82年生まれ、キム・ジヨン(20年公開、DVD)

jimujoyonn.jpg1945年、日本は敗戦を迎えて米国の統治下に入り、米国文化が国内に流れ込んで民主化が急進していった。韓国は日本統治下から米国による統治を経て、長く軍事政権が続いた。韓国の民主化が進んでいったのは、87年以降だと思われる。韓国でベストセラーになったチョ・ナムジュ原作の「82年生まれ、キム・ジヨン」は、よく知られているように韓国でもっともありふれた名前の女性をヒロインにした物語だ。ソウルの会社に勤めていたキム・ジヨン(チョン・ユミ)は、会社員のテヒョン(コン・ユ)と結婚した。子供は望まなかったが、義父母の強い願いを受け入れたテヒョンのために、一人だけ産むことにしたのだ。この作品は、ソウルのマンションで3人暮らしをする専業主婦の物語になっているが、ジヨンの顔色は悪い。熱心に娘の世話と家事をこなすが、心は晴れない。正月にテヒョンの実家に行くと、義父母は歓迎してくれるが、ジヨンに求められるのは、長男の嫁だ。義理の姉一家が来ると、食事の仕度はすべてジヨンに押しつけられる。ジヨンは耐えきれずにエプロンを外して文句を言うが、それが義父母たちを驚かす。苦しむのは、夫も同じだ。まだ、共稼ぎの夫が育児休暇を取ることは稀だ。夫は会社で仕事に苦しみ、家では妻との関係に苦しむ。テヒョンは、明るさを失っていくジヨンに精神科での受診を勧める。ジヨンは会社員時代を思い出す。女性ながらチーム長だった上司の姿を思い出す。ジヨンは公務員の父と専業主婦の母親を持ち、教師になった姉と弟がいる。どの家でも息子は大切にされるが、娘は嫁に行けばいいと考えられている。学業のよくできた母親も、兄弟の学費のために早くから働き続けてきた女性だ。その姿を見て育ったジヨンは、母親には夢だった大学まで出たものの、専業主婦になってしまったのだ。ジヨンは、心の中の葛藤に苦しんでいる。働きに出るためにベビーシッターを探しかけるが、義母の強い反対で断念する。義母世代とジヨンたちの世代との子育て、仕事への考え方が大きく違っているのだ。この作品には男性が主導権を握り続ける韓国社会の中、苦しみ続ける若い母親の姿が描かれ、女性をめぐる様々な問題がいくつも描き込まれている。それでも、主要国でのジェンダー指数ランキングを見ると、韓国の方が日本よりも女性活躍度が認められている。日本も韓国も急速な少子化に国家は苦しめられている。日本や韓国の女性たちはこれからどうなるのだろうか?

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