テーマ:映画

浅田家!(20年公開・DVD)

中野量太監督は、家族を専門としてきた。大評判を取った「湯を沸かすほどの熱い愛」では風呂屋の家族を描き、「長いお別れ」では、認知症を患った父親と娘たちの物語を描いた。「浅田家!」は、実在の写真家、浅田政志をモデルとした家族の物語だが、この作品は才能とは何かを問いかけてもいる。少年の頃、専業主夫の父親(平田満)から譲り受けたカメラが、政…
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糸(20年公開・DVD)

平成から令和へと元号が変わる時を狙った恋愛大河ドラマだ。平成元年生まれの主人公たちが、平成13年から平成31年までの18年間を生きていく物語。平野隆原案、林民夫の脚本の中に織り込まれているのは、平成21年のリーマンショックと平成26年の東日本大震災だが、主人公の2人との関わりは深くない。北海道の美瑛で知り合った中学1年の高橋漣(菅田…
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ストックホルム・ケース(20年公開・DVD)

犯罪に巻き込まれた人質と犯人との間に恋愛感情が生まれ、人質が犯人に感情移入してしまう心理状態は、ストックホルム症候群と言われる。この作品に描かれているのは、その語源となった実際の事件の顛末だ。ダニエル・ラングの記事を元に、ロバート・パドロー監督が脚本も担っている。1973年、ストックホルムの大銀行「クレジット銀行」に、ラース・ニース…
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エンドレスナイト(1971年日本未公開・DVD)

「エンドレスナイト」はアガサ・クリスティシリーズとして発売された作品のひとつで、日本未公開の英国作品だ。アガサ・クリスティの作品群の中で、探偵が出てこない「ノンシリーズ」としては最晩年のひとつでもある。1967年に発表されたこの原作の邦題は「終わりなき夜に生まれつく」というもので、ウイリアム・ブレイクの詩「無垢の予兆」の一節から…
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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(20年公開・DVD)

サンフランシスコへの切実な思いが作品の原点になっている。サンフランシスコに強い思いを抱くことのない日本人の観客には、伝わりにくい部分が多いだろう。主人公のジミー(ジミー・フェイルズ)と友人のモート(ジョナサン・メジャーズ)との会話の中には、日系人の関りが出てくる。戦前から日系人は米国社会に移住して、その一部がサンフランシスコへ移っていた…
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ナイル殺人事件(1978年公開・DVD)

22年2月公開予定の「ナイル殺人事件」では、監督・主演のケネス・ブラナーがエルキュール・ポアロを演じているが、78年版はピーター・ユスティノフが演じ、ジョン・ギラーミンが監督している。ナイル河下りの観光船は今でも人気で、たくさんの日本人が体験してきたが、この作品に出てくる「カルナック号」は外輪船で、船出から終点までの旅で5人が死ぬ。…
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82年生まれ、キム・ジヨン(20年公開、DVD)

1945年、日本は敗戦を迎えて米国の統治下に入り、米国文化が国内に流れ込んで民主化が急進していった。韓国は日本統治下から米国による統治を経て、長く軍事政権が続いた。韓国の民主化が進んでいったのは、87年以降だと思われる。韓国でベストセラーになったチョ・ナムジュ原作の「82年生まれ、キム・ジヨン」は、よく知られているように韓国でもっともあ…
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復活の日(1980年公開・DVD)

2020年から本格化した新型コロナウイルス感染拡大の中、注目された作品のひとつが、深作欣二監督作品「復活の日」だ。角川映画の中でも指折りの大型娯楽作品として知られていたが、注目された原因は、小松左京の原作にある。執筆当時の世界は、冷戦の真っただ中で、原作は冷戦を前提にして書かれている。1982年、東独のライプチヒで極秘に作られていた…
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家族(1970年公開・DVD)

山田洋次監督が「寅さん」シリーズの合間を縫って撮った社会派3部作の代表作だ。2021年の現在から観ると、驚く場面はいくつもある。長崎の伊王島にある木材工場で働く精一(井川比佐志)は、美しい妻(倍賞千恵子)と父親(笠智衆)、幼い息子と娘の5人で暮らしていたが、突然北海道の開拓地へ行きたいと言い出す。島の友人が北海道の中標津で酪農をやっ…
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ミッドウェイ(20年公開・DVD)

1942年6月に起きたミッドウエイ海戦の日本側敗北については、戦後様々に議論されてきた。その中で最も注目されたのが米国海軍による日本海軍暗号の解読だった。1976年製作のジャック・スマイト監督「ミッドウエイ」にも暗号解読が出てくる。日本文はひらがな、カタカナ、洋数字、漢数字、アルファベットなど数種類の文字が複雑に混在している。日本語…
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星の子(20年公開・DVD)

芥川賞受賞前の今村夏子の原作「星の子」は、新興宗教に入信した両親と暮らす次女の視点で描かれている。主人公の林ちひろ(芦田愛菜)が、新興宗教「金星のめぐみ」の信者として生きていく父親(永瀬正敏)と母親(原田知世)を批判的に見ることはない。中学3年生になったちひろが、級友や教師との交わりの中で、両親への批判を始めることもない。作品の中で…
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コンフィデンスマンJP・プリンセス篇(20年公開・DVD)

過去のテレビ脚本家の多くが回想シーンをたっぷりと使った“お涙頂戴”を仕事の中心に置いてきたのとは対照的に、古沢良太は卓抜なアイデア、論理的思考、奇抜なキャラクター、巧みな台詞を武器に良質な娯楽作品を提供してきた稀有な脚本家だ。だが、誰にでも好不調はある。それを如実に示しているのが「コンフィデンスマンJP・プリンセス篇」ではないだ…
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青くて痛くて脆い(20年公開・DVD)

大学1年の講義中に手を挙げ「この世界に暴力はいらないと思います」と発言した秋好寿乃(杉咲花)。議論が苦手で回りの顔色を見て忖度で物事を決めてしまう日本人集団の中、寿乃の言動は際立っていた。「なりたい自分になり、一人一人がより良いことをすれば世界は良くなる」「世界を良くしたい」理想論女子の寿乃に興味を抱いた田端楓(吉沢亮)は、寿乃…
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ウルフズ・コール(20年公開・DVD)

脚本・監督のアントナン・ボードリーは、外交官出身のコミック作家だという。これが長編映画初監督だというから、驚きだ。完成度の高い緻密な娯楽作品になっている。シリア沿岸に潜むフランス潜水艦「チタン号」の工作員回収作戦から始まるが、息をのむ間もないほどの緊迫感で描かれている。プロットにも意外性があり、この恐ろしい核兵器の攻防戦の終わりはま…
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地中海殺人事件(1982年公開、DVD)

ケネス・ブラナー主演、監督で銀幕に蘇った名探偵、エルキュール・ポワロ。そのポワロが活躍するアガサ・クリスティ―原作「地中海殺人事件」。今は、「アガサ・クリスティー・コレクション」として、5枚のDVDボックスになって流通している1枚だ。原題は、「白昼の悪魔」で、映画作品の中でも、ポワロが眩い太陽を見上げる場面が入っている。1941年に…
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ペイン・アンド・グローリー(20年公開・DVD)

「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥー・ハー」で世界的名声を得たスペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督。68歳になった監督が、自叙伝的要素を加えて撮ったのが「ペイン・アンド・グローリー」だ。主人公の著名映画監督サルバドル(アントニオ・バンデラス)は初老となり、原因不明の体の痛みと喘息に苦しんでいる。何錠もの鎮痛剤を砕い…
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窮鼠はチーズの夢を見る(20年公開・DVD)

都心の本社へ通う若い会社員、大伴恭一(大倉忠義)は大学時代、同じサークルの夏生(さとうほなみ)とつきあっていたが、別の女性・知佳子(咲妃みゆ)と結婚して2人で暮らしている。仕事で知り合った女性会社員と不倫関係になっていたが、離婚は考えていない。その恭一の前に現れたのが、大学時代の後輩・今ヶ瀬(成田凌)だった。今ヶ瀬は探偵をしていて、妻か…
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犬鳴村(20年公開・DVD)

戦後、日本の経済成長に伴う電力不足を解消するために、多くの水力発電所が建設され、ダムが作られた。ダム建設のため、山奥の村が丸ごと水底に沈んでいった。そういった戦後日本の歴史を背景に清水崇監督「犬鳴村」の脚本が作られている。さらに、この犬鳴村の村人が山犬を捕獲していたという凶暴な要素も付け加えてある。小児科の医師、森田奏(三吉彩花)は…
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コリーニ事件(20年公開・DVD)

2001年のベルリンで事件は起きた。大企業として知られるMMF社の社長が、自宅で射殺されたのだ。84歳になる社長のハンス・マイヤー(マンフレッド・ザパトカ)は、抵抗もせず犯人の前に膝まずき、額を撃たれた。その後、さらに2発の弾丸が頭に撃ち込まれ、顔面が靴で踏みつけられていた。逃げなかった犯人のファブリツィオ・コリーニ(フランコ・ネロ…
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一度も撃ってません(20年公開・DVD)

この作品の脚本で、丸山昇一は毎日映画コンクールで二度目の脚本賞を受けた。企画・監督の阪本順治の原案を、丸山昇一がまとめたものだろう。75歳になる小説家の市川(石橋蓮司)は、妻の弥生(大楠道代)と都内の一軒家に二人暮らし。立派な家で、整った暮らしをしているが、市川の収入で暮らしてきたわけではなく、教員だった弥生の才覚で暮らしてきたのだ…
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テネット・TENET(20年公開・DVD)

この作品は世界が新型コロナウイルス感染で激変する以前に創られているから、クリストファー・ノーラン監督の予見性をもってしても、世界の脅威は核兵器に置かれている。ソ連崩壊に伴う核兵器の流出は、ハリウッド映画でたくさん描かれてきた。そのたびにCIAが関与し、核戦争を阻止するために有能な諜報員たちが活躍してきた。「テネット」でも主人公は、CIA…
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アルプススタンドのはしの方(20年公開・DVD)

高校3年の夏、甲子園で母校・東入間高校野球部の応援にやってきた全校生の中、アルプススタンドのはしの方に座った4人。演劇部の安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)、元野球部の藤野(平井亜門)、離れたところに立ったままの宮下恵(中村守里)。恵は常に成績トップだったが、初めて2番になったばかり。近くでは吹奏楽部が懸命に演奏してい…
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カセットテープ・ダイアリーズ(20年公開・DVD)

原題は「Blinded by the light」(光で目もくらむ)で、ブルース・スプリングティーンの歌詞から取られている。1987年、英国で暮らすパキスタン移民の息子、ジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は、厳格な父、働き者の母、妹、従姉と暮らす。その町・ルートンを、ジャベドは「最低の町」と呼んできた。移民の父は自動車工場で働いていた…
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思い、思われ、ふり、ふられ(20年公開・DVD)

撮影当時46歳だった三木孝弘監督は、順調な仕事ぶりだ。2010年の「ソラニン」がヒットして以来、「僕等がいた」「陽だまりの彼女」「ホットロード」「アオハライド」「くちびるに歌を」「青空エール」など、若手俳優を配した青春映画を次々と世に送り出してきた。そのキャスティングには苦心の色が濃い。俳優の実年齢が登場人物の年齢よりかなり上回って…
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事故物件(20年公開・DVD)

「事故物件芸人」松原タニシの原作をブラジリー・アン・山田が脚本化した中田秀夫監督作品だ。実際の体験をベースにしているせいか、脚本は1軒目から4軒目の4つのエピソードを串刺しにしている。オムニバスは、映画脚本として成功しないことが多いが、その原因はそれぞれのエピソードが絡み合って太い流れに凝縮していかないからだ。この作品では、最後の4…
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ソワレ(20年公開・DVD)

映画「ソワレ」は、豊原功補、小泉今日子、前田和己らが設立した「新世界合同会社」による最初の作品だ。脚本も担当し、タイトルをソワレ(夜会)にした外山文治監督は、作品のテーマを二つ置いている。実父による性被害と、安珍清姫伝説だ。安珍清姫伝説は、和歌山の道成寺に伝わる平安時代の説話で、清姫の恋と狂気を伝えている。作品の中にも道成寺が出ていて、…
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水曜日が消えた(20年公開・DVD)

少年時代に交通事故で両親を失い、自らも頭部に障害を受けた「僕」の頭の中には、7人の「僕」が生まれた。吉野耕平脚本・監督の「水曜日が消えた」は、多重人格(解離性同一性障害)の青年の物語だ。奇妙な一軒家で暮らす僕(中村倫也)には、火曜日の記憶しかない。頭の中の7人の僕は、それぞれの曜日を生きているからだ。火曜日の僕は、月曜日の僕の暮らし…
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ユージュアルサスペクツ(96年公開・DVD)

公開当時、この作品は大きな話題となって、ブライアン・シンガー監督の代表作になった。手足に障害のある小物の詐欺師、ヴァーバル・キントを演じたケヴィン・スペイシーの名演が忘れられない。ニューヨーク市警のカイヤン捜査官が、警察署の一室でキントを追及し、キントが供述していく。その供述が主な物語として描かれている。冒頭で何者かが元刑事の犯罪者…
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グリンゴ(19年公開・DVD)

メキシコではアメリカ人のことをグリンゴと呼ぶ。ナッシュ・エドガートン監督の「グリンゴ」は、メキシコを舞台にしたブラックコメディーだ。ナイジェリア系のハロルド(デヴィッド・オイエロウォ)の伯父は詐欺師で大金持ちだったが、父親は正直者で貧乏だった。父に似たハロルドは、友人のリチャード(ジョエル・エドガートン)の経営する「プロメチウム…
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盲目のメロディ(19年公開・DVD)

オードリーヘップバーン主演のサスペンス「暗くなるまで待って」は、盲目の女性が犯罪に巻き込まれる物語だったが、インドのシュリラーム・ラガヴァン監督「盲目のメロディ」は、盲目のふりをしたピアニストが犯罪に巻き込まれる。障害者用のアパートで暮らすピアニストのアーカショー(アーユシュマーン・クラーナー)は、白杖を持って出歩き、ピアノを教えて…
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