑小な人... ...続きを見る

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2016/04/28 05:30
スポットライト
2001年1月、米国の地方新聞「ボストン・グローブ」が掲載した記事は大きな反響を呼んだ。同紙の特集記事欄「スポット・ライト」に、長年隠蔽されてきたボストン市内の教会での児童に対する性的虐待が暴露されたのだった。カトリック教会の神父たちが、貧しい家の子供たちにフェラチオや性交を強要していたのだった。カトリック教会はそれを知りながら、莫大な慰藉料で被害者の家族と和解して事件をもみ消し続けてきた。だが、被害にあったたくさんの子供たちは、深い心の傷を負って成人となり、麻薬や酒で若死にすることが多... ...続きを見る

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2016/04/19 15:07
モヒカン故郷に帰る
東京で売れないロックバンドをやっているモヒカン男が、妊娠した恋人を連れて故郷の瀬戸内の小島に戻る。矢沢永吉を尊敬し続けている酒屋の父親と6年ぶりに会うが、父親は癌を隠していた。モヒカン男が、父親の介護の果てに見たものは…。  沖田修一監督のオリジナル脚本だ。沖田監督自身の身辺に、モヒカン男に似た境遇の男がいるのかもしれない。もちろん、監督自身のことかもしれない。キャスティングは素晴らしい。どこか茫洋とした役柄が得意の松田龍平を主役に、その父親を柄本明、母親をもたいまさこ、恋人を前田敦子が演... ...続きを見る

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2016/04/15 16:09
見えない目撃者
 これは、2011年に韓国で公開されたアン・サンフン監督作品「ブラインド」の中国版リメイク作品だ。オリジナルとは若干変わっているというが、オリジナルを知らない私には十分に楽しめた。  脚本は細部まで練られている。最愛の弟を自ら起こした交通事故で失ったヒロイン(ヤン・ミー)の心の傷が、猟奇的犯罪を起こす犯人の心情と重なるように計算されているし、ミュージシャンになりかけていた弟の残した曲もうまく活用されている。途中で犯人探しの協力者となる青年(ルハン)のキャラクターや中年刑事(ワン・ジンチュン)... ...続きを見る

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2016/04/11 15:26
第6回 ビデオ屋さん大賞
 日本全国のビデオレンタル店と販売店で働くビデオ屋さんが、2015年にリリースされた映画・アニメ・TVドラマなどの中から「面白かった!」「おススメ!」作品を選ぶ“ビデオ屋さん大賞”が発表された。昨年11月下旬から年末まで、484名が投票した結果だ。  ちなみに、前回の第5回 ベストテンは、 1、「ゼロ・グラビティ」 2、「LIFE/ライフ」 3、「アナと雪の女王」 4、「永遠の0」 5、「ブレイキング・バッド」 6、「そして父になる」 7、「鑑定士と顔のない依頼人」 8、「チョ... ...続きを見る

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2016/04/07 14:03
「ちはやふる」上の句
大きな話題となった佳作「海街diary」で、末っ子を演じた広瀬すず。百戦練磨のお姉さんがたにくっついて演技をしていた生まれたての広瀬すずだったが、この作品では堂々たる主演女優になっている。クローズアップでは、大きくて涼やかな目が美しい。  末次由紀原作の人気コミックを、小泉徳宏監督が脚本も担当して色鮮やかで軽やかな青春ラブコメディーに仕立て上げている。  個人的に嬉しかったのは、「舞妓はレディー」で、東北訛りの新人舞妓という難しい役柄を明るくこなした上白石萌音が、名脇役ぶりを発揮している... ...続きを見る

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2016/03/31 05:22
エディ・レッドメイン〜オスカー男優はウイリアム王子の同級生
 昨年、映画「博士と彼女のセオリー」で、ALS患者の宇宙物理学者・ホーキング博士を熱演したエディ・レッドメイン。今年は「リリーのすべて」で、トランスジェンダーで苦しんだ実在の人物を演じて絶賛を浴びた。今年34歳になるエディ・レッドメインが、雑誌「AERA」で、鈴木あかね氏のインタビューに答えている。  ―難役にあえて挑戦しているのか? 「そんなんじゃない。偶然こういう流れになっただけだよ。(略)ダニエル・デイ=ルイスみたいに、演技イコール挑戦と捉えているわけでもない。ジャンルは無関係にどんな... ...続きを見る

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2016/03/26 13:18
リリーのすべて
 トム・フーパー監督の最新作は、昭和初期の欧州を舞台にして描かれている。原題の「デンマークの女」でもわかるように、デンマークで風景画を描いていたアイナー・ヴェイナーとその妻で肖像画家のゲルダが主人公だ。原作は、アイナーが生前に書き残した手帳を元にして昭和8年(1933)に出版された本から書かれている。  昭和2年(1926)頃、デンマークで活躍していた風景画家、アイナー(エディ・レッドメイン)は、男性の肉体を持つ女性だったが、それを隠して妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と暮らしていた。ア... ...続きを見る

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2016/03/22 15:11
ゴジラ音楽祭 in 京都
 今年7月29日から東宝映画版「シン・ゴジラ」が公開される。脚本・総監督は庵野秀明。樋口真嗣監督が特撮も担当する。それに合わせて、一昨年と去年、“ゴジラ生誕60年”“伊福部昭生誕100年”を記念した「ゴジラ音楽祭」が催された。映画「ゴジラ」(54)の全篇上映に合わせて音楽のみを生のオーケストラで演奏する。  今年は、“伊福部昭 没後10年に寄せて”として、5月2日に京都・ロームシアターで開かれる。指揮は、伊福部昭の愛弟子の和田薫さん。管弦楽は日本センチュリー交響楽団、合唱は大阪センチュリー合唱... ...続きを見る

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2016/03/20 05:01
エヴェレスト
 実際の山岳地帯にロケをした成果は十分に出ている。CGとの融合も違和感がなく、うまく繋いでいる。撮影スタッフには、ご苦労様と言いたいほどだ。平山秀幸監督の演出、加藤正人氏の脚本も、前半はとてもよく出来ている。天才登山家と呼ばれた男が、なぜ、カトマンズの村に隠れるように暮らしているのか。果たして、冷酷な天才登山家は、本当に若いザイルパートナーを殺したのか。次第に深まっていく謎を、カメラマンの視点で、テンポよく的確に描いている。   野心満々のカメラマン、深町(岡田准一)は、借金をしてまでエヴェレ... ...続きを見る

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2016/03/19 03:57
家族はつらいよ
 終戦直後、家族と共に満州から引き上げてきた山田洋次さんは、東大に入ったが、学業は振るわず、就職で苦労した。マスコミ志望だったが、大手新聞社や出版社は落ちて、日活と松竹の補欠に引っかかった。迷った挙句、松竹監督部に入ったが、同期には優秀な大島渚や篠田正浩たちがいて、寡黙で動きの鈍い助監督の山田さんは重宝されなかった。  山田さんが最初に認められたのは、助監督たちが発効していた脚本の同人誌だった。ロシアの短編小説を脚色した山田さんの脚本を読んだ野村芳太郎監督が声をかけた。山田さんは野村監督の元で... ...続きを見る

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2016/03/14 14:36
マネー・ショート
 この作品を観る前に、知っておいた方がいいのは、CDS、クレジット・デフォルト・スワップだ。大暴落すると予測される債権などに対して、予めこの金融商品を買っておくと、実際に大暴落した時にがっぽりと儲かるという仕組みだが、これを持ち続けるためには、高額の保証金を払い続けなければならない。  医者から投資家になった主人公のマイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)は、ウォール街がサブプライムローンで沸騰していた頃、真っ先にその欺瞞に気づく。まっとうな審査もないままに、誰でも豪華な住宅が手に入る仕組みの... ...続きを見る

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2016/03/12 05:31
稼いだ映画たち、稼げなかった映画たち
 キネマ旬報(2016/3月下旬号)は、「2015年映画業界総決算」特集だ。去年の映画ベストテンや各賞は出揃ったが、映画の評価と稼いだお金は無関係らしい。  昨年稼いだ日本映画たちは、 1位 映画・妖怪ウオッチ 誕生の秘密だニャン!  78億円 2位 バケモノの子                58億5000万円 3位 HERO                  46億7000万円 4位 名探偵コナン 業火の向日葵         44億8000万円 5位 映画ドラエもん のび太の宇... ...続きを見る

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2016/03/11 05:32
信長協奏曲
テレビの世界から消えてしまった大衆娯楽・時代劇。BSを覗くと盛んに再放送されているものの、王座から去って久しい。だが、逆手をとって大成功したのが、「るろうに剣心」3部作だった。コミック原作を、売れっ子若手俳優を起用して大型予算で大活劇時代劇に仕立てたところがミソだった。激変する時代を背景に、現代コミック作家が自由奔放な発想で新たな物語を編み、それに斬新な演出を施してみせたのだった。  かつて、“トレンディードラマ”で他局を圧倒してみせたフジテレビの視聴率は、今、低迷している。生きるか、死ぬか... ...続きを見る

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2016/03/05 11:17
ブラックスキャンダル
 ファーストカットに驚かされる。ボストンの犯罪王、ジェームズ・バルジャー(ジョニー・デップ)の用心棒として数々の殺戮を見てきた男を演じるジェシー・プレモンスのクローズアップ。細い目に鋭利な殺意さえ感じさせるその面構えに圧倒される。  この作品は、実在の犯罪者をめぐる物語だ。1970年代、ボストンで生まれた3人の貧しい男たちが互いに結託し、ボストンの大立者に成り上がっていく。バルジャーは、地元のヤクザとして、弟のビリー(ベネディクト・カンパーパッチ)は政治家としてボストンの頂点を目指す。もう一人... ...続きを見る

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2016/03/04 05:27
角川映画の40年
 角川書店(現・KADOKAWA)の2代目社長、角川春樹氏が、角川春樹事務所を設立したのは、40年前の1976年1月だった。若き2代目社長の角川氏は、映画製作に乗り出すと発表し、大きな話題となった。  当時、東宝本社に「映画調整部」ができていた。映画全盛時代には、東宝、松竹、東映、日活、大映の5社が製作・配給を自社運営し、スタッフ、俳優、監督、脚本家とすべてを自前で揃えていた。だが、テレビが大衆娯楽の王者となってからは、映画は急速に衰退していった。日活、大映が脱落していく中、東宝の本部長だった... ...続きを見る

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2016/02/28 07:04
国家が産み出す若手映画監督たち〜「ndjc」の成果
「ndjc」、若手映画作家育成プログラム(new directions in japanese cinema)は、日本が国家事業として新人映画監督を発掘するプロジェクトだ。文化庁から委託を受けた「映像産業振興機構」が運営している。  初夏に数十名からの応募を受けつけ、その中から選ばれた15名が盛夏にワークショップを受ける。その中から選抜された4名が、晩夏から年末にかけて短編映画を撮る。来年の2月から3月にかけて作品が発表されることになっている。  2010年度のプログラムに参加した松永大司... ...続きを見る

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2016/02/27 08:10
残穢
 ジャパン・ホラーの魁となった大ヒット作「リング」で、テレビから這い出してきたサダコに殺される女子高生役を演じていた竹内結子さんと、「寄生獣」でヒロインを演じていた橋本愛さんが共演。  鈴木謙一の脚本は、怪奇作家を演じる竹内結子のナレーションによって始まる。マンションの一室から聞こえる不気味で幽かな音をめぐって、音の正体を調べていく女性作家と女子大生(橋本愛)を探偵役にして、かつて福岡で起きた悲惨な炭坑事故にその源を探るまでを巧みに描いている。  小野不由美の原作を、鈴木脚本は適切に解体して... ...続きを見る

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2016/02/24 05:32
キャロル
 これは愛されなかった夫と愛せなかった妻との悲劇であり、恋に落ちた二人の女性の物語だ。若きアラン・ドロン主演で世界中を虜にした「太陽がいっぱい」の原作者、パトリシア・ハイスミス。ヒッチコックにも交換殺人を描いた「見知らぬ乗客」という優れた原作を提供している。  アイゼンハワー大統領の頃、ニューヨークのレストランから物語は始まる。主演と共に脚本も担当しているケイト・ブランシェットは、富裕な主婦のキャロルと若き恋人のテレーズ(ルーニー・マーラ)が、ニューヨークのレストランで深刻な話し合いをしている... ...続きを見る

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2016/02/20 05:45
スティーブ・ジョブズ
 この作品の終盤、亀裂の入りかけた娘・リサと父親・スティーブ・ジョブズがビルの屋上で激しく口論する。娘はソニーのウォークマンを腰につけている。父は言う。「そのポケットに100曲、1000曲の音楽を入れてやる。そのみっともない箱なんか捨ててしまえ」天才・スティーヴ・ジョブズが、ソニーの画期的商品を世界から駆逐した瞬間だ。彼の言うとおり、あっという間に世界中の人々はネットから好きな曲や映画をダウンロードして楽しむ時代になり、時代に乗り遅れたソニーの売上は急落していく。目まぐるしく変化する電脳世界。勝... ...続きを見る

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2016/02/17 05:33
断食芸人
 足立正生脚本・監督による映画「断食芸人」が2月27日から公開される。今年77歳になる足立正生監督は、日大芸術学部映画学科在学中に「鎖陰」を自主製作して脚光を浴びた。 「シナリオ」誌(2016年3月号)によれば、大学中退後は、前衛的なピンク映画脚本を量産して、監督になった。1971年にカンヌ映画祭の帰路、故・若松孝二監督とパレスチナへ渡り、パレスチナ解放人民戦線のゲリラ隊に加わった。その経験から「赤軍PFLP・世界戦争宣言」を撮影・製作した。3年後、重信房子率いる日本赤軍に合流し、国際指名手配... ...続きを見る

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2016/02/15 07:07
オデッセイ
 米国の新人作家・アンディ・ウイアの原作を、ドリュー・ゴダートが脚色し、リドリー・スコットが演出している。「ゼロ・グラビティー」は、宇宙船から放り出された女性宇宙飛行士が宇宙を流離った末に自ら生き抜くという画期的な物語だった。映画企画としては、「ゼロ・グラビティー」の路線を狙ったものだ。  かつて、「エイリアン」で世界に名を轟かせた名匠、リドリー・スコットの演出は、70代後半になっても衰えを感じさせない。火星での有人探査中、猛烈な嵐にみまわれた6人の宇宙飛行士たちは緊急避難するが、アンテナと飛... ...続きを見る

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2016/02/10 18:44
キネ旬主演女優賞・主演男優賞、深津絵里と二宮和也
 キネマ旬報2月下旬号は、「2015年第89回キネマ旬報ベストテン&個人賞」特集号になっている。 ...続きを見る

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2016/02/08 05:29
福岡映画鑑賞会・ベスト10
 福岡映画鑑賞会会報「ベスト10特集号」(第77号2015年)を送って頂いた。福岡映画鑑賞会は、北九州出身の迫田和久さん(64)によって1988年10月に設立された。西日本新聞(平成26年2月15日)によれば、事業がうまくいかずに悩んでいた迫田さんが、「好きなことをやってエネルギーにしよう」と創設したという。  毎月一度の例会で、会員が多数決をして封切映画の中から数本の候補作を決める。次の例会では、その候補作を見た会員が感想を語るという集まりだ。同会は「キネマ旬報友の会」も兼ねており、会員の得... ...続きを見る

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2016/02/07 08:32
白鯨との闘い
 米国で国民的文学として読み継がれてきたH・メルヴィル著「白鯨」。隕石落下を描いた映画「ディープ・インパクト」でも、宇宙船の中で印象的に使われていた。1851年に発表された原作の裏には、隠された実話があったというノンフィクション作品が、「白鯨との闘い」(ナサニエル・フィルブリック著)だ。  まだ、石油が発見されず、鯨から採った「鯨油」が灯油として使われていた時代、捕鯨による鯨油獲得競争には莫大な投資がなされていた。船員達は、命の危険を顧みず、大西洋に乗りだし、捕鯨に励んだが、乱獲がたたって鯨が... ...続きを見る

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2016/02/04 05:33
読売文学賞受賞、映画脚本家・荒井晴彦
 第67回読売文学賞、戯曲・シナリオ賞として映画脚本家の荒井晴彦氏が受賞した。対象作品は、高井有一原作「この国の空」(「シナリオ」2015年9月号掲載)だ。  先日発表された毎日映画コンクール脚本賞から、この作品がもれていたことをとても残念に思っていた私には、嬉しい受賞結果となった。  荒井氏は、今年69歳。典型的な団塊の世代にあたる。早稲田大学時代には学生運動の真っ只中にあり、荒井氏は左翼全盛時代の風を身につけたまま映画の世界に入った。恩師の田中陽造氏と共ににっかつロマンポルノで大活躍し、... ...続きを見る

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2016/02/02 14:32
エージェント・ウルトラ
 冒頭、CIA本部で傷だらけの長髪男(ジェシー・アイゼンバーグ)がある事件の尋問を受けている。男はスプーンとフライパンで殺人を犯したのだ。何があったのか。事件の発端に戻ると、そこは辺鄙な田舎町。客の来ないコンビニでバイトするマイク。マイクは、同棲中の美しい恋人、フィービー(クリステン・スチュワート)と同棲中。麻薬をやって、バイト先で漫画を描き、自堕落に生きるマイクは、フィービーにプロポーズしようと、ハワイ旅行を計画する。だが、なぜか飛行機恐怖症でパニックになる。やむなく引き返す二人だが、町を出た... ...続きを見る

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2016/01/27 05:39
女優 原節子
 キネマ旬報2月下旬号は、「昭和のヒロイン」女優・原節子を特集している。共演経験のある女優として司葉子、鰐淵晴子、有馬稲子、星由里子がインタビューに応じている。甥で映画監督の木下亮は、叔母を語り、俳優の堀内正美は、父親で東宝の映画監督だった堀内甲と原節子との想い出を語っている。 ...続きを見る

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2016/01/26 14:05
ピンクとグレー
歌手、俳優として活躍するNEWSの加藤シゲアキが4年前に出版した原作を、行定勲が脚本を書いて演出している。  冒頭は、すでにスターとなった男(中島裕翔)の縊死死体に男の親友(菅田将暉)が衝撃を受ける場面から始まる。この物語は、子供の頃から仲良しだった二人の男と一人の女の青春ドラマであり、運と才能によって芸能人として成功した男としなかった親友の物語でもある。男の残した6通の遺書がミステリアスに見えるが、ストーリーとはあまり関係がない。  47才になるベテラン監督の行定氏は、「アエラ」(1/2... ...続きを見る

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2016/01/23 07:21
ブリッジ・オブ・スパイ
 この作品の中には恐ろしい場面がある。冷戦時代、米国の小学生たちは学校で原爆や水爆の実験映像を見せられ、それがどれほど威力のある破壊兵器なのかを学んでいた。少女は衝撃のあまり涙ぐんでしまう。だが、彼らはさらにソ連によって核兵器が米国に落とされるかもしれないというナレーションに怯えるのだ。各家庭にはシェルター建設が促され、核兵器が使用された場合には、風呂場や地下室に閉じこもるようにと指導される。  この作品は、米国が核兵器に怯えていた時代の実話を元に作られている。ニューヨークで保険関係の仕事をし... ...続きを見る

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2016/01/19 05:25
わたしはマララ
 作品の中で、パキスタンの教育者であるユルフザイ・マララさんの父親が「娘さんを撃ったのは誰か」と問いかけられる。父親は、「人ではありません。イデオロギーです」と答えている。この一言が、現在、世界を覆っている悲劇と混沌の根本を表現している。  イデオロギーによる悲劇は、日本でも起きた。過激派思想を持つ軍人たちが起こした「2・26事件」。終戦間際の「本土決戦」「一億玉砕」というスローガンも、現実を無視した強硬派軍人たちが叫び続けたイデオロギッシュな妄言だった。戦後の日本は左翼にゆれた。三菱重工本社... ...続きを見る

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2016/01/14 08:28
クリード
 今から37年前、まだ無名だったシルベスター・スタローンを「イタリアの種馬」という名前と共に世界的大スターに押し上げた名画「ロッキー」。恋人のエイドリアン、コーチのミッキーなど、周辺人物にも好感を持てた。大ヒットを受けて、続編が作られ続けたが、その中でも観客の胸に強く印象付けられたのは、ロッキーと戦う世界チャンピオン、アポロ・クリードだった。  やがて、ロッキーシリーズは、スタローンの歳と共に姿を消していくが、スタローン自身も、映画会社も、後継作品を模索し続けてきたに違いない。いくつもの企画が... ...続きを見る

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2016/01/09 13:22
市川崑と山口百恵
 1月16日から2月11日まで、「角川シネマ新宿」で“生誕100年記念映画祭”と銘打って、市川崑監督作品が一挙上映される。サブタイトルに“光と影の仕草”とあるように、市川芸術の核心は、抜群の映像感覚にある。  昨年、生誕100年を迎えた市川監督を記念して、その主要な作品は、ベルリン国際映画祭、香港映画祭など海外の映画祭で特集上映された。東京国際映画祭では、「炎上」の4Kデジタル復元版上映が行なわれ、大きな反響があった。  今回、デジタル復元版を含めて、大映時代の作品を主に27本が上映されるこ... ...続きを見る

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2016/01/06 07:04
完全なるチェックメイト
 米国とソ連が過酷な冷戦状態にあった1972年、アイスランドのレイキャビックで行なわれたチェス世界王者決戦。ソ連の世界王者、ボリス・スパスキーと米国の天才、ボビー・フィッシャーが25戦を戦ったが、その行き詰まるチェスは、そのまま米国とソ連の闘いでもあった。  エドワード・ズウィック監督の新作は、チェスの天才、ボビー・フィシャーの生涯を、事実を基にして描いている。主演のトビー・マグワイアは、製作にも携わり、脚本作りから参加している。  共産主義者の母親と姉を持つボビー・フィッシャーは、幼くして... ...続きを見る

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2015/12/31 05:33
脚本家・一色伸幸
 月刊誌「シナリオ」2月号で、“一色伸幸シナリオ集”を特集している。  脚本家・一色伸幸といえば、原田知世主演のホイチョイプロダクション製作映画「私をスキーに連れてって」だろう。ユーミンの音楽と共に、当時、大ヒットした。スキーブームにさえなった。映画を越えた作品だった。  現在、55才の一色氏は、フリーの助監督から映画脚本家になられた。それまでの日本映画の持つ、暗さや貧しさを颯爽と蹴散らして、笑いと恋の明るいコメディーを創作した画期的な脚本家だ。  一色脚本には、いくつもの長所がある。ゆる... ...続きを見る

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2015/12/30 05:09
2015年 映画賞さまざま 
 年末になって、各映画賞が発表されてきた。 ...続きを見る

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2015/12/29 09:01
杉原千畝
 冒頭のタイトルに、“ペルソナ ノン グラーダ”と浮き出る。これは、外交用語で、危険人物を指す。ある国がある外国人をペルソナ・ノン・グラーダと指定すれば、その人物はその国に出入りすることはできなくなる。戦前、リトアニア日本領事だった杉原千畝は、リトアニア赴任前に勤務していた満州で、ソ連に対して危険行為を働いたと指名された。早稲田大学を中退し、ハルピン学院でロシア語を学んだ杉原千畝の念願は、共産主義国ソ連の本当の姿を自らの目で確かめることだったが、それはできなくなってしまう。  実在の人物、それ... ...続きを見る

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2015/12/25 15:05
スター・ウォーズ、フォースの覚醒
 今から38年前の1977年、ハリウッドで2本の映画が公開された。スティーヴン・スピルバーグ監督「未知との遭遇」とジョージ・ルーカス監督「スター・ウォーズ」だ。当時、テレビに押されて後退の一途をたどっていたハリウッドは、彼らの出現と新たな映像演出の改革によって蘇ることができた。  その後、監督として次々と名作、話題作を作り続けたスピルバーグとは対照的に、ジョージ・ルーカスは、ルーカス・フィルムを設立して製作に回り、現場での演出からは距離を置いていた。最初の「スター・ウォーズ」の監督で疲れ果て、... ...続きを見る

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2015/12/22 05:33
第39回日本アカデミー賞
来年3月4日、日本テレビで放映される日本アカデミー賞の郵送による投票が始まった。 日本アカデミー賞協会会員は、まず、日本アカデミー賞協会作成の「2015年封切り映画一覧表」をめくり、各部門賞候補を選ぶことから始める。 昨年12月16日から今年12月15日までに公開された作品が対象になる。 今年は、日本映画168本、外国映画250本が封切られた。 外国映画からは、「外国作品賞」として候補作品3本を選ぶ。 日本映画から選ぶのは、以下の候補作品と候補者だ。 1、 作品賞候補3本 2、 ア... ...続きを見る

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2015/12/21 07:10
ツイートで映画館は満席!
 コラムニスト・中森明夫氏が、毎日新聞(12/15・ニッポンへの発言)で、ツイートと映画興行の話を書いている。  中森明夫氏は、「いまだパソコンすら持たず、手書き原稿のローテクな私」だが、編集者に奨められて5年前からツイッターを始めたという。自著の宣伝目的だったが、それをホリエモン(堀江貴文氏)が「中森明夫のツイートが面白い」と広めて、3万人以上のフォロワーに恵まれるようになった。  中森明夫氏は、やがて映画興行に自らのツイートが大きな影響を及ぼす経験をしたという。3年前、有楽町スバル座で公... ...続きを見る

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2015/12/18 05:28
母と暮らせば
 松竹の重役でもある山田洋次監督作品には、ほとんど駄作がない。48作続いた「フーテンの寅」シリーズも、それぞれに良さがあり、今でも愛され続けている。前作「小さなおうち」では、山田監督は戦時中の一家を通して、戦争の推移と人々の暮らしの変わりようを描いた。ある家のお手伝いだった女性の葬儀で始まる物語でありながら、随所にユーモアがあり、現在と過去とを交互に描くことによって、悲劇に傾きすぎるのを救うことができていた。  今回の作品は、山田監督作品中、最も悲劇的な作品になっている。ヒロインの母親、伸子(... ...続きを見る

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2015/12/17 08:19
007 スペクター
 007シリーズの見所は、日本映画界には到底真似のできない、たっぷりとお金をかけた大規模な撮影だ。最新作「スペクター」の冒頭を見れば、モブシーンのスケールに圧倒される。月並みのハリウッド映画なら、あのシーンは間違いなくCGだ。だが、約300億円と2年の歳月をかけて完成させたといわれるこの作品では、無数のエキストラを集めた壮大な場面が撮られている。しかも、あの冒頭部分は、ワンカットだ。メキシコシティでの「死者の日」祭りの群集の彼方から、ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)が狙い続けた男が仮面を... ...続きを見る

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2015/12/08 17:50
脚本家・大原清秀
 東映で活躍した脚本家の大原清秀氏が、8月4日に72歳で亡くなられた。映画11本、テレビドラマ40本を残した寡作の作家だった。月刊誌「シナリオ」には、東映に同期入社した脚本家・長田紀夫氏の追悼文が掲載されている。 「では彼が寡作の作家だったのかと言えば、決してそうではない。彼は既に十代の頃から、質量共に旺盛な筆力で瞠目されていた」  大原氏は、1961年、早稲田大学・演劇科に入った。飯島正教授の元で映画ゼミを立ち上げ、「視覚」という名前の同人誌を発行した。在学中に新宿の紀伊国屋ホールで「市民... ...続きを見る

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2015/12/06 10:10
黄金のアデーレ 名画の帰還
最後のクレジットで明らかにされるように、これは事実に基づいて作られた作品だ。1990年代後半、アメリカ在住の82歳の女性、マリア・アルトマンが、戦時中にナチスによって奪われた名画を取り戻そうとした。 マリアは、オーストリアの名家の出身だが、ユダヤ人だったためナチスに迫害を受けて渡米したのだ。世界的名画の、クリムトが描いた「黄金のアデーレ」は、マリアの美しい叔母・アデーレがモデルになっている。マリアは、オーストリアの美術館に飾られている叔母の絵を取り戻そうとする。 オーストリアを相手取って戦... ...続きを見る

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2015/12/02 20:26
ターミナル・終起点駅
 北海道を舞台にした大人の恋愛小説を手がけてきた桜木紫乃の原作を、ベテランの長谷川康夫が脚色し、篠原哲雄が監督している。  なによりも、この作品は佐藤浩市の作品だ。佐藤浩市は、ほぼ全場面に出ていて、作品は、主人公の弁護士・鷲田完治の視線で統一されている。鷲田の抱えた深い鬱屈は、27年前に起きた最愛の女性の自殺によってもたらされたと設定されている。 ...続きを見る

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2015/11/28 04:43
ミケランジェロ・プロジェクト
ロバート・M・エドゼルの原作を、主演のジョージ・クルーニーが、監督・製作・脚本を務めている。俳優が監督を務めた作品は過去にも多い。撮影現場を知り尽くした俳優にとって、演出は身近な作業だろう。だが、その作品がうまくいくかどうかは俳優の持つ演出の才能で決まる。残念ながら、ジョージ・クルーニーにはその才能が欠けている。今やハリウッドの巨匠となったクリント・イーストウッドの作品はどれも素晴らしく、A級作品ばかりだ。それに比べて、今回のジョージ・クルーニー監督の作品は、欠点が多い。脚本を自ら書いたことが最... ...続きを見る

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2015/11/27 08:18
市川準と女優たち
 11月21日から12月11日、東京・目黒シネマでは、「市川準監督特集2015 市川準と女優たち」と題した上映会が開かれている。これは、市川監督の生誕日である11月25日を中心にしたもので、「青春」「東京」「文学」と三つのジャンルに分けて、それぞれ、2本ずつ、合わせて6本の映画が上映される。今年は去年に続いて2回目の催しとなる。  59才で急逝した市川監督は、CMディレクターとして成功し、映画でも多くの受賞歴がある。台詞は少なく、映像に語らせた。商業的、娯楽的な演出から脱却して、静謐な映像を目... ...続きを見る

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2015/11/24 05:31
世紀の空売り(The Big Shot)
 10月8日、配給会社の東宝東和が米国パラマウント・ピクチャーズと国内の劇場配給契約を結んだ。その最初の配給作品が「世紀の空売り(The Big Shot)」に決まった。原作は、「世紀の空売り」【マイケル・ルイス著、東江一紀訳(文春文庫)】。  来春、公開されるこの作品は、クリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットが共演する話題作だ。米国では、12月11日から限定公開され、23日から拡大公開される。 ...続きを見る

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2015/11/23 08:38
お蔵出し映画祭2015
11月6日から8日にかけて、広島県尾道市と福山市の映画館で上映された「お蔵出し映画祭2015」。  今年で5回目となる、まことにユニークな映画祭だが、「コンペティションに参加する劇場未公開作品5本」と「貴重な旧作を発掘する特別招待作品4本」の上映が行われた。 前者の作品群には、青山真治監督「こおろぎ」(06年)、佐々部清監督「ゾウを撫でる」(13年)、榊英雄監督「トマトのしずく」(12年)、鈴木公成監督「ニート選挙」(15年)、金子雅和監督「復元師・諸川」(13年)が並んだ。 後者には、... ...続きを見る

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2015/11/21 05:21
映画賞レース
冬が近づくと、恒例の映画賞レースが始まる。 11月27日に東京・新橋のヤクルトホールで授賞式が開かれるのは、「第39回山路ふみ子映画賞」だ。 今年の受賞作品は、是枝裕和監督作品「海街daiary」。女優賞は、樹木希林。新人女優賞には、広瀬すず。二人とも、「海街daiary」での演技が評価されている。 「海街daiary」には、他にも興味深い点がある。主演の綾瀬はるか、共演の長澤まさみが、とてもいい演技をしているからだ。 鎌倉を舞台に描かれる女ばかりの家族の物語だが、綾瀬はるかは、長女らし... ...続きを見る

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2015/11/20 05:31
51才のボンド・ガール
毎日新聞・長野宏美記者によるロサンゼルスからの記事では、12月に封切られる「007・スペクター」でジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ、47才)の相手が4才年上のモニカ・ベルッチになった背景を述べている。 ハリウッドは、以前から女優には若さを求めてきた。2014年に封切られた人気映画100本の中で、45才以上の女優が主演または共同主演した作品は「0」。 今までに007シリーズでボンド・ガールに抜擢された女優さんを出演当時の年齢順に上げると、 ...続きを見る

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2015/11/13 05:08
MOZU
テレビ版に引き続いて、仁志光佑脚本を羽住英一郎監督が演出している。とても印象的な音楽は、菅野佑悟。テレビ版「MOZU」の荒涼とした都会の破壊場面は北九州市で撮影された。監督の美学を貫徹するため、照明・撮影とも力を尽くして、全てのカットが陰影深く撮影されている。 ダルマと呼ばれる都市伝説の正体は何か。テレビ版では曖昧にされていたテーマが、映画版では明確に示される。年若い殺人鬼(池松壮亮)が死んだとされ、その模倣犯(松坂桃李)たち謎の集団が冷酷に殺人を繰り返す。警視庁を辞めて私立探偵になった刑事(... ...続きを見る

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2015/11/11 15:04
バクマン。
「デス・ノート」コンビの大場つぐみ・小畑健による大ヒットコミック「バクマン。」。大根仁脚本・監督による映画化は大成功だ。主人公の高校生漫画家に「るろうに剣心」3部作を大ヒットさせた佐藤健。相棒の原作者に、わずか12才で「妖怪大戦争」の主演を果たした神木隆之介。さらに素晴らしいのは脇役のキャスティング。週刊ジャンプ編集者を巧みに演じた山田孝之、漫画業界のベテラン編集長のリリー・フランキー、主人公たちのライバル・天才高校生漫画家には大ヒット作「寄生獣」の染谷将太。中でも特筆すべきは、漫画家の伯父を演... ...続きを見る

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2015/10/30 14:41
マイ・インターン
名優ロバート・デ・ニーロと人気絶頂のアン・ハサウエイがブルックリンのIT企業で織り成すコメディーだ。監督ナンシー・マイヤーズの演出は手堅く、脚本も巧みだ。電話帳製作会社で40年勤め上げ、部長職で定年を迎えたベンのナレーションから始まるが、これはファッション系IT企業のシニア・インターン採用面接に使う自画撮り場面。それをうまく使っている。カメラに向かって70才になったベン(ロバート・デ・ニーロ)が背広姿の現役時代に戻って自己紹介しているのだ。経験豊かな人材を発掘し、若い企業の中で人生のOBたちの知... ...続きを見る

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2015/10/27 05:25
ジョン・ウイック
銃による痛ましい事故が絶えない米国。大小様々な銃器が氾濫する米国らしい、大量殺人活劇だ。とはいえ、日本でも時代劇は大量殺人が好んで描かれてきた。屈強のヒーローが、悪役たちをバタバタと倒す場面に大衆は喝采を送り、溜飲を下げてきたのだ。今回はキアヌ・リーブスが、あまりにも強すぎるクールな暗殺者ジョン・ウイックを演じている。米国アメコミの世界らしく、犯罪組織の強大なボスと、一匹狼のジョン・ウイックが対決する。復讐劇が始まるや、鮮烈な銃撃戦と格闘技が展開する。日本の“殺陣師”に当たるチャド・スタエル... ...続きを見る

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2015/10/25 11:04
さらばにしてほしい「さらばあぶない刑事」
来年1月30日公開予定の東映「さらばあぶない刑事」のポスターが劇場に貼られている。2月の製作発表時に話題になったのが、主演二人の年齢だったが、ポスターの名前の中にはまだまだ隠れた高齢者が含まれている。例えば66歳と78歳のコンビだ。 脚本の柏原寛司さんは、66歳。テレビドラマ「太陽にほえろ」を皮切りに数々の刑事ドラマを書いてこられた超ベテラン脚本家。東宝でも「ゴジラ」シリーズを1本手がけ、映画監督でもある。 後期高齢者にあたるのが、村川透監督、78歳。ハリウッドにも後期高齢で大活躍しておられ... ...続きを見る

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2015/10/24 05:42
アメリカンドリーマー
原題は「A most violent year」。原題には「一年」が使われているが、作品の設定は1981年の冬。それも一ヶ月の物語だ。移民の主人公(オスカー・アイザック)は、ニューヨークの石油会社を成功させ、さらなる拡大を目論んでいる。ユダヤ資本家から土地を買い取るために手付を打つ。残金支払いの期限は1ヶ月。だが、主人公の会社の輸送車が次々と奪われ、石油が売られてしまう。運転手を守るために、拳銃を使えという声が上がるが、主人公は言う。「武器を使えば、相手はさらに武器を使う。拳銃は使うな」と。だが... ...続きを見る

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2015/10/15 05:29
  「ドローン・オブ・ウオー」
   原題は「good kill」。劇中、遠隔操縦の爆撃機「プレデター」がミサイルを撃ち、目標を見事に破壊すると、操縦者は「グッド・キル!」と言う。太平洋戦争で日本と闘い、多数の兵士を失った米軍は、戦死を減らす研究を続けてきた。今でも原爆が「数十万の若い米兵たちの命を救った」と米国内で言われ続けているのはその一端だが、広島・長崎では一般市民が数万人も死んでしまった。監督・脚本・製作を兼ねたアンドリュー・ニコルは、ラスベガス近くの空軍基地から遠隔操縦でプレデターを操り、遠く離れたアフガニスタンで重... ...続きを見る

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2015/10/06 19:25
 「ポプラの秋」
 原作・湯本香樹実、脚本・監督・大森研一。この物語にはいくつかの秘密が潜んでいる。冒頭、不安定な精神状態の母親(大塚寧々)と娘(本田望結)がローカル線の電車に乗って旅をしている。目的のない旅らしく、途中駅で下車したり、再び乗車したり。そんな母親の不可解な行動を、小学生の娘は不安げに見上げる。母親はどうしてこうなってしまったのか。母娘が突然暮らし始めた「ポプラ荘」にも秘密がある。大家のおばあさん(中村玉緒)は、祖母から聞かされた秘密を守り続けている。あの世に旅立った愛する人への手紙を、おばあさんが... ...続きを見る

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2015/10/02 16:36
 「湯を沸かすほどの熱い愛」
   昨年公開された松竹映画「紙の月」で数多くの女優賞を得た宮沢りえは、春先から舞台稽古に入った。昨年公開された蜷川幸雄演出による舞台「海辺のカフカ」の海外公演のためだった。村上春樹原作、蜷川幸雄演出という話題性で評判を呼んだこの舞台は、終了直後に海外公演が決まった。海外版の脚本はフランク・ギャラディ。5月28日のロンドン公演を皮切りに、7月23日からニューヨーク「リンカーンセンター」での公演が続き、9月17日からは埼玉で凱旋公演が行われた。この公演準備の途中に、高齢の蜷川幸雄が体調を崩して入院... ...続きを見る

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2015/10/01 16:51
「キングスマン」
 コミック原作を、マシュー・ボーン監督が演出したイギリス映画。第一次世界大戦後、莫大な資産を残した貴族たちが集まって国際諜報機関を作ったという設定。ロンドン市内の高級スーツ店「キングスマン」が本部。富豪貴族(マイケル・ケイン)をボスとする組織で働くエージェント(コリン・ファース)たちは、キングスマンと呼ばれ、世界を飛び回ってテロや大規模犯罪を防いでいる。危険な任務で殉職した仲間の息子(タロン・エガートン)が成長し、キングスマンとなる過酷な選抜試験に挑戦する。一方、世界的大富豪(サミュエル・L・ジ... ...続きを見る

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2015/09/28 14:44
「進撃の巨人・後編」
 前編・後編と二部構成で興行的に成功した「るろうに剣心」を真似た二部構成。前編は、壁で閉ざされた人間社会に突然巨人達が入り込み、無残な人食いが始まり、巨人と戦う主人公たちの活躍が描かれた。人間と巨人との闘いや、個性的な登場人物たちの意外性が次々と描かれてスピーディーでダイナミックな展開になっていた。後編は残念ながら頭でっかちの議論が多く、停滞が多い。巨人誕生の謎が解明されることもマイナスになってしまった。クライマックスの巨人対決は、かつて量産されたゴジラシリーズでの退屈なバトルを思い出すほどだ。... ...続きを見る

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2015/09/27 16:08
 「松竹の挑戦」
 今年話題になった「日本でいちばん長い日」リメイク版を製作・配給したのは松竹だ。オリジナル版が東宝の作品だったことを考えると、少し不思議な感じがする。だが、これも前進しようとしている松竹企画部の挑戦だと見ることもできるだろう。  今年、創立120周年を迎える松竹が映画製作に強い姿勢で挑み始めたのは、2年前だった。当時のことを松竹の映像本部長・大角正氏がキネ旬のインタビューに答えている。 「(2年前の就任当時は)山田洋次監督が孤軍奮闘して撮っていて、朝原雄三監督と本木克英監督(いずれも「釣りバ... ...続きを見る

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2015/09/27 11:36

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