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zoom RSS 宮沢りえ「彷徨える平成の女神」 石井妙子(文藝春秋2019.5)

<<   作成日時 : 2019/04/13 08:36   >>

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平成回顧特集として、文藝春秋(2019.5)が女優の宮沢りえを特集している。サブタイトルは、「その才能の虜たちが明かした三十年の波瀾万丈」とある。著者の石井妙子氏は、宮沢りえのデビューから最近の活動を簡略に描いている。「改元にあたって、平成を代表する女性スターは誰かと考えたとき、彼女の名前が浮かんだ」という。「かつては人気や話題性が先行するアイドルスターであったが、近年は女優としての評価を高めた。映画では『紙の月』、『湯を沸かすほどの熱い愛』で各映画賞の主演女優賞を受賞。舞台でも、故・蜷川幸雄や野田秀樹ら一線級の演出家にオファーをされ続けてきた。今秋(2019)には蜷川美花の監督作品『人間失格』の公開も控える」とあるが、宮沢りえの芸能界での活動は、3期に分れている。記事のように、初期はアイドルタレントとして大ブームを起こし、写真集「サンタ・フェ」も大きな話題となった。だが、若き貴乃花との破談事件をきっかけにテレビ界からは距離を置き始め、映画女優としての足場を固めていった。この記事の中では、20代には代表作がない、と記されているが、映画女優としての評価を高めたのは山田洋次監督「たそがれ清兵衛」からだ。黒木和男監督「父と暮らせば」、市川準監督「トニー滝谷」といった名作のファンは今でも多く、公開された年には数多くの主演女優賞を受賞している。だが、宮沢りえには映画出演だけでは満足できないものがあったらしい。仕事の合間に演劇を見続け、英国で活動していた野田秀樹の元を尋ねて、自分で売り込んだという。やがて、宮沢りえは野田演劇の中で大活躍を始め、蜷川幸雄からも声がかかるようになっていく。2019年の今、宮沢りえは舞台女優だと言う方が適切だろう。本人の指向は、映画やテレビドラマには向かず、舞台に向いている。それも、先鋭的な舞台を望んでいるようだ。野田秀樹との対談では「もっと大きなことを考えることがあるんです」と言っている。女優としてもっと高いものを求めているのだろう。平成17年には、宮沢りえはキネマ旬報主演女優賞と読売演劇大賞最優秀女優賞を同時受賞している。戦後、二つの賞を同時に受賞できたのは、杉村春子と宮沢りえしかいない。この年には、文部科学大臣賞も受賞している。現在、宮沢りえは映画出演に関して慎重に作品を選んでいるようだ。今をときめく是枝裕和監督「花よりもなほ」や「オリヲン座からの招待状」「ゼラチンシルバーラブ」は、いずれも失敗作になってしまっている。それに懲りたのか、「紙の月」主演までにはかなりの時間が過ぎてしまったが、新鋭監督・中野量太監督のオリジナル脚本作品「湯を沸かすほどの熱い愛」では、死を迎えた末期癌患者を壮絶な姿で演じている。あのワンカットに、女優宮沢りえの役者根性が凝縮していると、私は唸った。

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