僕のワンダフル・ジャーニー(19年公開・DVD)

ラッセ・ハルストレム監督「僕のワンダフル・ライフ」の続編だ。今回は4匹の犬が生まれ変わる。ペットを愛する人たちなら、一度は味わうペットの老いと病死。だが、原作者のW・ブルース・キャメロンは、それを逆手に取って愛犬が何度も生まれ変わって愛する人々を守り抜くという物語にしている。今回守られるのは、イーサン(デニス・クエイド)の孫娘、CJ…
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ストーリー・オブ・マイライフ~わたしの若草物語(20年公開・DVD)

原題は「Little Women」で、原作と変わらない。同じタイトルの映画は、1933年版・白黒作品、1949年版・カラー作品など数本が作られてきた。テレビドラマ、アニメ、舞台にもなっている。1949年版のマーヴィン・ルロイ監督作品では、主人公のジョーをジェーン・アリスン、妹のエイミーをエリザベス・テイラーが演じているが、ユーモアが…
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ハリエット(20年公開・DVD)

この作品を観ると、1850年代の米国の南部と北部で黒人奴隷に対する考えが大きく違っていたことがわかる。南部の農場では、奴隷は資産の一部だった。台詞の中にも「この家の財産の三分の一が奴隷だ」という個所がある。奴隷は売買できる資産で、経営の思わしくない農場主は、所有する奴隷を売りに出した。奴隷夫婦が娘を産めば、育てて売った。「奴隷も…
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アイヒマンを追え(17年公開・DVD)

1950年代後半、ユダヤ人のフリッツ・バウアー検事長(ブルクハルト・クラウスナー)がアルゼンチンに潜んでいたナチスの元親衛隊中佐・アイヒマンを逮捕させる姿が描かれている。検事長という要職にありながら、アイヒマンをドイツの警察組織によって逮捕できなかった理由もわかる。戦後まもなくのドイツ連邦刑事局内には、元ナチスの親衛隊員たちが勤…
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石つぶて(清武英利著、講談社文庫)

2001年、警視庁は機密費詐欺事件で外務省官僚を逮捕した。清武英利著「石つぶて」は、この事件の捜査に当たった警視庁捜査二課の刑事たちを描いたものだ。清武作品には「しんがり」「石つぶて」「トッカイ」と、斬新なタイトルが付けられている。「石つぶて」は、ノンキャリアの警察官たちが日々続けている地を這うように地道な捜査を示している。この作品…
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ガーンジーン島の読書会の秘密(19年公開・DVD)

ガーンジーン島は、フランスに近いチャンネル諸島の島のひとつだ。正式には、ガーンジーン代官管轄区で、イギリス王室属領になっている。この島は、第二次世界大戦中の1940年7月から45年5月までドイツ軍によって占領されていた。ドイツがフランスに侵攻し、フランス沖合のガーンジーン島への侵攻を明らかにした時、イギリスは島を防衛しなかった。当初…
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僕たちのラストステージ(19年公開・DVD)

原作はなく、ジェフ・ホープのオリジナル脚本をジョン・S・ベアードが監督している。実話に基づいた作品で、主演の二人は戦前に活躍したコメディアン、スタン・ローレルとオリバー・ハーディの「ローレル&ハーディ」。二人は1937年頃ハリウッドで大活躍していた。だが、スタジオは二人のギャラを削っていたため、理知的で脚本家でもあるスタン(ステ…
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89歳の女帝~第一生命19億円不正集金

顧客24人から計19億円超を不正に集めていた元生保営業社員A子(89)についての詳細が報道されている(毎日新聞12/2・三上剛輝記者)。 A子は、山口県周南市出身で、65年に第一生命に入社した。地域限定で採用されたA子は、50年以上にわたって山口県内で保険を販売してきた。成績は全国約44、000人の営業社員の中でもトップクラスだっ…
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パピヨン(19年公開・DVD)

69年にフランスで出版されたアンリ・シャリエール著「パピヨン」は、作家自らの壮絶な体験記として世界的ベストセラーになった。この原作を「ローマの休日」を書いたダルトン・トランボが脚本にし、フランクリン・J・シャフナーが監督した「パピヨン」は、スティーヴ・マックイーンとダスティン・ホフマンの共演によって大ヒットした。それから45年後にリ…
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同胞 はらから(75年公開・DVD)

松竹80年記念作品として製作された山田洋次脚本・監督の「同胞・はらから」は、1975年の岩手県松尾村を舞台としている。山田監督が後に獲った「息子」では、東北の山村で一人暮らしになった老父の姿が描かれていたが、この作品の松尾村には驚くほどの若者たちがいる。父親を亡くした主人公の高志(寺尾聡)が、農業を継ぐが、家には工場勤めの兄もい…
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火口のふたり(19年公開・DVD)

97年公開の「身も心も」で、荒井晴彦監督は、自らの分身を主人公にして全共闘世代の心情を描いたと評された。この作品の主演だった柄本明の息子・柄本祐が、瀧内公美と共演したのが、白石一文原作「火口のふたり」だ。両作品には、22年の歳月が流れている。火口は、富士山の火口だ。ラスト近くで、富士山の火口を写した大きなポスターが出てくるし、実際に富士…
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アイネクライネナハトムジーク(19年公開・DVD)

伊坂幸太郎原作、鈴木謙一脚本の物語は、現在と10年前の二つの時代を描いている。仙台を舞台にした物語なので、10年の間には東日本大震災による悲劇が挟まれていると思ったが、意外にも地震や原発事故の様子はまったく描かれていなかった。登場するのは、3組のカップル。仙台の会社員、佐藤(三浦春馬)と恋人の沙希(多部未華子)、佐藤の親友、一真…
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スタートアップ・ガールズ(19年公開・DVD)

主演の二人、上白石萌音と山崎紘菜は、ともに11年の第7回「東宝シンデレラ」審査員特別賞を得て東宝芸能へ。池田千尋監督「スタートアップ・ガールズ」には、建設中の新東京競技場が写っている。20年の11月から考えてみると、この作品で扱ったアプリのテーマには、コロナで浮彫りになった課題が捉えられているのに驚かされる。まず、「24チャイルドホスピ…
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しんがり(清武英利著、講談社文庫)

20年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の中でも“しんがり”が出ていた。朝倉攻めで、浅井の寝返りによって挟み撃ちにされた織田信長軍を逃がすため、明智光秀と秀吉が最後尾で戦った場面だ。ドラマの中では、秀吉が明智に「名を上げるためにしんがりをやらせてほしい」と懇願していたが、山一證券破綻後に破綻の真相解明のために残った「しんがり」たちは、名…
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ロング・ショット(20年公開・DVD)

タイトルは“見込みのない賭け”という意味。到底成就しそうにない恋の行方を、ハリウッド伝統の笑いとヒューマニズムで描くラブコメディーの佳作だ。脚本のダン・スターリングとリズ・ハンナは、ジャーナリズムと政治スキャンダルを描いた「ペンタゴン・ペーパーズ」の執筆者だから、今回も政権内幕を笑いの中に辛口に描いている。恋をした男は、やりすぎ取材…
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フォードVSフェラーリ(20年公開・DVD)

冒頭、フォード社を率いるフォード2世が、自動車工場のラインを強引に止める場面がある。怒気をはらんだ社長のフォードは、「アイデアの出ない者は家にいろ。ステイ・ホームだ」と怒鳴る。60年代当時、大企業病に陥っていたフォードは、売上が落ちて苦境に直面していたのだ。上司の顔色を窺う役員たち。肥大した組織。効率の落ちた工場。過去の成功体験に安…
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アラビアの女王(17年公開・DVD)

脚本も担ったベルナー・ヘルツォーク監督が、かつて「砂漠の貴婦人」とも呼ばれた英国女性、ガートルード・ベルの生涯を、恋愛模様を交えて雄大に描いている。1870年代に英国の富裕な貴族の娘として生まれたベルは、当時としては極めて稀なことだが、オックスフォード大学で現代史を学び、優秀な成績で卒業した。だが、その学歴が災いして故郷の社交界では…
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アイヒマンの後継者・ミルグラム博士の恐るべき告発(17年公開・DVD)

タイトルのアイヒマンは、ナチスの元官僚アドルフ・アイヒマンのことだ。アイヒマンは、ナチ親衛隊のユダヤ人問題専門家として出世し、ゲシュタポのユダヤ人部門の責任者として「最終解決」(行政的大量虐殺)の実行を担当した。強制収容所や絶滅収容所への移送の指揮を執っていたが、終戦後に潜伏・逃亡し、1960年にブエノスアイレスでイスラエル諜報機関・モ…
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内閣調査室秘録・戦後思想を動かした男(志垣民郎・岸俊光、文春新書)

現在の内閣情報調査室は、68年前の吉田茂内閣の時に創設された。この著作は、発足当時に室長を務めた村井順の部下だった4人の部下の1人、志垣民郎氏の残した日記が基になっている。戦争体験のない日本人ばかりになってしまった令和の現在、志垣氏が終戦直後に感じた大きな違和感を理解することは難しくなっている。志垣氏は戦時中、日本が対米戦に踏み…
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旅のおわり世界のはじまり(19年公開・DVD)

ウズベキスタン共和国の首都・タシケントを中心に撮られた作品だ。脚本も担っている黒沢清監督の本当の狙いは何だったのだろうか。テーマが観客に充分に伝わっていないように思える。ラストでヒロイン・葉子(前田敦子)が丘の上で謳う「愛の賛歌」にはどういう意味が含まれているのだろうか。テレビレポーターの葉子は、ディレクター(染谷将太)、カメラマン…
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